歌う前のウォーミングアップの大切さ
これを読んでいる皆さんは、どのくらいの世代でしょうか?20歳前後の声楽の学生かもしれませんし、40歳以降の趣味で合唱をされている方かもしれません。年配の方でしたら、若い頃の方が何も考えずに楽に声が出せたのに今は出しづらくなったと感じている方も多いのではないでしょうか?
10代から25歳くらいまでの若い歌手の中には「歌う前にストレッチや発声練習をしてもしなくてもあまり変わりない」と感じている方が多いです。実際、そういう方を見ているとあまり変わらないだろうなと思うことがあります。それは、今のこのストレッチが歌の何に効くのか、この発声練習がどんな結果に繋がるのかイメージが出来ていないため、もっと言うと、普段からどんな声でどのような身体で歌いたいのかというイメージがまだ足りていないだけに、ウォーミングアップをそのようにしか捉えられないのかもしれないと思います。
25歳を過ぎてくると、段々体つきが変わってきます。徐々に身体の張りがなくなってきて、張りがあったときはそれだけで声を支えられていた部分もあったのですが、若い身体の張りに支えを頼ってきた歌手は身体の変化とともに悩み始めることになります。何が悪いのか、昔と同じように歌っているのに…。
もちろんこのことは歌う前だけに限らず、普段の身体をしっかりとメンテナンスし、柔軟さと強さを兼ね備えられるよう努力を続ける必要が出てきます。年齢を重ねれば重ねるほど…。
本当は若いうちからそれに気づいて適切に訓練し続けられたら良いのですが、不調を感じてから真剣に取り組む歌手も多いと思います。私もその一人で身体のことが分かるようになるまでに随分時間がかかりましたので、若い頃は今思えば、やはりきちんと理解できていなかったし、そのような身体とは程遠い状態で歌っていたなと感じます。
40代半ばになった今、一日のうちで気が付くとストレッチをしたり、筋トレしたりしています。お気に入りはエゴスキューです。
普段から自分の身体に対して意識を持って生活することが前提ですが、やはり日々歌う前は(もちろん本番前は普段と違う状況や精神状態でただでさえ身体がこわばりやすいので念入りに)ストレッチしたり歌う身体の状態をチェックし、万全な身体になっておき、歌う段になって余計な苦労をしないようにしたいものです。
ある程度ストレッチをしてから、発声練習する前に身体をチェックしてみます。チェック項目はいくつかあります。私が大切だと思っていることを、身体の下の部分から4つほど挙げてみたいと思います。
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