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私的おふくろの味

昨年2023年、父に頼まれ、母の誕生日のあたりに帰省した。
今年はお見舞いの意味が加わり帰省した。
あまり関わってこなかった母が老いていくカーブが見える。

おいしかった料理のことを話たいと思っていたが、
そんな状況では無かった。

カボチャのスープがおいしかった。
裏ごししていないスープの時、当時の私はそれを指摘したそうだ。
料理も出来ないのに、感謝もせず、どうしようもない。
まぁ、裏ごししたカボチャのスープがおいしかったということ。

中華そば。
とくにエピソードは無い。
素朴で、ただ美味しかった。

かき揚げそば、だったと思う。
自分が何をしたのか覚えていないが、
父親に怒られ、『飯を食うな』と言われ、
絶対食べてなるものかと、自分の部屋で時間が過ぎていった。

あたりも暗くなり夜、母は盆にのせた「かき揚げそば」を
『お願いだから食べてちょうだい』と言って、置いていった。
泣きながら食べたんじゃないだろうか。
もう40年くらい前の話だから。

結局、「不食」は貫かれなかったわけだけど、
こういった日もあり、私に対し「頑固」という印象があるのだろう。