休職宣言
「いつかこんな日がくると思っていた」
ぼんやりした頭の片隅で、まるで他人事のようにそう思う自分がいる。勤続19年目、とうとう限界がやってきたらしい。いや、もしかしたらもうとうに限界を超えていたのかも知れない。
今年の3月頃だっただろうか、気のせいにしてはやり過ごせない程度の頭痛と目眩、吐き気、左耳の閉塞感などが毎日どれかセットで続き、心配になって脳神経内科を受診した。事前の検査で血圧も140を超えていたことからMRIを撮ってもらい、血液検査もしてもらった。しかし異常は見られず対処療法として薬を処方されて様子を見ましょうとなった。
そこから3ヶ月以上経過したが頭痛とふわふわした目眩は一向におさまらない。20年近く常備薬として愛用していた市販の解熱鎮痛薬が効かなくなった。
次第に思考が低下している感じに気づき、仕事でのケアレスミスが増えてきた。日中も頭が働かず、考えないといけないことや話したいことがうまく頭の中でまとまらない、など日常生活でも「疲れが抜けないだけ」では片付かないことが増えてきた。とうとう夜眠れなくなり、身体が食事を受け付けなくなってきた時点でこれは本格的にヤバいと直感した。
ここから先は私が休職を決意してからの日々の生活と療養の日記である。頭が働かない為、医療機関を受診前に思い出せるように記録する目的でもある。現在進行形ではあるが、日々の体調によって元気がある時間帯や前日の日記を翌日思い出しながら書いている日もある。(記録はスマホのメモ帳に保存したものを転記)
後で振り返った時に、またこれを目にした誰かの、何かの役に立つなら幸いである。
7月3日
もう無理、休みたい、休みたい、と体が警告しているようだ。思考が「休め」と強制しているように頭が回らず働かない。身体が重くテキパキ動けない。不調は続いていたがもう限界だと思い、上司に夕方話がしたいので時間を作って貰えないか打診。
気を抜くとずっと手が止まったままぼーっとしてしまいそうで何とか集中し手元の作業に向きあう。すごく時間はかかるのに軽微なミスが何度もある。今週に入ってから明らかに後輩の一人が私に対して不満があるような態度をみせているが、何に対してイライラしているのか分からないし、もう他人に気を遣える気持ちの余裕がなく気付かないフリを通していた。後輩なりにそれでも私にも気を遣わないといけないのがストレスなのだろうなと感じたが、申し訳ないけど自分の気持ちを優先したかった。
業務終了後、上司から声をかけられ二階の応接室で二人向かい合わせに座り、体調がずっと回復しないどころか気力も切れてしまい働けない、一度休ませて欲しいと話した。
上司はゆっくり聞いてくれ、体を優先するようにと承諾してくれた。明日上司から本社に事情を説明してくれることになり、ひとまず明日は休むよう言われた。
休みを申告することにもかなりの抵抗と葛藤があったが、このまま仕事を続けていても遅かれ早かれ同じ状況になっているはず、なら早い段階で休養をとろうと思った。
話せたことと、あれだけ辛い通勤からようやく明日解放されると思うと胸のつかえが少しとれた気がした。
(体調)ここ1週間朝と晩は食欲がなく全く食事ができない。昼はさすがにエネルギーを使うので食べたくはないが無理やり胃に入れる。美味しいと感じないし、スマホを見る気力もない。休憩1時間を空を見ながらぼんやり過ごす。仕事中はひたすらぼーっとする。患者や電話の応対に無理して営業用の声を作るのがとても辛い。何故か休憩時間になると動悸がすることが多い。