専業主婦最高性能の妻が働きにバイトへ
うちの奥さんは、今どきは極めて珍しい厚生年金の加入期間が全くない、国民年金のみ加入でこれまでやってきた人なんです。
大学を卒業しても、まともな就職はせず、簡単なアルバイトくらいの経験だけして、我が家に嫁いで来たのですね。
ただ、だからと言って、頭が悪いわけではなく、大変賢く、家政上の一つ一つの判断は的確なこともあり、私は、大変助けられたというのは全く本当の話です。
で、専業主婦を20数年やって来て、私が来年度から60歳以降となり、収入が減ることを聞き及んで、自らアルバイトに出る、と言い出したのですね。
私は、やりたいならばやれば良いという考えですから、「無理はしなくて良いが、やる気があるならやれば良い。ただし、ケガしないように。」とだけ伝え、私が社労士だけに、「労働上でケガした場合は、労災が使えるから、ちゃんと申告するように。」と申し添えました。
うちの奥さんは、ちゃんとした職場で働いたことがありませんので、今どき珍しいPCが全く使えない人なんです(>_<)。
それじゃぁ、なかなか仕事は見つからないだろうなと思っていたら、「掃除のアルバイトをする」と言って、同じ市内の隣駅のマンションの掃除を、土日だけ、それも午前中の半日ずつだけ、行うという仕事を見つけてきました。
どこで見つけたと聞くと、「新聞の折り込みチラシ」と言うので、ネットで頻繁に目にする詐欺の仕事ではないなと思い、「どんどんやったら良い。」と、了承しました。
私は、学生時代に、掃除のバイトをしたこともありますが、結構、肉体労働ですから、そのことを踏まえ、「仕事に行く前に、身体をほぐす意味で、“ラジオ体操”をしていくと良い。建設業や工場労働では、必ず、準備体操をしているから。また、寒い中だから、“使い捨てカイロ”を持っていくと良い。」と、伝えました。
最初の1か月は、試用期間らしいのですが、12月からの採用というのは、今話題の「103万円の壁」やら、「130万円の壁」やらの関係で、年末、働き控えをしている人が多いので、その穴埋め労働力として、期待されているのではないでしょうか。
なんたって、ほぼ外で働いたことがありませんが、専業主婦としては、最高性能の女性ですから、PCとかが使えない以上、家事的な仕事しか、仕事ができるわけがないのです。
そういう意味では、「マンションの掃除を土日の各半日のみ」というのは、仕事的にも、開始するにはちょうど良く、適切な選択だったんじゃないかなと思っています。
ここいらへんは、自分の力量を見極めて、現実的な選択をしたんだろうと思い、賢明なところだなと感じています。
ちなみに、私は、これまでの間、奥さんの就業を禁止してきたわけではないのです。
奥さんが働きに出るとは言い出さなかったので、就業経験がない人が働くのは、現実的に相当難しい面があろうと感じていたため、こちらから、働きに出ればとは、言わなかっただけです。
奥さんも、働きに出れば、現実問題として、「1円のお金だって、理由なく払ってくれる人はいないし、少しばかりのお金を稼ぐのだって、結構、大変だ。」ということを、強く感じ取るでしょう。
今まで、何だかんだ、私は、尻を叩かれて、働いて来ましたが、女性の就業が常識化する中で、「単なる専業主婦」というのは、女性同士の中でも、肩身が狭くなっているのも現実でしょうし、私が、「仕事が厳しい」と日頃、伝えているのも、その意味を、肌感覚として理解することになるでしょう。
専業主婦として最高性能の奥さんが、簡単なバイトではありますが、働きに出ることのはなむけの言葉でした。頑張ってください。