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2018年に見たもの、行ったとこ。
【1月】
春は恒例の新春文楽。襲名したての織太夫は大熱演だった。このところ文楽は襲名ラッシュで、見始めた頃と名前が変わってしまっている人が増えて、ちょっと混乱する。
新感線髑髏城、上弦の月では、初舞台だし…と正直あまり期待してなかった福士蒼汰くんがめちゃくちゃ舞台映えすることにびっくり。三浦翔平くんの蘭兵衛の『所詮、外道だ』の解釈がすごく攻めてて、唸ってしまった。悲劇的だけど女々しくない。花以外全部見た髑髏城体験全体を通しても、満足度の高い舞台だった。この組は早乙女太一にじきじきに指導受けてることもあってか殺陣も良かった。若い彼らにもっと色々舞台の経験させてあげたらグイグイ伸びそう。
1月7日:新春文楽@大阪文楽劇場
《第2部》南都二月堂 良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)/傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
1月8日:新春文楽@大阪文楽劇場
《第1部》花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)/平家女護島(へいけにょごのしま)
*八代目竹本綱太夫 五十回忌追善 豊竹咲甫太夫改め 六代目竹本織太夫 襲名披露 口上
摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)
1月27日:映画「ベロニカとの記憶」
1月28日:劇団新感線「髑髏城の七人 上弦の月」
【2月】
シスカンパニー版と文楽で近松月間にしてみたつもりなんだけど、生身の人間版は演出間延びしてたし文楽のほうが良かった。浄瑠璃の心中ものは、いろんな選択肢の中から何故かダメな方、ダメな方へと突き進んでしまう人の愚かしさがいいんであって、キレイキレイに可哀想な話にされてしまうとどうにも萎える。豪華セットの中に佇む宮沢りえさまは美しかったが。
人生フルーツは暮れから見たかった映画の再映。はじめ「あー、暮しの手帖とかの、ていねいな暮らし系の映画ね…」と思って、少し退屈な気分で見てたんだけど、実はとある優秀な建築家が一生を賭けて本当にやりたい幸福な仕事に辿り着くまでの物語だった。そういう風に観る人は多くないのかも知れないけど、私はそう観たから泣いてしまった。
石内都の写真展はボリューム、質とも大満足の内容。初期の街の写真などは初めて見たけれど良かった。
2月4日:映画「人生フルーツ」@ポレポレ 東中野
2月10日:谷川俊太郎展@東京オペラシティ
2月10日:シスカンパニー「近松心中物語」@新国立劇場 中劇場
2月12日:二月文楽@東京国立劇場
《第3部》女殺油地獄
2月15日:JBJバレンタインライブ@ZEPP TOKYO
2月21日:石内都回顧展「肌理と写真」@横浜美術館
2月21日:SEVENTEENライブ@横浜アリーナ
【3月】
なんで3月はこんなにお出かけ少なかったんだろう…?と思ったらインフルエンザと、その後遺症の目眩が長く続いて身動きとれなかったんだった。髑髏城の締めくくりは、ひたすらカッコいい天海祐希さまを愛でる会。
3月26日:劇団新感線「髑髏城の七人 修羅天魔」@IHIステージアラウンド東京
【4月】
評判の高かったグレイテスト・ショーマンだが、サーカスとマイノリティ問題とか事前にメディアで褒められてたポイントもてんでツッコミ不足だと思ったし、何がそんなにいいのか正直よくわからなかった。ラ・ラ・ランドに次ぐ何がいいのかさっぱりワカラン評判いいミュージカル映画シリーズ、という感じで、自分ミュージカル映画に向いてないんじゃないかと思う。でもレミゼやRENTは良かったので、作品のせいじゃないかという気もする。お金はかかっていた。
期間限定ユニットアイドルJBJのライブは思ってた以上に完成度高く楽しめた。楽曲にさえ恵まれれば、これだけ客を沸かせることができる実力のある子たちが、なかなかデビューの機会を掴めず、運が悪ければ陽の目をみることなく消えていくんだから、けーぽアイドル業界も厳しい世界だな…と思う。
イルフ童話館の武井武雄展は質量とも素晴らしく、この武井武雄という巨人についても、もっと人に知られて欲しい。
4月1日:映画「グレイテスト・ショーマン」
4月1日:有賀薫×あかばねめぐみ 365日スープと俳句展@谷中HAGISO
4月7日〜8日:四月文楽@大阪文楽劇場
…7日《第2部》彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち):須磨浦の段、瓢簞棚の段、杉坂墓所の段、毛谷村六助住家の段
…8日《第1部》本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう):桔梗原の段
*吉田幸助改め 五代目吉田玉助 襲名披露 口上
景勝下駄の段、〈襲名披露狂言〉勘助住家の段
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら):道行初音旅
4月10日:JBJライブ@東京体育館
4月12日:映画「クソ野郎と素晴らしき世界」
4月21日:岡谷市 イルフ童画館「武井武雄クロニクル」展
4月25日:映画「ペンタゴン・ペーパーズ」
【5月】
藤田真央くんはいかにもな天才少年ピアニストって感じで、スッと座ってまるっきりもったいぶることなく難曲をこともなげに弾いてスッと引っ込む感じなんだけど、アンコールも曲数多いし若いな!体力あるな!と思う。母が行きたいというのでチケット取ったんだけど、行ってよかった。
一年間追いかけることになる赤色彗星俱楽部との最初の邂逅。週に3回同じ映画を見るのは流石に初めてだったかも。
5月4日:篠田桃紅展@上田市サントミューゼ
5月11日:藤田真央ピアノ ソロ・リサイタル@練馬文化センター小ホール
5月12日、16日、18日:映画「赤色彗星倶楽部」@テアトル新宿
5月13日:展覧会「ルドン 秘密の花園」@三菱一号館
5月19日:映画「ゴジラ 決戦起動増殖都市」@新宿バルト9 / 映画「マージナル」「戻る場所はない」@テアトル新宿
5月23日:映画「仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判」
5月27日:劇団イキウメ「図書館的人生 #4 襲ってくるもの」@池袋芸術劇場
【6月】
万引き家族に関する私の見解はもうあちこちに書いたけど、やはり「何故『誰も知らない』の段階で作品賞とらせなかったのだカンヌのバカタレめ」という感想になってしまう。
れっべるちゃんは友達が行けなくなったチケットを引き取って行ったんだけど女子グループのライブは久々で楽しめた。ウェンディが年上組と年下組の橋渡し役を案外しっかりしてて推せる。ジョイ子がお腹冷やしそうなので、もう少し着るものの布面積を増やしてやって欲しい。
6月2日:杉並ヒーロー映画祭「βカロテンはクズを救う」
6月8日:レッド・ベルベット ライブ@パシフィコ横浜
6月13日:映画「万引き家族」
6月22日〜23日:福井旅:白山平泉寺(国史跡)、恐竜博物館、三国港、東尋坊など
6月29日:映画「焼肉ドラゴン」
【7月】
長い長い映画だが、菊とギロチンはなかなか面白い映画だった。相撲の土俵に女が立っちゃいけないのは江戸時代からの歴史と伝統がどうたらとか言ってるホモソな相撲おじさんたち見るべし。文字通り体当たりで女相撲取りを演じた女優たち、実在のアナキストを演じた男優たちも良かったけど、女相撲の親方役の渋川清彦さんがカッコよかったので出演作チェックしていきたい。
7月15日:映画「縄文にハマる人々」
7月16日:宇都宮 大谷資料館
7月19日:映画「菊とギロチン」
7月28日〜29日:文楽夏休み特別公演
28日…《第2部》卅三間堂棟由来 :平太郎住家より木遣り音頭の段/大塔宮曦鎧(おおとうのみやあさひのよろい):六波羅館の段、身替り音頭の段
《第3部》新版歌祭文:野崎村の段/日本振袖始:大蛇退治の段
29日…《第1部(おやこ劇場)》瓜子姫とあまんじゃく/増補大江山(ぞうほおおえやま):戻り橋の段
7月29日:映画「赤色彗星倶楽部」@名古屋シネマスコーレ
【8月】
暗く地味な映画だが、ある殺人事件と復讐をキーに先住民居住地問題を描くウインド・リバーはなかなかの秀作だと思う。カメ止めを上映館拡大直前のロサで見られたのは良かったなぁ。ああいうちょっと場末感のある映画館が満席になって、みんなが大笑いしてる映画は、いい映画だ。
8月1日:映画「ウインド・リバー」@シネマート新宿
8月2日:ミュージカル「RENT」ブロードウェイ版@シアターオーブ
8月4日:映画「触れたつもりで」「カメラを止めるな」@シネマロサ池袋
8月11日:三谷幸喜文楽「其礼成心中」@グランシップ静岡
8月12日:ふじのくに茶の都ミュージアム/資生堂企業博物館/資生堂アートハウス
8月15日:映画「スターリンの葬送狂想曲」
8月16日:劇団新感線「メタルマクベス disc 1」@IHIステージアラウンド東京
8月17日:映画「赤色彗星倶楽部」@シネマテークたかさき/「萩尾望都SF原画展」@高崎市美術館
8月22日:映画「銀魂2 掟は破るためにある」
8月29日:映画「たかさきグラフィティ。」@渋谷アップリンク
【9月】
なんでそんなに評判いいのか個人的にさっぱりワカラン映画ベストテンに入りそうだったのが「君の名前で僕を呼んで」。ヨーロッパの上流階級のインテリ金持ち子弟による耽美な雰囲気のバカンス恋愛ものならエリック・ロメールの方がおススメだし、高学歴男子悲恋ものならモーリス見る方がいいと思う。10代の性欲の生々しさだけはよく描けてたと思うけど、全体的にはまるで刺さらなかった。やたらと評判になってたのは、世のBLブームにのっけた広告戦略の勝利だろうか。
赤色彗星俱楽部を追いかけて、ついに和歌山まで行った。加太は海も綺麗な小さな町で、前々から上陸を狙ってたラピュタの島こと友ヶ島にも行けたし満足。Kisssh-Kissssssh映画祭ではアイスと雨音という作品に出会い、ここからアイスと雨音関係の作品や人を芋づる式に追いかける旅が始まる。遠野まつりがきっかけで行った岩手の旅も良かったし、9月は色んなものに出会えた旅の月だった。
9月1日:企画展「悪人かヒーローか」@東洋文庫ミュージアム
9月1日:瀬川泰代「左手のピアニスト サマーコンサート」 @駒込 ひのきの森ホール
9月1日:映画「カランコエの花」「君の名前で僕を呼んで」@渋谷アップリンク
9月4日:SEVENTEENライブ@さいたまスーパーアリーナ
9月9日:SEVENTEENライブ@さいたまスーパーアリーナ
9月16日:岩手県 高村光太郎山荘&記念館、宮澤賢治記念館、遠野伝承館
9月17日:岩手県 猊鼻渓 川下り
9月22日:和歌山県 Kisssh-Kissssssh映画祭(赤色彗星倶楽部、温泉しかばね芸者、カメラを止めるな!)
9月23日:和歌山県 Kisssh-Kissssssh映画祭(あの群青の向こうへ、アイスと雨音)
9月24日:和歌山県 友ヶ島
9月26日:映画「判決 2つの希望」
9月28日:SUPER JUNIOR D&Eライブ「STYLE」@東京国際フォーラム
【10月】
映画アイスと雨音からの芋づるで、10月は劇団ゴジゲンの舞台など松居大悟監督強化月間になった。10代の頃には通いまくってた下北沢が自分の知らない駅になってて浦島太郎状態だったけど、久々にガチの小劇場演劇をみて心が震えた。若いぼっちのお客さんが多いことも含めて、いいなぁ!と思った。シモキタはまだ若く、そして生きている。
青年団は、平田オリザに関する食わず嫌いを克服するため観に行ってみたのだが、待合室の客層を見た段階で回れ右して家に帰りたくなり、その感じは最後まで同じだった。お金持ちのインテリ左翼高齢者向けインテリ左翼芝居。それ自体は別にいいけど、わかってるひとたちのわかってるひとたちによるわかってる自分たちを自画自賛するツールとしての舞台作品に、果たして彼らが主張するような社会を動かす力なんてあるのか?私は疑問だと思う。仲良しムラの村人同士のグルーミングじゃないか。
インテリ左翼の馴れ合い臭に窒息しそうになりながら帰宅した。役者も達者で危なげないし芝居は普通によくできてましたが。そして私は左寄りのインテリ家庭に生まれ育った人ですが。だから余計にあの劇場を包む、こういう芝居にリーチしない層に対するふんわりとした優越感が鼻についてならないのだと思う。とりあえずお金出して代表作を見てきたんで、これを言う権利は獲得した。
たまたまだけど、下北沢と駒場東大前という対照的な場で同じ月に舞台をみたので、余計に空気感の違いを肌で感じたところもあると思う。よくわからない、けど心が震えた、という初めての演劇体験を帰り道にツイートするシモキタの若い観客たちの声のほうに、未来はあるんだと思う。
止めおれの感想はリンク先に書いた。大変優れた映画だと思う。2018年個人的ベスト5に入る。
10月1日:映画「プーと大人になった僕」
10月3日:映画「飢えたライオン」@テアトル新宿
10月13日:劇団ゴジゲン「君が君で君で君で君を君を君を」@下北沢駅前劇場
10月14日:劇団新感線「メタルマクベス disc2」@IHIステージアラウンド東京
10月18日:劇団イキウメ「ゲゲゲの先生」@東京芸術劇場プレイハウス
10月21日:映画「止められるか、俺たちを」
10月25日:劇団青年団「ソウル市民 1919」@駒場アゴラ劇場 https://note.mu/na2me3/n/n3aee87e14e93
10月28日:下北沢映画祭:映画「君が君で君を」「ファーストキス」
10月30日:映画「バッド ジーニアス」
【11月】
兵役が終わって復帰してきたSUPER JUNIOR D&Eのツアー最終日。三十路の彼らが驚くほど攻めて詰め込んだセットリストのライブをやってくれたことに感謝。3年前には彼らを見送るツアー最終日の会場で、新しいスタートの締めくくりのステージが見られたのは胸熱。
アイスと雨音からの芋づるで、MOROHAのライブに行った。この歳になってのバンギャ・デビューである。すでにメジャーデビューしてZepp東京ソールドアウトさせたMOROHAだが、関西のライブハウスの3メンでアウェイ感のあるステージを一番最初に見られたのは良かった、という気がする。なんでもそうだけど、断然ライブがいい。
初冬の島旅は初めての九州、世界遺産に登録された野崎島を擁する小値賀島に三泊してたっぷり島を楽しんできた。有名な野首教会ももちろんいいけど、小値賀にも見どころは沢山あるので、旅の記録でおススメしていきたい。はやく書かなきゃ…
11月3日:鶴瓶落語会@赤坂ACTシアター
11月4日:劇団青年団「ソウル市民」@駒場アゴラ劇場
11月9日:SUPER JUNIOR D&Eライブ「STYLE」@武道館
11月10日:GEZAN、bacho、MOROHA3メンライブ@大阪BIG CAT
11月11日:錦州文楽@文楽劇場(大阪)
《第1部》蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ):葛の葉子別れの段:信田森二人奴の段/桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ):六角堂の段、帯屋の段、道行朧の桂川
《第2部》鶊山姫捨松(ひばりやまひめすてのまつ):中将姫雪責の段/女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく):徳庵堤の段、河内屋内の段、豊島屋油店の段
11月15日:映画「ボヘミアン ラプソディ」@日比谷TOHOシネマ
11月18日:映画「アニゴジ 3」@新宿TOHOシネマ
11月21日〜24日:長崎 小値賀島、斑島、野崎島、佐世保市内
11月31日:SUPER JUNIORライブ 「SUPER SHOW 7」@東京ドーム
【12月】
実に5年ぶりのスパショ。この間いろいろあった中で、ファンも生え抜きしか残ってない感があったが、初めてのスパショというツイートもちらほらあって、おいでませご新規さま、と手招きする古参のツイートが優しくそして沼。れっべるちゃんやらSEVENTEENのライブに比べて年齢層が高く、座ってVCR見る時間の長さに演出サイドの優しさを感じるのだった。
メタマク3は長澤まさみ嬢の美しさに釘付けだった。コケティッシュな魅力が炸裂。とにかく映画やドラマの映像で見るよりはるかにナイスバディである。是非また舞台でお会いしたい。
ベスト盤に収録されず10周年ツアーでもやらなかった曲のみで構成されたMOROHAのライブは、たぶん一生忘れないライブになる。番号がわりと良かったので最前の隅っこでみた。3メンの時とは違う親密な空気感。余計な騒ぎもない。アンコールもない。不器用なまでの誠実さに打たれる。
この翌日、MOROHAは中野サンプラザホールで無観客ライブを行い、YouTubeで無料配信した。全国2800人ほどの視聴者と画面を通じて同じ時間を共有した夜。
さわりだけか思ったけど、普通のワンマンの時間、たっぷりライブをやった。中野駅のホームで乗り換え電車を待ちながら、今ここで彼らが音楽やってるんだな、とサンプラザを見上げた夜を、どうやったら忘れられるだろう。無理に決まってる。というわけで、2019年夏の野音のMOROHAライブ行くまでは死ねないので、頑張って生きようと思ってます。
12月1日:SUPER JUNIOR ライブ 「SUPER SHOW 7」@東京ドーム
12月8日:映画「simplife」@新宿常円寺 ロータスシネマ
12月18日:MOROHAライブ「置いていかれた曲たち」@渋谷www x
12月20日:劇団新感線「メタルマクベス disc3」@IHIステージアラウンド東京
12月22日:吉村芳生展「超絶技巧を超えて」@東京ステーションギャラリー
12月23日:映画「ディア・ハンター」デジタルリマスター版@吉祥寺アップリンク
12月26日:映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」@日比谷シャンテ
12月31日:滋賀県 多賀大社