四分の三よんだ「オブジェ焼き 八木一夫陶芸随筆」(講談社文芸文庫 1999) 10 naka 2023年11月25日 07:57 松岡正剛の千夜千冊 八木一夫にこのようなタイトルの著書はない。八木が生前に出版したのは『懐中の風景』と『刻々の炎』の2冊だった。 … Cont 1000ya.isis.ne.jp 松岡正剛の千夜千冊 314夜(意表篇)6章構成。1章目の文章で高揚。その余韻をもって、2章目以降も読み続けるも、6章途中まで。原始の、土器のような(それは石でできていても、木でも器でも像でもいいのだが)ものをみると、造りものというよりは、できごとのように、おのずと生まれたもの第1章 原始への随想ー無名性の切実感 P. 13-14器を、「もの」ではなく、「できごと」としてみる。古代の器物を目にするたびに、私はそこに描かれた、はじめも終わりもない不動のもの、悠久なるものの畏敬を思う。(・・・)祈りや怖れの次元から、おのずから生じたもの第1章 風月の世界についてー技術の場から P. 22器は器自身のもつ気配によって、周囲の中へ同化しながら、周囲そのものとなる。つまり、その器の気配は、器は畳へとつながっており、室内の大気を呼吸し、さらにあのはるか山水を包み込んでいる大地ともつながっている。そんなリズムを起こさせる、一つの流動感なのである。風月の世界とは、そのようなリズムを常にわが身に起こさせながら、外界へとつながっている自らとの唱和応答の場でもあった。第1章 風月の世界についてー技術の場から P. 39大量消費社会では、"もの(単品)"を、自分とは断絶された"もの"とみているが、太古では、"もの"につながりを感じていた、のだろう。八木一夫の言葉、"できごと"のように。一人の人間ですら"もの(単品)"化されていく現代で、それに抗い、"この世"との"つながり"を感じていきたい。 オブジェ焼き―八木一夫陶芸随筆 (講談社文芸文庫) www.amazon.co.jp 1,142円 (2023年11月25日 07:45時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 今が底値ではあるが。 ダウンロード copy #本 #千夜千冊 #八木一夫 #オブジェ焼き 10