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ちょい読み 2025/ 2/28
・ 『婉という女・正妻』 大原富枝 著(講談社文庫 1972)
【千夜千冊・0741夜】 45 / 295 頁
少し前に読んでいた時は、眠りながら読んでいたので、
江戸時代の、「お家お取り潰し」の、重い話かと思ってました。
今日、読み始めて、そのような重さはあるが、
それよりも、主人公「婉(えん)」が演じる女性の人間性、
アンビバレンツ。ということは、メリットとデメリットあるが、
残酷面が浮き上がってくるということ。その告白。
女性だけでもないのだろうが、
尊敬出来ない人に対する、冷めた心の目。
その時の心をオブラートに包まず言語化すれば、
残酷としか言いようがない。
心を抉ってくる小説。逆に小説とはそういうものでしょうか。
・ 『開国』 伊部英男 著(ミネルヴァ書房 1988)
ー 世界における日米関係 ー
【千夜千冊】 115 / 381 頁
戦国時代と幕末が好き、というのは良くきく話なんですけど。
幕末の、明治維新の勝者を、
自分らに引き寄せて、リスペクトしたりするんですけど。
彼らは、多数の、田や畑を耕してた人とは違うんです。
関ケ原の戦いで、敗者となった、
江戸時代に冷や飯を食ってきた人らなわけです。
明治維新は、ただのクーデターに過ぎない。
いや、ただではなく、
英米権力層の地政学に基づいた、
ローカル地区の権力闘争、であろう。
ウクライナの2013年のクーデーター同様。
ブルジョアなり農民なり、労働者なりが、
明治維新の主体的勢力であったわけではない
幕府を保守派、尊攘派を進歩派とするのは短絡すぎる。
両者改革を目指したがその路線、スピード、方法等に相違があり、
誰がそのリーダーシップをにぎるかを争ったのである。
農民の負担は、明治に入って、減少はしなかった。
副島隆彦さん言われる通り、
司馬遼太郎の幕末小説が悪かったんではなかろうか。
もうひとつ、明治維新が素晴らしい革命であったと言っていたのは、
今では、悪い奴だと知れ渡った、竹中平蔵バカヤローである。