【読書記録】本屋さんのダイアナ
※ネタバレあります
柚木先生が書く、女性が強く生きる物語が好きです。
今回読んだ『本屋さんのダイアナ』は、2人のヒロインが自分の人生の呪いを解いていく、まさに強く生きようとしている女性のお話でした。
大穴(ダイアナ)と言う名前、金髪、父親がいないこと、全てを否定して生きていた孤独なダイアナと、正反対の見た目・性格の彩子は小学3年生のときに親友になりました。
そこから大人になるまでの、全6章で綴られる2人の物語。
小学3年生、小学6年生、中学3年生、高校から3年生、19歳、22歳の2人。
中学に上がる前に絶交してしまった2人ですが、いつでも2人はお互いのことを思い出していました。
2人は本が好きで『秘密の森のダイアナ』という本を通じて、また、周囲の人を通じて、いつでも繋がっていた気がします。
各章で描かれるそれぞれの体験や心情が生々しくリアルに表現されていて、心がザワついたりドキドキしたり。
女同士の友情のキラキラしたもの、楽しさ、複雑さ、難しさ、憧れや嫉妬など、この本に書かれていること全てを経験したわけではないけれど、共感できるポイントが高く、夢中になって読んでしまいました。
ダイアナのバイブル『秘密の森のダイアナ』に出てくる主人公が自分の呪いを自分で解いていくように、2人もそれぞれの呪いを自分で解いていく。
そのシーンがとても勇気づけられ、ワクワクしました。
私にとって、忘れられない一冊となりました。