査読を通すために:査読コメントへの返答の一方法
先日,知り合いとどうやって査読に対してコメントを返したら良いのか?という話をしました。「私はこうしているよ」と伝えたら,「それは参考になる」(意訳)と話してくれました。
論文を書いている者として,査読者に意図が伝わらなかったり,ましてやリジェクトされたりしたら,とても残念な気持ちになります。おそらく多くの人に共通する心理だろうと思います。
なので,私の「査読コメントへの返答」方法を共有することで,論文を書いている,そして,査読への返答に悩んでいる人の残念な(悲しい)気持ちを少しでも減らすことに貢献できればと思い,この記事を書くことにします。ただし,あまり上品ではない話を書くので,有料で,見たい人だけが見るというかたちで公開したいと思います。
本記事の前提は以下です。
・心理学系雑誌(日本語)に投稿したときの話
・査読が必ず通るわけではない(あくまで通りやすくなるという程度)
・(第一著者に限る)査読のやりとりをして通らなかった率3割弱(2/7)
・私の研究業績はこちら
査読に返答する前に
査読コメントを見たら,モヤモヤすることもあったり,イライラすることもあったり,ときには嬉しくなったりすることもあったり,様々な気持ちが生じると思います。
どのような気持ちが生じてもいいと思いますが,特にネガティブな気持ちが生じたとき,忘れてはならないことは,査読者は忙しいなか無償で論文を読んでくれたということです。
「この査読者,論文をきちんと読んでないな」と思うときもときにはあるかもしれませんが,そうだとしても,忙しい中査読を引き受けてくれた(しかも無償で)という事実に変わりはありません。
なので,どれだけモヤモヤしても,どれだけイライラしても,忙しいなか無償で読んでくれた人のコメントを蔑ろにしてはなりません。ネガティブ感情が生じているときは査読者のコメントを真摯に受け取ることができないかと思いますが(ときには好意的なコメントも否定的に読んでしまうこともありますが),そういう場合はいったん全文を読み通した後,しばらく時間をおいてから向き合い直すなどして,ネガティブ感情を落ち着かせることが望ましいです。
査読コメント全文を読んで,一通り周囲の人に文句を言って,しばらく時間が経った後に見直すと,「あー,査読者の指摘事項を誤解してたわ」とか,「当初思ったより建設的な意見を言っているなあ」(上からですみません)とか,色々と見えてくるものがあります。
ですので,査読コメントを受け取り,特にネガティブな気持ちが生じたら,
1. 査読者は忙しいなか無償で論文を読んでくれたことを忘れない
2. コメントは一通り全文読んで,文句を言いたいときは言う
3. 改めて落ち着いた頃に見直す
というステップを踏むと,査読コメントに真摯に向き合えるようになるかなと思います。
査読に返答するときは
さて,ここから実際に査読コメントに返答するときに私が心掛けていることを書きます。ここでも常に念頭においているのは「査読者は忙しいなか無償で論文を読んでくれたこと」です。それを念頭においた上で,具体的には以下の4つの原則に沿って返答を書いています。
感謝を忘れない:1コメント1感謝原則
まずは具体的に,(恥ずかしいですが)私の実際の査読への返答文を引用します。(次回からの査読への返答がやりにくくなりそうですが,出し惜しみせずに出します。)
ただそばにいることがサポートなのかなと思っています。また見に来てください。気が向いたときにご支援お願いします。