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癌が見つかるまでの経緯など

※先月終わった円錐切除術の後日談を先にするべきなのですが、言うほど内容があまりない(麻酔で眠っている間に全て終わっていた)為、8月24日以降の日記は後回しにさせて頂きます。いつも読んで下さっている皆様、申し訳ございません。

また今回の記事も痛みや出血など生々しい表現が出てきます。病気が見つかる前の重要なサインだったりする場合もありますので、ご自身やパートナー、ご家族、お友達などに該当する内容があれば是非、医療機関を受診して欲しいですし、受診を勧めて欲しいなと思います。

内容がら苦手な方は読むのをお控え下さい。


今回は子宮癌の告知に至るまでの経緯を覚えている限り書き出してみたいと思う。ちなみにこの記事がお初な方もいらっしゃると思うので、簡単な自己紹介から。

1980年生まれ、44歳、女性
諸事情につき休職中の会社員(医療関係)
現在、元気だった頃の日常を取り戻すための充電期間中


自覚症状

ちょうどコロナ禍と重なる2年半前くらいから月経不順が顕著になり始める。さらに直近1年くらいは少量の不正出血が続いていた。

正常だった頃の月経
30日周期
出血量は、1日目少量、2日目大量、3日目以降少しずつ減り6〜7日で終了

不順になり始めてから
① 月に2回〜1ヶ月半に1回など周期がバラつき始めるが、出血量のペースは以前と変わらず(ストレスかな?)

② サイクルは以前とほぼ同じだが、出血量が少量なまま変化がなく10日〜12日ほどダラダラ続いてなんとなく終了(月経?不正出血?)

③ サイクルも定まらず、少量出血が二週間ほど続いてなんとなく終了(もはや月経かどうかも疑わしい)

④ 二ヶ月以上何の音沙汰もないかと思えば、ある日思い出したように出血し、突然ドバっと大量出血し貧血になることもあった。ナプキンを替えてわずか10分で29cmサイズ全面が真っ赤に染まるほどの出血をしたり、10円玉大くらいのレバー状の血の塊が出たりすることもあった。(さすがにヤバイ…)

⑤ 微量から少量の出血が1ヶ月のうち、3週間以上ダラダラ続き、たまに血の塊のようなものが出る。月経なのか不正出血なのかもはや不明。

①はまだ環境変化によるストレスなどが原因かな?で様子見できるかも知れないが、②以降は明らかに異常(これまでの自分のパターンと違う変化)なので早めに婦人科を受診すべきだった。ちなみに私は数ヶ月単位で①〜⑤の順に月経の異常が変化していったのだが、元々月経痛もほとんどなく、仕事で休みが取りづらい時期で「そろそろ婦人科いかなきゃな〜」と思いつつなかなか重い腰が上がらなかった。

検診

25歳〜38歳までは毎年必ず子宮頸がんの検診を受けていたが、6年前の仕事での異動〜新店舗立ち上げに伴う異動(現在の職場)、コロナ禍によるPCR検査業務や発熱外来の休日対応など、イレギュラー業務の激増に伴い検診を受けに行く時間も気力も削られこの6年の間受けていなかった。

発覚するまでのいきさつ

2024年7月、頭痛や目眩、微熱などの体調不良や、常に憂鬱で塞ぎ込むような気分症状の悪化で「更年期障害」を疑いレディースクリニックを受診。不正出血も気になるのでついでに子宮頸がん、子宮体がん両方の検診も受ける。検診の際のエコー検査で子宮の内膜が異常に肥厚していると医師から指摘され、癌検診のための細胞を採取された。細胞診の結果、子宮の頸部にも体部(内膜部)にも両方とも異型細胞が見つかった為、「早めに大きな病院で精密検査を受けて下さい」と言われ紹介状を貰う。

医師からの勧め通り、総合病院で紹介状を元にさらに詳しい内診、組織診が行われ、やはり内膜部にも頸部にも細胞の異常(前がん病変)が見られるため、検査を兼ねた手術でより詳しい組織の検査をすることになった。

度重なる検査

まず、子宮の内膜が異常に増殖してしまう病気として、「子宮内膜増殖症」というものがあるのだが、私の場合は内膜の細胞に正常ではない異型の細胞が塊を成して存在していたので「子宮内膜異型増殖症」と診断された。異型細胞がある場合は自然治癒は望めないため、子宮内膜全面掻爬術という手術で増殖した内膜を掻き出すか、(妊娠の希望の有無や年齢によっては)子宮の摘出を勧められる。

この手術は検査も兼ねており、内膜の異型細胞が癌化しているのかを調べるために、前述した「子宮内膜全面掻爬術」を受ける。また、子宮頸部については内膜部とはタイプの違うウイルス性の癌の疑いがあるため、こちらは子宮頸部円錐切除術という、名前の通り子宮口の組織を円錐状にくり抜き、組織ごと病理検査に回される。どちらも検査結果がわかるまで約二週間ほどかかり、その他は血液検査、他臓器やリンパ節などに転移がないか、造影剤を入れての腹部・骨盤部のMRI検査も受けた。

それらの結果を総合的にみて判断されるのだが、私の場合は転移は見られないが、(おそらく)子宮内で留まる程度の軽度の癌だと診断された。浸潤があれば子宮、卵管、卵巣までを摘出され、その後も放射線治療や化学療法なども必要になるが、医師の見立てで「あと5年は頑張ってくれると思うので…」と卵巣はギリギリ残して貰えることになった。

卵巣も摘出となると女性ホルモンの生成ができなくなり、更年期障害のような症状が出始めるようになるらしい。癌の治療と並行してホルモンを補充する治療も開始されるだろう。

確定診断は結局のところ実際の子宮を摘出して中を割って見てみない限り難しいので、初期の段階ではかなり沢山の検査をして慎重に判断される。

告知

異型細胞がある、と医師に告げられた時点である種の覚悟はできていたつもりだった。覚悟というのは具体的に「自然治癒が見込めないので定期的な内膜掻爬術を受けるか、子宮全摘かを選ばなければならないこと」また「癌に進行している可能性」である。わかっていても、心の準備ができていても、いざ「癌が見つかりました」と言われた時のなんとも言えない気持ちは、告知された人にしか分からないものだと思う。
頭が真っ白になるし、やはりショックだし、先々の色々なことを考えてしまい不安になったり悲しくなり眠れない日々だった。

幸い私には夫や子供、パートナーなどはいないのでその点での心配はなかったが、もし自分が先に逝くことになれば、年老いていく両親の面倒をどうするのか、お墓や今ある動産不動産をどう整理するか、せめて親にお金だけでも残せるように…など色々なことを考えた。息子のように可愛がっている甥っ子の成人だけは見届けたいなぁ、なんて欲や、妹や親友とももっともっと沢山話したいことがある。まだ死にたくないし死ねない、とそんな事を考えていた。

一番伝えたいこと

兎にも角にも、毎年子宮がん検診は受けて欲しい。あと、月経とは明らかに違う出血があれば、それが例え少量でも必ず病院に行ってほしい。婦人科の病気は初期はほとんど自覚症状がなく、痛みが出る頃には隣接する臓器やリンパなどに転移しかなり進行しているそうだ。だから、「普段から不正出血あるし、前は検査で何ともなかったから大丈夫だろう」とか、生理不順で出血もまばらな自分の月経サイクルが把握できていない人は要注意。

特に私と同年代の40〜50代くらいの方は、更年期障害の症状と見分けがつきにくい場合や、閉経が近いのかと勘違いしたりする場合もある。

10代後半からの全年齢の方に向けて。

自分の命を守るためにも、大切な人を守るためにも検査は怖がらずに受けて欲しいです。
結果的に何もなければラッキーなのだから。

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