備忘録「隠された奴隷制」植村邦彦 著(2019 集英社新書)

自分の事を"奴隷"と考えないで生きた方が良いだろうか。
でも、"日本国政府"という奴隷頭は、
国民の事を"奴隷"と思っているから、
コロナワクチンで殺したり、重税をかけたりする。
お金を搾り取るか、殺して金をせしめるか、ただ殺すか。

カール・マルクスの『資本論』第一巻の終わり近く
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綿工業はイングランドには児童奴隷制をもちこんだ
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合衆国の奴隷経済を、商業的搾取制度に転化させるための原動力も
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ヨーロッパにおける賃金労働者の隠された奴隷制は、
新世界での文句なしの奴隷制を踏み台として必要とした

P. 7 はじめにー「奴隷制」と資本主義

フリードリヒ・エンゲルスとの共著『聖家族ー批判的批判の批判』
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近代世界では、各人は奴隷制の一員であると同時に共同体の一員である。
市民社会の奴隷制こそ、その外見からいえば、最大の自由である。
なぜなら、それは外見のうえでは個人の完全の独立性

P. 109 第四章 隠された奴隷制ーマルクス

『経済的諸矛盾の大系』でプルードンは、「経済発展」の第一段階を「分業」、第二段階を「機械」と位置づけ、以後、第四段階の「独占」、第八段階の「所有」などを経て
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第一段階の「分業」
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細分化された労働は奴隷のしごとであるが、そういう労働のみが豊かさをもたらす。
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分業が進めば進むほど賃金は下がっていく。
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分業は人間を機械に変えてしまうだけである

P. 112 第四章 隠された奴隷制ーマルクス

「機械制」の段階になると人間はどうなるのか。
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機械はわれわれに自由を約束した。しかし、機械がわれわれにもたらしたのは奴従であった。
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機械の段階は独自の性格によって特徴づけられる。それは賃労働である。
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最初の機械制、そのもっとも力強いシステムは工場である。

P. 113 第四章 隠された奴隷制ーマルクス

公然と存在している黒人の奴隷制と「隠されて」存在している白人の奴隷制という比較を、マルクス以前にすでに行った人物がいた。それが、ジョン・フランシス・ブレイ(1809~1897)であり、彼の1839年の著書『労働の苦難と労働の救済ー力の時代と正義の時代』だった。

P. 114 第四章 隠された奴隷制ーマルクス

ブレイは、財産の不平等と雇用者および被雇用者への社会の分割」が存在していれば、必ず奴隷制が存在する、と言うのだから、資本家に雇用される賃金労働者は、説明の余地なく「奴隷」だということになる。

P. 117 第四章 隠された奴隷制ーマルクス

熊沢誠の『過労死・過労自殺の現代史ー働きすぎに斃れる人たち』
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長期残業が続いた結果として1987年2月に急性心筋梗塞で過労死した広告代理店「創芸」の制作部副部長(43歳)が残した手記
 現代の無数のサラリーマンたちは、あらゆる意味で、奴隷的である。
 金に買われている。時間で縛られている。上司に逆らえない。
 賃金も一方的に決められる・・・・・・。

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長時間労働の末に1989年11月に動脈瘤破裂のくも膜下出血で過労死した「株式会社きんでん」の下請け企業の電気工事士(46歳)が寝床で妻に「ぽつりと漏らした」言葉
 僕は奴隷かなぁ。
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1980年代に過労死した二人が、自分自身の置かれた状態を自ら「奴隷的/奴隷」と表現する語彙をもっていたのに対して、2000年代以降の過労死者が残した言葉は、明らかに異なった印象
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2001年12月に過労自殺した、オリックス株式会社厚木支店に勤務していた女性総合職(26歳)が残した手帳の走り書き
 朝早くから夜遅くまで会社にいて、行動を管理され周囲から厳しいことが 
 言われる状況の中で、それに対して「自分」がなくなってしまいました。
 自分がどんな人間で何を考え、何を表現すればよいのかが分かりません。
 もう少し強い自分でありたかったです。
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過労自殺した、小学校女性教員(23歳)が書き残したノートの文章
 無責任な私をお許しください。全て私の無能さが原因です。
 家族のみんなごめんなさい。
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1940年代半ばに生まれて戦後民主主義の時代に自己形成を遂げた世代と、1970年代後半以降に生まれた世代との間にあるもの。
ここには明らかに、1990年代半ば以降繰り返し強調された「自己責任論」の影響を見ることができる。

P. 197-200 第五章 新しいヴェールー新自由主義

過労死にまでいたる長時間労働が蔓延している現代日本の状況は、日本の労働者が「労働日の限界をめぐる」この「階級闘争」に敗北したことを意味している。

P. 201 第五章 新しいヴェールー新自由主義

イギリス資本主義の成立過程を実証的に再検討
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エリック・ウィリアムズ(・・・)『資本主義と奴隷制』
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1750年までにはイングランドではなんらかの点で三角貿易、または植民地との直接貿易とは無関係の貿易都市や製造業年はほとんどなかった。
これらによって得られた利潤は産業革命の資金を調達
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奴隷貿易がなければ、産業革命もなかったかもしれない
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18世紀の商業資本主義は、奴隷制と独占によってヨーロッパに巨万の富をもたらした。しかし同時に、それは19世紀の産業資本主義を呼び起こす役割をも果たしたことになり、逆に商業資本主義と奴隷制およびその諸産物を破壊することにつながっていった。

P. 206-207 第六章 奴隷制から逃れるために

奴隷制がなければ、資本主義がなかった。
近代資本主義世界システムが英率するためには、
奴隷制プランテーションは不可欠だった。
そして今もなお、「自由な労働者」というヴェールに覆われた
「隠された奴隷制」がなければ、資本主義は成り立たない。
それが、私たちがこれまで生きてきた世界、世界史的現在なのである。

P. 212 第六章 奴隷制から逃れるために

資本主義だけでなく、国家というものが、そもそも「人びとを奴隷化する」

P. 218 第六章 奴隷制から逃れるために

圧倒的に多数の社会は、贈与に対してお礼を言い合い、お互いに負い目を感じ、負債を負い、そして負債を返す人間たちの社会となった。
つまり、奴隷をつくる社会である。
そしてそれが、いわゆる「文明社会システム」である

P. 226 第六章 奴隷制から逃れるために

失業への恐怖が非正規労働者を「従順な労働者=忠実な消費者」にする

P. 240 第六章 奴隷制から逃れるために