エンプロイーにもサクセスを
私の現在のメイン業務は”インナーブランディング”と答えていたのですが、最近はインナーブランディングというより”エンプロイーサクセス”という言葉の方が自分のやりたい事に近い気がしたので、自身の思考整理のために書いてみます。
1、今の会社で私が働く理由
2020年4月〜稼働を開始した新コンサル会社で、立ち上げ時に合わせて転職。
人生で会社の立ち上げに関われるチャンスはそうそう無い!と思ったのと、未知の世界であるコンサルタントへのキャリアチェンジに挑戦してみたかったのが大きな理由。
2、インナーブランディングを主業務としている理由
面接時に新会社での組織づくりに興味があると話していた事や、前職で(リアル)展示会の企画運営やイベントファシリテーションの実績と知見があり、インナーブランディング施策の一つである社内イベント企画運営のコーポレート支援メンバーになったのがきっかけ。
加えて、コロナ禍でフルオンラインでの稼働開始ということもあり、所属ユニットでのチームビルディングの難しさ、メンバーの閉塞感や不安感、オンラインコミュニケーションの難しさなどについて課題を感じ、解決したいという気持ちが日に日に強くなっていました。
そして、コミュニティマーケティングの考え方はインナーブランディングに有効であると以前から思っていたので、ここでやってみたいという気持ちになり上司に直談判して理解を得ました。
3、私が考えるエンプロイーサクセス
エンプロイーサクセス、直訳すると“従業員の成功”
ここ数年カスタマーサクセスが注目され取り組む企業が増えていますが、私はそれと同じくらい(もしくはそれ以上に)エンプロイーサクセスに取り組む事が重要だと考えています。カスタマーサクセスができている企業は、エンプロイーサクセスにもしっかり取り組んでいると思われます。
そもそも従業員が企業のビジョンやミッションに共感していなければ、顧客に価値を提供するという事などできないと私は考えています。
従業員がその会社で働くことを楽しみ、誇りに思ったり成長や成功を実感できること。それぞれがそれぞれの価値観を持って多様性を前提とした働き方ができること。エンプロイーエンゲージメントを高める施策ではあるけれど、決して従業員を囲うものではなく、なんなら卒業してもらった方がいい。その会社で働く“人”=”従業員”のサクセスがあって、顧客のサクセスに結びつくものと考えます。
目指すところは、退職後も良好な関係を保ち、会社も人もそれぞれが成長を続け、別の場所で経験を積んだ人が「またあの会社で働きたい」とカムバックしたりリファラルをうみだす。そして、私はそういう会社で働きたいと思っています。
4、今、私が取り組んでいること
過去2回、メンバーのつながりで参加者を募るセミクローズドイベントを開催しました。
オープンイベントではないので詳細は書けませんが、目的は2つあります。
①アウターブランディング
②インナーブランディング
①アウターブランディングについて
できたばかりの会社ですので、当然ながら知名度がありません。弊社や弊社のメンバーを知ってもらう、私たちのファンづくりを目的にしています。
過去2回ワークショップイベントを開催し、開催後にカジュアルミーティングのお声かけをいただいたり、我々がハブになり参加者さんと参加者さんをお繋ぎする事も実際にありました。
セミクローズドで少人数開催のため一見非効率に思われるかもしれませんが、一方通行のウェビナーではつくれない我々の世界観をお伝えでき、小島んの本”ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング”にある『焚き火理論』や『Sell through the Community』を意識した設計にしています。(今後、オープンイベントにすることも視野にいれています)
そもそもすぐにビジネスに繋がるものではないのですが、ここは社内でも理解を得るのが難しく、私のファンというか理解者というか『ファーストピン』的なメンバーを見つけるのはとても苦労しています。
②インナーブランディングについて
存在意義と向き合うパーパスブランディングというブランディング手法もありますが、企業のブランドやミッション・ビジョンを正しく浸透させ、従業員が自分ゴトとしてとらえ共感してもらう事はとても重要です。
ですが、ここでいうインナーブランディングはもう少しミクロな感じで、私が実際に感じているフルオンラインでのチームビルディングの難しさ、メンバーの閉塞感や不安感、オンラインコミュニケーションの難しさの解決の糸口になればという気持ちでやっています。
イベントという一つの事をプロジェクトとしてではなく、自主的に集まった有志のメンバーでやり遂げることで、メンバーの一体感醸成や、成功の実体験を味わってもらいたいと考えています。
有志メンバーの参加形態もそれぞれで、最初から最後まで関わってくれた人もいれば、準備のみ・当日のみ協力など、色々な関わり方をOKとしました。これによって個々の事情や価値観を認め合い、得意なところを活かすダイバーシティ&インクルージョンにも取り組めたかなと感じた一方で、メンバーの巻き込みには更なる工夫や頑張りが必要だなと感じています。
5、手応えと気づき
過去2回のオンラインイベントをやってみて私が一番手応えを感じたのが、参加したメンバーにとって成功体験の場がつくれたということ。
メンバー自身が”参加して楽しかった!とても有意義で尊い時間だった!”と感じるサクセスの体験となり、イベントの価値を自分ゴトとして感じてくれたこと。自分が働く会社のメンバーに興味を持ち、会社のファンになりたい!という感覚を持ってくれたこと。
そして、あのイベントには関わった方がいいよ!と自身の体験をユニット内のメンバーに勝手に広めてくれる人が現れたこと。(まさに小島さんの本に書いてあることが起きているっ!)
私がどんなに口頭で説明しても伝える事ができない”熱量”の伝達が何よりも嬉しかった。
そしてもう一つの気づきが、セミクローズドのイベントやるから来ない?と声をかけられる会社の名刺に頼らない人脈を持っていることは、貴重だということ。
私は過去にお仕事をご一緒した方や、コミュニティ活動で知り合った方などをお誘いしたのですが、「イベントやるけど来ない?」と気軽に声をかけられる関係性を日頃どれだけつくっておけるか。これは私にとってかけがえのないアセットだとあらためて感じました。
コミュニティは、私にとってとても大切なサードプレイス。
6、まとめ
エンプロイーにもサクセスを!
私は経営者ではないし、いち従業員の私ができる事は小さいけれど、私にできる事、もっと言えば私にしかできない事まだまだあるな!と感じています。
本来のエンプロイーサクセスには程遠い段階だとは思いますが、幸運なことにユニットに所属しながらコーポレート業務にも携わることができているので、私なりのエンプロイーサクセスに取り組んでいきながら、会社の組織づくりに貢献できればと思っています。
インナーブランディングや、エンプロイーサクセスに取り組んでいる方がいらっしゃったら是非情報交換したいです!
⬇️参考書籍⬇️
ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2020年 10月号 [雑誌] (パーパス・ブランディング)