卒業論文作成の心得
卒業論文は「論文」として提出する以上,最低限の体裁を整えておく必要があります。ここでは,そもそもなぜ卒業論文の体裁を整える必要があるのか,そして,そのために身につけておくべき最低限の心得を記しておきます。
体裁を整える理由
卒業論文は自分のものでもありますが,それと同時に,あるいはそれ以上に,人に見せるものでもあります。自分だけが分かればいいのであれば,どのような体裁でも問題にはなりません。
しかし,卒業論文は「論文」である以上,人に評価されてこそ価値のあるものになります。評価する側からすると,誤字脱字が多かったり,図表の番号が不適切であったりなど体裁の不備があまりに目立つと,そもそも読もうと思う気持ちがなくなります。どれだけ頑張って書いたとしても体裁が悪ければ,読み手に内容がうまく伝わらないので,評価は下がってしまいます。すなわち,本来であれば100の評価を受ける価値のある卒業論文を書いたとして,体裁が悪ければ,70や80,場合によっては50の評価しかもらえないかもしれません。それほど体裁は大事なことです。
正当な評価をしてもらうためにも,また自分が頑張って調べた内容をしっかりと伝えるためにも,体裁を整えて見栄えのいい卒業論文を作成することが望まれます。
最低限の心得
体裁を整える,つまり見栄えのいい卒業論文を書くための最低限のポイントは「一貫性」です。すなわち,文字の大きさやフォント等の書式が卒業論文内で一貫していることです。たとえば,ある個所の見出しはMSゴシック14ptで書き,別の箇所の見出しはメイリオ16ptで書く,というようにバラバラの書式で書いてしまうと見栄えは悪くなります。また,ある箇所では数字を半角にしていたのに,別の箇所では全角にしているといった書き方も「一貫性」のない一例です。卒業論文内ではこの「一貫性」を意識することを忘れないでください。
では,どのように「一貫性」を保てばよいのでしょうか。「一貫性」を保つためのコツは「書式の設定」および「コピー&ペースト」(コピペ)です。具体的には以下の通りです。
まずは書式を決めます。これには,文字の大きさやフォントだけでなく,余白の設定やページ番号(フッダー)等の挿入なども含まれます(詳細は「卒業論文の構成と書式」参照,近日公開)。一度書式を決めて書き始めたら,その後はコピペがおすすめです。たとえば,見出しの書式を決め,実際に見出しを書いたとします。その後,別の見出しを書く場合は一から書式を設定するのではなく,これまでに書いた見出しをコピーし,別の見出しを書く箇所にペーストして内容を書きなおします。そうすることによって書式が変わることなく別の内容を書くことができ,「一貫性」も保たれます。
また,コピペを活用できるようになると,書式が最もわかりにくい「引用文献」の書き方も一からすべて書かなくてもよくなります。資料(日本心理学会 執筆・投稿の手引きの「3.9 引用文献」)をみながら一度集中して書式を整え,その後はコピペすることによって書式を間違えることは少なくなるでしょう。
以上のように,書式をあらかじめ設定し,コピペすることで書式の間違いが減り「一貫性」のある卒業論文を書くことができるようになります。
本章のまとめ
ここでの要点は2点です。
(1)卒業論文をきちんと読んでもらうためには体裁を整えることが必要
(2)体裁を整えるためのポイントは卒業論文内の「一貫性」を保つこと
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