『SDGs時代の食べ方』から賞味期限問題
昭和の終わり頃、亡くなった明治生まれの祖母は、「明治~大正~昭和」という激動の3つの時代をはさみ、関東大震災と太平洋戦争の東京大空襲を生き抜いてきましたが、そのおばあさんは、「図書館」のことを「とぉ~しょ~かん」と発音していました。
久しぶりに図書館に行ってみました。図書館と言えば、自治体の税金が投入されている公共施設なんですね。当たり前のことなんですが、本が「タダ」で借りられるんです。
地元の自治体に地方税を納めている身としては、活用しなきゃ損なのかもしれません。
しばらくぶりに本を借りるので、運転免許証などの住所のわかる身分証明書を提示のうえ、利用カードを作成してもらいました。
くつろぐスペースでは、館内から借りた新聞を手に、たたずんでいる人もいます。
クーラーをタダで使用しているのかもしれませんね。
図書館の書棚には、「新刊本」のコーナーもあります。
今まで図書館を利用しなかった大きな理由は、古い本を触ると、アレルギーになりそうな感じがし、敬遠していましたが、「新刊本」ならば、その心配は少なさそうです。
「新刊本」のコーナーに、次の本を見つけました。
『ちくまQブックス SDGs時代の食べ方』(井出留美著・筑摩書房刊)です。
氏は、食品ロス問題ジャーナリストとしての活動をしている人で、令和2年度食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞などの受賞歴があり、栄養学の博士号もお持ちです。
昨今、スーパーなどで、賞味期限切れ前の食品が、「○%割引」という値引きシールが貼られ、逆にそういったものから売られて行く風景を見るようになりました。
私も、値引きシールは大好きですが、値引きシールが一般的でなかった頃は、賞味期限の短いものなどは、賞味期限の近づいた手前からではなく、賞味期限に余裕のある奥の方から取っていた経験があります。
現在、このような(ある意味、ありがちだった)経験を語ることは、SDGsの観点から、かなり恥ずかしいことだと認識されるようになってきており、時代は変わったなと感じますね。
このような賞味期限の近づいた手前のものから取る習慣を、「てまえどり」と言うのだそうですが、みなさんはすでに当たり前のこととして、実行されていますか。
ちなみに、私が、「賞味期限」と書きましたが、「賞味期限」と「消費期限」との違いを認識されていますでしょうか。
発音すると、一文字しか違わず、漢字で見ると、「期限」とありますから、「そこまでしか食べられない」と認識してしまうでしょう。
「消費期限」は、概ね、日持ちが5日以内のもので、対象は、弁当、おにぎり、サンドウィッチなどですが、それに対して、「賞味期限」は、品質が切れる日付ではなく、美味しさの目安なんだそうです。
メーカーは、①微生物検査、②理化学検査、③官能検査の検査をして、美味しく食べられる期間(賞味期間)を設定するのですが、その数字に、1未満の安全係数を掛けたものが賞味期限として表示されるのです。
国は0.8以上を推奨していますが、メーカーによっては、0.7~0.6を使用していたり、場合によっては、0.3を使用しているところもあるようです。
つまり、これを知っていれば、賞味期限の日付を過ぎていてもすぐに捨てる必要がないということがわかるでしょう。
ちなみに、綾小路きみまろも言っています。「中高年、鼻で確かめる消費期限」 大体のことは、大体、大丈夫なんでしょうね(^^)。