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今やっている余計なことを取り除くことです

Oct 12, 2005(楽天blogより)

今やっている余計なことを取り除くことです

毎週水曜日は、舞台芸術学院(以下、舞芸)のレッスンがあります。
表現者を育てるということと、まだ将来の方向が決まっていなくとも若者と向き合っていることで、
身を引き締めた大切な時間です。

舞芸の学生の大半は高校を卒業してすぐに入学してきます。
特に、一年生の授業が終わると何人もの生徒に取り囲まれます。
今日のレッスンの内容についての質問から、からだの不調の訴え、
個人的な悩みまで、他人の話にも聞き入りながら
順番を待っています。
簡単に答えなど出せない重いことは、
放課後ゆっくり、ただ聞いているだけで自問自答して
自ら解決しているようです。

年々若者たちは、若くして腰痛を抱えて
整骨院や病院に掛かっています。

治療士や医師からのアドバイスは
「軟骨が磨り減っている」「骨が歪んでいる」と言われ、
そして〜「筋肉をつけなさい」です。

「私は筋肉がないんです。どんな訓練をしたらいいんですか?」

筋肉の無い人なんていません。
下手に筋肉トレーニングをして筋肉を固めてしまうと余計
腰痛がひどくなります。
伸びたり縮んだり、必要に応じて自由に変化してくれる筋肉こそ
優れた筋肉なのです。

「自己流の訓練をしているのがわるいのでしょうか?」

自己流なんて、最高に素晴らしい。
しかし、彼らのやっているのは型にはまったやり方を
からだに押し付けているだけです。
自分のからだと話し合い、自分のからだを知って、
自分のからだに合ったリハビリが一番です。

何もしなくていいのです。
新しいことを付け加えるより、今やっている余計なことを
取り除くことです。

そうです。
まっすぐ立っていますか?
足の下から頭まで、通りはいいですか?
右半身・左半身二つに分かれて二本の管になっていますか?

学生はからだに聴き始めます
そして自問自答して自ら解決していくようです。

「アラ、胸を突き出していたから背中が反っていたのね」

「腰のところの通りが悪かったのね。いつも固めていたから」

「だってピンとしろ、って、体育の先生に何時も怒られてたから」


「人間のからだは
右と左の二本の柔らかい管(くだ)が
お互いの間に空いた空間をもちながら、
有機的につながり合って新しい一本の管となる」

                野口 三千三

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