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『道は開ける』→『森の生活』名著連携

 D・カーネギー著の『道は開ける』は、大変な名著であり、日本で300万部突破の大ベストセラーです。

 日本での初版が1959年ですから、大ベストセラーと言うより、大ロングセラーと呼んだ方が適切でしょう。

 瞬間のベストセラーならば、今の時代、広告をたくさん打つなりすれば、もしかすると、可能かもしれませんが、60年超にも及ぶ大ロングセラーは、内容がすこぶる良くない限りあり得ません。

 この本は、同著者の『人を動かす』(人間関係論)と並んで、大変な名著とされています。

 『道は開ける』は、悩みの原因を根本から突き止め、悩みを克服するための具体的な方法を解き明かした本であり、私は、高校2年生のときに出会いましたが、もう何十回読んだかわからないくらい、繰返し読みました。
 ※本を丁寧に扱うこの私の本なのに、本の腹の部分が、手あかで真っ黒になりました。

 その本では、いろいろな過去の名著が引用されており、私は、それに触発されて、取り寄せたりして読んだ本がいくつかあります。

①新約聖書『福音書』
 言わずと知れたキリスト教の聖典です。
 アメリカ人の書いた本の中には、さらっと、この『福音書』の中の「マタイによる福音書」などから引用されていることが多く、アメリカ人にとっては、空気を吸うくらい自然な教えなんでしょう。
 ある程度、偉くなった人なのに、『福音書』からの引用に気付かない人がいると、何だかとても残念な気がします。
 「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。」

②ジェームズ・アレン著『「原因」と「結果」の法則』(『思索する人』として引用)
 この本は、聖書に次いで一世紀以上もの間多くの人に読まれ続けている超ロング・ベストセラーです。
 この本は、D・カーネギーの著作に大きな影響を与えたとされており、確かにそうだと思えるところがあります。
 「人間が成就するものはすべて、その人間自身の考えがもたらした直接的な結果である。…人間は自分の思考を高めていくことによって向上し、征服し、成就することができる。自分の思考を高めようとしなければ、その人間はいつまでたっても弱々しく、卑屈でみすぼらしいだけだ。」

③マルクス・アウレウス著『自省録』
 ローマの哲人皇帝だった作者の本は、19世紀も前に書かれたものですが、ビシッと来るものがあります。
 「我々の人生とは、我々の思考がつくり上げるものにほかならない。」

④アレクシス・カレル著『人間この未知なるもの』
 ノーベル賞も受賞したこの医学者の本は、1回目は挫折しましたが、2回目で読み切りました。科学者にしては精神的な内容です。
 「現代都市の喧噪の中で内心の安らぎを保てる人は、神経性疾患に冒されることない。」

⑤ヘンリー・D・ソロー著『森の生活』
 一昨日・昨日の2日かけて、読み切りました。ハーバード大学卒業の身ながら、定職にも就かず、マサチューセッツ州コンコードにあるウォールデン池のほとりで、自ら家を建てて、自然の中、2年2か月暮らした記録(不朽の名著)ですが、特に、最初の1/3くらいが読みにくかったですが、後半になってくると、詩的な表現にあふれ、楽しくなってきます。
 「私が比類なく勇気づけられる事実は、人間には、自分の人生を努力によって向上させていく素晴らしい能力があることである。…もし自信を持って自分の夢に向かって前進し、理想とする人生を送ろうと努力するならば、普通では期待できないほどの成功を収めることができよう。」

 これらの著作は、どれも歯ごたえのあるもので、そんなにお気軽なものではありませんが、『道は開ける』からの名著連携といった体での読書経験は、大変貴重なものだと感じています。みなさんもお試しあれ。

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