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余白を再定義するyohaku公式。 noteでは本や哲学の考察など。 情報が溢れ、資…

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余白を再定義するyohaku公式。 noteでは本や哲学の考察など。 情報が溢れ、資本主義の中であらゆるものが相対的に効率化され続ける現代で、最後に余白を意識したのはいつですか。そんな"余白"に違和感を感じた方は是非。 https://www.yohaku.company/

マガジン

  • Insight

    現代の中で余白を感じる日々を。豊かな後悔の多い人生を。 様々な本や哲学や事象からあなたの人生の余白につながる記事を執筆していきます。

  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために

    渡邊淳司 (著, 監修), ドミニク・チェン (著, 監修), 安藤英由樹 (著), 坂倉杏介 (著), 村田藍子 (著)の「わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために」について、yohakuの観点から本の内容を紐解くマガジンです。

  • これからの「正義」の話をしよう

    マイケル・サンデルの「これからの「正義」の話をしよう」について、yohakuの観点から本の内容を紐解くマガジンです。

  • ウォールデン 森の生活

    H.D. ソローの「森の生活 ウォールデン」について、yohakuの観点から本の内容を紐解くマガジンです。

  • 「利他」とは何か

    「利他とは何か」[伊藤 亜紗 (著), 中島 岳志 (著), 若松 英輔 (著), 國分 功一郎 (著), 磯崎 憲一郎 (著)]について、yohakuの観点から本の内容を紐解くマガジンです。

最近の記事

  • 固定された記事

私たち” \n "について yohaku Co., Ltd.

毎日の投稿を続けて100日近く経つので、今更ですがCo-CEOの2人から \n (yohaku Co., Ltd.)設立の背景と想いを綴りながら自己紹介をさせてください。 Shiryu  Co-CEOのShiryuです。私は10歳に満たない頃からプログラミングを学び「スティグマ」や「障害」と闘い続け、同時に戦争の歴史と向き合い続けてきた人生でした。ゲットーとまでは言わずとも、同年代に比べては中々苦労もしてきたお陰で小中学生から吉田松陰やニーチェ、キェルケゴールを師事する機

    • ウェルビーイング・エコノミーの時代へ "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために 4/4"

      集合的ウェルビーイングの概念  『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』の最終部では、個人のウェルビーイングを超えた「集合的ウェルビーイング」の概念が提示されています。著者らは、個人のウェルビーイングと社会全体のウェルビーイングが密接に関連していることを強調し、両者を統合的に捉える必要性を説いています。 集合的ウェルビーイングの概念は、日本の伝統的な「和」の思想や、仏教の「縁起」の考え方にも通じるものです。個人が他者や環境と切り離せない存在であるという認識は、日

      • AIとウェアラブルが変える未来 "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために 3/4"

        デジタル技術がウェルビーイングに与える影響  『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』では、デジタル技術の急速な発展が私たちの生活様式を大きく変え、ウェルビーイングにも多大な影響を与えていることが詳細に分析されています。著者らは、この影響にはポジティブな側面とネガティブな側面の両方が存在すると指摘しています。 まず、ポジティブな側面として、情報へのアクセスの向上、コミュニケーションの容易化、労働の効率化などが挙げられています。例えば、オンライン教育プラットフォー

        • ウェルビーイングの実践と社会実装 "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために 2/4"

          個人レベルでのウェルビーイング実践  昨日から取り扱ってきた『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』では、個人レベルでのウェルビーイング実践について、様々なアプローチが提示されています。これらの実践は、学術的な研究成果に基づきながらも、日常生活に適用可能な具体的な方法を示しています。 まず、マインドフルネスの実践が挙げられます。マインドフルネスとは、今この瞬間の体験に意図的に注意を向け、判断を加えずにただ観察する心の状態を指します。本書では、マインドフルネスがス

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        私たち” \n "について yohaku Co., Ltd.

        • ウェルビーイング・エコノミーの時代へ "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために 4/4"

        • AIとウェアラブルが変える未来 "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために 3/4"

        • ウェルビーイングの実践と社会実装 "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために 2/4"

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        • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために
          4本
        • Insight
          96本
        • これからの「正義」の話をしよう
          3本
        • ウォールデン 森の生活
          4本
        • 「利他」とは何か
          4本
        • 目の見えない人は世界をどう見ているのか
          4本

        記事

          幸福の再定義 "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために1/4"

          ウェルビーイング論  ウェルビーイングという概念は、近年ますます注目を集めています。単なる健康や幸福以上の、より包括的で深い人間の状態を表すこの言葉は、現代社会が直面する多くの課題に対する一つの答えとして期待されています。今日からは、渡邊淳司とドミニク・チェンの監修・編著、その他大勢の専門家により執筆された『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術』を中心に据えながら、ウェルビーイングの思想的背景、その実践方法、社会実装、そしてテクノロジーとの関

          幸福の再定義 "わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために1/4"

          森の声、現代への響き "ウォールデン 森の生活4/4"

          個人主義的アプローチの限界  これまでポジティブに取り扱ってきた「ウォールデン 森の生活」について、敢えて批判的な意見も汲み取ることでyohakuならではの多角的な解説を進めていきたいと思います。 「ウォールデン 森の生活」への批判の一つとして、ソローの個人主義的な立場の限界が指摘されています。文学批評家のレオ・マークス(Leo Marx, 1919-2022)は、『アメリカにおけるパストラリズム』(The Machine in the Garden, 1964)の中で、

          森の声、現代への響き "ウォールデン 森の生活4/4"

          自然と共生の哲学 "ウォールデン 森の生活3/4"

          環境保護運動への影響  「ウォールデン 森の生活」は、20世紀以降の環境保護運動に大きな影響を与えました。ソローの自然との共生の思想は、現代の環境倫理の基礎となっています。 環境活動家のレイチェル・カーソン(Rachel Carson, 1907-1964)は、その画期的な著書『沈黙の春』(Silent Spring, 1962)の中でソローの思想を引用し、環境破壊の危険性を訴えました。カーソンは次のように述べています。 カーソンの著作は、現代の環境保護運動の起点となり

          自然と共生の哲学 "ウォールデン 森の生活3/4"

          森の中からの問いかけ "ウォールデン 森の生活2/4"

          簡素な生活と物質主義批判  「ウォールデン 森の生活」の中心的なテーマの一つは、簡素な生活の実践とそれを通じた物質主義批判です。ソローは、人々が必要以上に物質的な豊かさを追求するあまり、生活の本質を見失っているのではないかと問いかけます。ソローは「ウォールデン 森の生活」の中で次のように述べています。 この視点は、現代の消費社会や環境問題を考える上でも重要な示唆を与えています。哲学者のピーター・シンガー(Peter Singer, 1946-)は『実践の倫理』(Pract

          森の中からの問いかけ "ウォールデン 森の生活2/4"

          自然と共に生きる哲学 "ウォールデン 森の生活1/4"

          森の生活で生まれた思想  今日から取り扱っていくヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau, 1817-1862)の「ウォールデン 森の生活」(Walden, or Life in the Woods)は、19世紀アメリカ文学の金字塔であるだけでなく、現代にも強い影響を与え続ける哲学的テキストです。本書は、ソローがマサチューセッツ州コンコードのウォールデン池畔で2年2ヶ月にわたって行った独居生活の記録であり、自然との調和、簡素な生活、そして個人の

          自然と共に生きる哲学 "ウォールデン 森の生活1/4"

          共同体主義と現代社会への応用"これからの「正義」の話をしよう3/3"

           第1部では、功利主義とリバタリアニズムという2つの正義理論を検討しました。功利主義は「最大多数の最大幸福」を目指しますが、個々の権利が犠牲にされるリスクがあります。一方、リバタリアニズムは個人の自由を最優先にしますが、社会的不平等を助長する可能性が指摘されました。どちらの理論も現代の複雑な倫理問題には十分対応できないことが明らかになりました。 第2部では、「自由」と「平等」の問題に焦点を当て、カント主義とロールズの社会契約論を探究しました。カントは人間の尊厳を最も重視し、

          共同体主義と現代社会への応用"これからの「正義」の話をしよう3/3"

          自由と平等の問題:カント主義と社会契約論"これからの「正義」の話をしよう2/3"

           私たちが生きる現代社会における正義とは一体何でしょうか?第1部では、功利主義とリバタリアニズムという二つの主要な理論を探求しましたが、それだけでは正義を語るには不十分でした。では、次に必要な視点とは何でしょうか?それは、自由と平等のバランスをどのように取るかという問いです。第2部では、この課題にカント主義と社会契約論を通じて迫っていきます。 カント主義と人間の尊厳  サンデルは、功利主義とリバタリアニズムの限界を指摘した後、イマニュエル・カントの道徳哲学を取り上げ、正義

          自由と平等の問題:カント主義と社会契約論"これからの「正義」の話をしよう2/3"

          正義の理論的基礎―功利主義とリバタリアニズム"これからの「正義」の話をしよう1/3"

          正義について深く掘り下げる  マイケル・サンデル(Michael J. Sandel)の『これから正義の話をしよう』(原題: Justice: What's the Right Thing to Do?)は、2009年に出版された哲学書で、現代社会における正義の概念を再考する画期的な著作です。ハーバード大学での人気講義をもとに書かれたこの本は、哲学的概念を平易に解説しつつ、私たちの社会に根ざした正義の問題を深く掘り下げています。 サンデルは、功利主義、リバタリアニズム、カ

          正義の理論的基礎―功利主義とリバタリアニズム"これからの「正義」の話をしよう1/3"

          利他の出発点に立つために "「利他」とは何か 4/4"

          利他と利己の二元論を超えて  『「利他」とは何か』において、利他と利己の二元論的理解の限界についても考えることができます。今日は更に深い考察を進めつつ、最終的なまとめに入っていきましょう。 この視点は、利他を単なる自己犠牲としてではなく、自己と他者の関係性の中で生まれる創造的な行為として捉え直す可能性を示唆しています。 この考え方は、哲学者のマルティン・ブーバー(1878-1965)の「我-汝」関係の概念とも深く関連しています。ブーバーは『我と汝』(1923)において、

          利他の出発点に立つために "「利他」とは何か 4/4"

          自己を超える利他 "「利他」とは何か3/4"

          宗教的伝統における利他  『「利他」とは何か』においては様々な角度から「利他」という行為やあり方について考察をされています。 その中でも若松英輔さんは宗教的伝統における利他の概念について深い洞察を提供しています。 本書では、仏教における慈悲の概念やキリスト教における隣人愛など、様々な宗教的伝統における利他の概念を比較し、その普遍性と多様性を指摘しています。 例えば、仏教では「慈悲」(サンスクリット語で「カルナー」)が中心的な概念の一つとなっています。チベット仏教の指導

          自己を超える利他 "「利他」とは何か3/4"

          新たな共同性の模索 ”「利他」とは何か 2/4”

          資本主義社会における利他の可能性  昨日から取り扱ってきた『「利他」とは何か』において、以前「暇と退屈の倫理学」で取り上げたこともある國分功一郎さんは現代の資本主義社会における利他の可能性について、興味深い考察を展開しています。 國分は、市場原理を利用しながら社会的課題の解決を目指すソーシャルビジネスなどの例を挙げ、資本主義システムと利他が必ずしも相反するものではないことを示唆しています。 この視点は、経済学者のアマルティア・セン(1933-)の「ケイパビリティ・アプロ

          新たな共同性の模索 ”「利他」とは何か 2/4”

          他者との終わりなき対話から見る利他的行為の再構築 "「利他」とは何か1/4"

          「利他」の多面的探求  今日から取り上げる『「利他」とは何か』は、伊藤亜紗さん、中島岳志さん、若松英輔さん、國分功一郎さん、磯崎憲一郎さんという5人の著名な思想家、哲学者、執筆家、研究者による対談を通じて、利他の概念を多角的に探求した画期的な書籍です。本書を通じて、従来の利他概念に新たな光を当て、現代社会における利他の意義と可能性を探っていきましょう。 利他の概念は、哲学、倫理学、宗教学、生物学、心理学、社会学など、多岐にわたる学問分野で議論されてきました。『「利他」とは

          他者との終わりなき対話から見る利他的行為の再構築 "「利他」とは何か1/4"