中村 岳也
音楽家”中村岳也”が日々を綴ったエッセイ。 月1〜2度、日々の暮らしで感じたことを書いていきます。 明るい記事はあんまりないので、落ち込みがちな人におすすめかもしれません。 一緒に落ち込みましょう。一緒に落ち込んで一緒に進んでいきましょう。
雨が降っている。眠れずに朝方まで起きていたが知らぬうちに眠りに落ち、気がつくと午後1時、シトシトと雨が降っていた。日中にはずっと曇り空が続く中、いつになれば晴れ間が来るのだろうと思っていた矢先だ。 昨年、父を亡くした。2021年に肺がんになり、最終的には肝臓に転移し、血圧が測れないほど低い数値を保ったまま2週間ほど経過し、亡くなった。両親の結婚記念日の次の日だった。きっと父は結婚記念日に死ねないと、気力だけで生きていたのだろう。血圧が測れないほどになる前から苦しそうにし
その日は高いビルの最上階の隅、広くはない喫煙所でタバコを吸っていた。 いつの間にかルールも緩くなったのか、以前来た時に貼られてたビニールシートがなくなっており、ここからは都内の無数の煌めきが見える。 28年この土地にいても、信じられないようなビルの数。そして定時を過ぎても光り続ける灯火たち。信じられない数の小分けになった光の数だけ、人々が居ると考えると、なんだか嘘のように思える。 私は最近、人生で抱え続けていた悩みを明かし、それが病なのかそうではないのかハッキリさせるため
日々の中で少しずつ蝕まれた体と心は、修復できることがあれば、もう治らないものもある。私は今日から三日間仕事をお休みすることになった。いや、正しくはお休みすることにした。 無視し続けた心のヒビがそろそろ割れて崩れ落ちていく気がしたので、しっかり休むことにした。 振り返れば、物心ついた時からみんなに追いつけなくて、なにか蚊帳の外にいるような感覚があって、自分の近くにあった”普通”が、歳を重ねるにつれて、周りと違うことに気づいた。 生まれてから20歳になるまでに出した答え(考え
私は嘘が嫌いだ。でも自分に嘘をつき続けている。 1年前に曲をリリースした。誰にも聞いてもらえないかもしれない。何もない壁にただ打ちつけてるような、切なくて辛くて行く宛のない感情が彷徨っていた。 数ヶ月経つとその曲は凄く狭く広がり、そんな聞く人が少ない中でも、少しだけ嬉しい気持ちなれた。 そんな出来事もあり、今回作る曲は自分の中でも間違いなく大切なものになると思い、「絶対いい曲にするぞ!」と意気込んで7月から作り始めた。音も歌詞も悩んで悩んで悩み抜いて、やっと出来上がり、
さっきまで晴れていた空が稲光りを放ち、あり得ないほど雨が降っている。 いま、友人のイベントにおじゃましながら書いている。 外は雨。それも普通の雨ではなく豪雨だ。 今日のイベントは物販があったり、フードやドリンクを楽しんだりもできて、さらにアーティストライブもある。 ものすごい雨と雷の轟音の中、歌を歌っているのは愉快な気持ちになる。 私も去年から楽曲配信を始めて、音楽家としての活動をスタートした。とはいえどこかの事務所に所属してるわけでもなければ、ライブをしてるわけでも
本当にツイてないあの日から数日。今日は中途半端な木曜日。相続関連の手続きのため、午後休みをとった。相続以外に理由がもう一つ。あの日へのリベンジも兼ねた。 ここ数日、とあるテレビ番組を見ていて「この人やっぱり好きだな」と思う芸能人が数人いて、その人たちがこぞってオーバーオールを着用していた。前から知っているはずなのに初めて目に止まった。 「そういえば今までオーバーオールを着たことがないな」 と思い、気になり始めた。オーバーオールで検索をかけてみると、サロペットとも呼ばれるこ
起きて外を見ると天気も良いので、今日は外に出た。 ここ2ヶ月、仕事もプライベートもほとんど家で過ごす日々が続いていた。あまりにも変わり映えのない日々だったので、それを変えるためにいつもは行かないような煌びやかなところに行こうと原宿〜表参道まで足を運んだ。 前向きなエッセイを書こうと足を運んだまでは良かった。Wi-Fiと電源付きのカフェに入ろうとして色々調べながら向かったものの、全然入れない。 1つ目のカフェは駅から離れたカフェ。駅から離れているしきっと入れるだろうと思ったけ
「人間なんて、結局死ぬんだからそんな考え込まなくてもいいんじゃない?」 そう言ったのは、関係も古くなった友人だ。いつも暗い発言はせず、落ち込んでいる印象はない。ちょうど私には色々なことが降りかかり、平常心が揺らいでいるタイミングで久しぶりにご飯を食べに行った。 今までの私は、なぜか自分の許容ギリギリくらいまでお酒を飲むように振る舞っていたがその日はセーブした。正直言ってお酒はそんなに得意じゃない。好きなお酒は限られるし、そもそもそんなに多く飲めない。 なのに、自分のキャラクタ
この1ヶ月間、今まで止まっていた水が一気に流れ始めた。自分の人生、そして外の世界が一気に動き出して活発化していった。 親は3年前から病を持っているが、病状はこの一ヶ月で一気に進行し体が動かなくなった。その頃に私自身が曲をリリースしたり、憧れのアーティストも曲をリリース。それらを皮切りに新しいドラマが始まったり、他のアーティストもどんどん新作を出していったり、今まで会うタイミングもない人から連絡がきて、それがきっかけとなり会うのが久々になる人達との予定ができた。 そして
私はとことんモテない。女性からはもちろん、男性からも人気はない。 「女性から好かれるタイプ」 「男性から好かれるタイプ」 「女性から嫌われるタイプ」 「男性から嫌われるタイプ」 など色んなタイプを聞くが、 男性女性関係なく、私は嫌われるか関心を寄せられないタイプだろうと感じている。 とはいえ初めて会う人には声をかけるし、序盤では声をかけられるが、知らない間に身の回りの人たちが仲良くなっていき、いつの間にか1人になっている。 現象でいうと、奇数人で歩いてると気づいた時には
満員電車に乗る。目の前に立っている人、真後ろに立ってる人、椅子に座ってる人、遠くで立ってる人。僕との距離は同じである。 心で感じる距離は常に不規則である。どんなに離れたところにいても、どんなに近くにいても、それに比例しない。 例え、毎日抱きしめあっていても近いとは限らない。5年以上疎遠でも遠いとは限らない。 かといって近いと感じる人とずっと関わりが続くわけでもないし、仲良くなるとは限らない。 不思議だ。この感覚は言葉だけでは説明がつかない。血が繋がりがあってもなくても、
仮面をしている。テレビに映っているそのヒーローは悪者を倒して正義を貫いている。私はヒーローが出る番組をあまり見ない子供だった。見る時期もあったが、どちらかというと大人たちが試行錯誤して笑いを生み出そうとしていたり、ストーリーを描いていたり、音楽を伝えようとしてくれたりしているのを見るのが多かった。理由はずっとわからなかった。 仮面をしている。成長していくうちに人間という生き物は”常識”や”世間体”、”建前”を大事にしていると気づいた。自分が周りと逸脱していないか気にして、生
雨が降っている。最近の暑さが嘘のように寒い。去年までのゴールデンウィークもきっと暑い日はあった気がするけど、今年は特に暑かった。 最高な友達と最高のキーマカレーを食べたり、地元の奴らや久々に会った人と酒飲んだり、1人で道を歩いたり。 数年ぶりに行った土地も、いつも行く土地も、お馴染みの景色も、見たことのない景色も、特別なものに感じた。 ここ最近までは、真っ暗の中でたびたび光を感じることで、なんとか生き延びてる気分だった。先月からは徐々にそうではなくなった。何も頑張れなかっ
あけましておめでとうございます。このnoteもだいぶマイペースになってきて、見る人も当初より少なくなってきましたが、今年も書きたいタイミングで書いていこうと思いますので、宜しくお願い致します。 年始の挨拶はここまでとして、私は今年27歳になる。ここまで大病を患うことなく生きることができて幸せだと感じる。人間は健康が第一。それは精神的にも肉体的にも健康であることが大事だ。そうでなければ、仕事だってできないし、趣味だって満足に楽しめない。 病は突然やってくる。私の父は2021
20代後半に差し掛かってから、思いふけることが増えた。 過去のこと、今のこと、そして未来のこと。過去の自分が今の自分にリンクするところもあるけど、もちろん過去の自分から考えると考えられないような今の自分もいる。時代とともに考え方がアップデートされていく。それはきっと世の中や身の回りと自分に、ギャップがあまりないように擦り合わせていくためだろうと思う。 考え方がどうアップデートされたのかと思い返し、ふと気づいたことがある。自分は学生の頃と比べて現実主義になった。 学生の頃は運
最近わかったことがある。 いくら努力しても叶わない夢があること。 反対に、さほど努力してなくても叶っていることがたくさんあること。 何事も”良くないな”と思ったら、それから距離を置くといいこと。 反対に、"良いな"と思っても、それから距離を近づけすぎないほうがいいこと。 生きていれば楽しくないと思う時間が必ず来ること。 反対に、生きていれば楽しいと思う時間も必ず来ること。 仕事、趣味、人間関係、健康、それらはいつも表裏一体で、 いつだって命を落とすレベルで綱渡りであっ