「怒ってはいけない」と耐えて爆発。「怒ってしまった自分を責める」悪循環のお話。

とてもコミュニケーションが上手で、仕事もバリバリ社会的にも評価されている男性のお話。

長男を見ているとイライラしてつい怒ってしまい、後悔する。長男は自分に怯えていると感じる。

Q「お子さんに怒りを感じるのって、どんなときなんですか?」

A「子供の中に自分を見たとき」

彼は、心理学を自分でも学んでみたり、色々な角度からコミュニケーションを学んでいる人。
いきなりこんなど真ん中な答えが返ってくること自体が珍しいです。

Q「どんな自分?」

A
・嘘つきな自分
・親の顔色を窺っている自分
・情けない自分
・堂々と自己主張ができない自分
・友達がいない自分

今では全然そんな感じがしないけれど、この男性は子供の頃、本当に繊細で超がつくほど臆病だったとのこと。

そんな自分がイヤだったんだろうな。辛かったんだろうな。というのが伝わってくる。

男性の主張は以下の通り。

怒ってはいけないと耐えている
・しかし「お前は何をやっているんだ」と苛立つとプツンとキレてしまい、爆発。
・爆発を後悔し、やはり怒ってはいけないと忍耐力を鍛えなければと思う
の循環。

この「○○してはいけない」「○○しないといけない」と自分に言い聞かせることって、本来の自分に逆らうことだな~っていつも思います。

たいてい、「○○してはいけない」って思ったところで、それは守れない(笑)

なので、「○○してはいけない」と思った瞬間から、それを「できない自分を責める」というのがセットでついてくるんです。

私は彼に伝えました。


●お母さんのこと

きっとお母さんは、あなたのこと見てて、いっぱい心配したんじゃないかと思います。でも、見守っててくれた。

そのお母さんの気持ちになって息子さんを見ることができたら、何か違うものが見えてくるかもしれないです。

小さい頃を思い出して、お母さんが悪夢にうなされている自分をどんな思いで見てたのか、感じてみるのは一つのサポートになるかもしれません。


●息子さんのこと

今自信がなかったり、怯えて人の目を気にしている、それは息子さんの本質ではありません

それは単なる立ち位置にすぎません。

この立ち位置は、家族のメンバーによって決まってくるところがあります。(この人間関係については、ここでは省略します)

でもそれって立ち位置だから、一瞬で変わることができるんです。

本当は、息子さんには息子さんの素晴らしいところがたくさんあります。
でもその立ち位置にいると、本来のその才能が雲隠れしちゃうんです。

息子さんを見て、イライラするときではなくて、特に何も感情を感じないときに、「この子にはどんな素晴らしいところがあるのかな?」って感じてみて下さい。

人の顔色を見るっていうのは、空気を読むのが抜群にうまいってこと。それって人間関係を円滑にするために、大切なことです。
あなたも、相手の反応を見るのが得意だから、色んな人と良好な人間関係を築いているんじゃないのかと思います。

全てのマイナスに思えるところには、プラスの才能が隠れています。

そして、息子さんを見ながら、小さい頃の自分を思い出して下さい。

臆病で、びくびくしてて、嘘つきで、友達がいなくて。
でも本当は寂しがりやで、人と繋がりたくて仕方なかった。

その自分を思い浮かべて、イメージの中でそっと抱きしめてあげて。

よく頑張ってるね。って。

そして、「大丈夫だよ。君は素晴らしい存在だから、今は立ち位置がちょっとズレてるからそう思えないかもしれないけれど、これから色んな恋や友達や仕事や趣味に出会って、人生を楽しんでいくんだよ」って、伝えてあげてみて下さい。

何度も何度もイメージの中でやっていくと、息子さんとの距離がちょっと近くなるんじゃないかなって思います。


彼と息子さんの関係がどうなったのか、変わったのか変わらなかったのか。最近の様子はまた聞いてみようと思います。

感情をコントロールしようっていうのは、本来の自分に逆らうことだから辛い。
感情は大事なメッセージだと思ってます。


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