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ちょい読み 2025/ 1/ 3
・ 『出版状況クロニクルⅦ 2021.1 ー 2023.12』 小田光雄 著
「右肩下がり」の現象を読んでいるわけなのだが、なぜか落ち着く。
情報が、本になる時は、古い情報となる。
最新の情報は、著者のブログで発信されている。
と、調べていたら、2024/ 6/ 8に亡くなられていることを知った。
残念である。ご本人も無念であろう。
(※ブログの、出版・読書メモランダムについては、
どなたかによって、継続されているようだ。)
小田光雄さん、ゆっくりお休みください。
・ 『ことぱの観察』 向坂くじら 著(NHK出版 2024)
著者は、ある現象と、
その現象に対し名づけられた言葉とのギャップに対し、敏感だ。
例えば、やさしさという現象と、
その「やさしさ」という言葉の意味合いについて。
時間とやさしさ、お金とやさしさ、効率とやさしさ、
そんなものを比べているようでいて、本当は、
あるものに対するやさしさと、
またほかのものに対するやさしさを比べていたりする。
(・・・)
その選択のまえに立たされたとき、わたしたちはどうしても、
自分と自分の大切な人に対するやさしさのほうを選んでしまいたくなる。
そしてそのことは、わたしの「やさしくなりたい」という願いと、
どうも反対するようでならないのだ。
「やさしい」という言葉を、
公共の場において、同じ意味として使用しているが、
本当は、「同じ」意味ではないのだ。
そういったことで、「同じ」言葉を使っているようで、
「同じ」意味ではない言葉を使っているので、
話が通じなくなってきたりする。
「同じ」言葉のようでいて、真逆の意味になってしまったりもする。
単語だけでは、意味合いの絞れない「言葉」の数々を、
著者は、自身の気持ち悪さを解消するように、
再定義していく。そして、詩人として、
その言葉にまつわる風景を「詩」としてあらわしていく。
そんなエッセイになっている。
この本の「詩」の部分については、
まだピンときていないのが、本当のところなのだが、
著者の「言葉」とその意味するものの範囲についての、
向き合い方が、良い感じ(悪く言うと面倒くさい)なので、
詩集なんかも読んでみたいと思った。