地方に暮らす会社員

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「あのこは貴族」1

このタイトルを見た瞬間に浮かんだのは振られた元彼のことだった。かれはそれなりに奥まった地方の出身でおそらく私の実家より裕福ではなかったようにも思うが(といっても階層ではほぼ同じだと思う)その堂々たるふるまいを、選民思想を、貴族だと思った。 まぁそのうち観られればいいやと思って何年か放っておいていて、岡田斗司夫の切り抜きで久々にこのタイトルを見かけて、観た。 当時思っていた貴族とはちがう、ほんものの貴族の話だった。 最近本当の上流階級の仕組みが気になっていたのもある。 バー

    • 神との契約

      そんな大層なタイトルつけてどうするんだって。 不妊治療をはじめたと同期に話したら「子供は授かるものだから、こればっかりはね」といった。 これ(妊娠する、出産する、子育てをする、大人に仕上げること)ばっかりは(当事者の意思だけでなし得られるかどうかは誰にもわからない)ね ということであろうな、と空気を読むが、会話で授かるということばが平気で出てきたことにまた背筋が凍るような気持ちがした。 というか、その人はおそらく同期の中で一番優秀で落ち着きのある人間で、子供が3人いて子育

      • 天国ではトレーニングしなくても良い

        そうこうしているうちに書く筋肉を失って文字を打つスピードが遅くなっているような気がする。仕事で使う文章の整理の能力ばかり。まぁこれはこれで大事なんだけど、やっぱり仕事で使うOSでやっているわけなんですよね。 東京出張がこの秋に何回かあって、それは本当に必要なのか必要でないのかわからないけど、私はこのくらいの自由が許されたペースで働く方が性には合っているんだろうなと思う。 ぼーっとしていると仕事のことを考えてしまうし、いやそれはそれでいいことなんだけどね、ちょっとね、私自身

        • ねえ不安になることない?ほんとうは踊らされてるんじゃないかって

          昔は自分をトロフィーとしての価値を最重要視して言いよる人をみるとそれはたいそう心の中で怒り狂っていたものだったし、嫌で嫌でしかたなかった。 変わったことといえば、いまの相手はそういう心があったとしても、私の自由を奪わない限りはその欲望を満たすことに私の心は全く関与しません、つまりその存在を許すことができるということだ。 結婚が私と相手の契約なのではなく、私とそのパートナーが社会に対して契約する行為だということに気づいたのが婚姻届を出して3ヶ月経った頃だった。 全く相手を責

        「あのこは貴族」1

          過ぎれば0以下になる

          弁当を作る日々がやってきた うちではどちらもそれなりに稼いでいるせいで支出に対してあまりカリカリしないで、食べたいものを食べたいように買って食べている。それは私が仕事を辞める勇気が出ない原因の一つであるが、それは複合的なことなのでいつかに残しておけば良い とはいってももともと互いに自炊をそれなりにするし、健康や家計に悪い食事をしているわけではない。 人のために弁当を作るようになったからといってだから身体がだるければサボっても文句を言われるわけでもないし、別に平日5日間毎日作る

          過ぎれば0以下になる

          いつかの覚え書き

          結局はわたしの信仰心にかかっている なんてことを思ったのになんのことなのか忘れてしまう 通勤手段が車になってから「あ、これはなかなかいいアイディアが浮かんだかもしれない」とうきうきするような思考ができるのは車の中の運転をしている時間ばかりになってしまった。 職場の同期が、家族を持ってから一人の時間を持てるのは車の中ばかりになってしまったというようなことを、およそ10年ほど前に言っていたことを思い出す。 一体何の話だったのだっけ。 たぶんでも最近結局わたしの心に積もっているの

          いつかの覚え書き

          鞄にそっと忍ばせる

          もしかしたらiPadいらないかもしれないと、思った。 今日はワイヤレスキーボードが届いた。1〜2年くらい欲しいような気がしていて、でも絶対必要なわけではないと思っていたのだけど、なんとなく花瓶と一緒にポチってみた。 スマホに繋いで文字を打ってみたらやっぱり捗るんだなって思う。まだ文字の打つ感じには慣れない(というかiOSの字の変換がいまだに違和感ある。仕事中はWindowsなのもある、まあ別にいいんだけど)。けどフリック入力で詩をしたためたり脚本を書くよりは圧倒的に文字を打つ

          鞄にそっと忍ばせる

          貝の柱

          ことばの学校2期の基礎科を受けたかった。 受けたかったがどうにも時間が取れる気配がしなくて申し込みもしなかった。 もしも溶かした時間があったというなら男と際限なくLINEをしていたことだろうと思う。 書いてみないことにはわからないことばかりであるけれど、ここ数年やっていたのはデザインの勉強で、そうした問題解決で得られた知識はすぐにわたしの役に立ったし、誰かの役に立ったとも思う。 デザインの勉強をもっと早くからしていたら良かったと思うけれど、そもそも私はまだ本気になったこと

          貝の柱

          葬式の傍ら

          祖父母が亡くなったのは立て続けで、その3人の死(母方の祖父は母が結婚する前に亡くなっている)は、人間の生や社会に関するいくつかの真実を教えてくれた。 全てを書き出すことは非常に複雑で困難であるが、今回は祖母の納棺式ついて思い出したことを書こうと思う。 納棺式が行われたのは父の生家で、祖父と、伯父夫婦と、ときおり従姉妹夫婦とその子が暮らしていた。従姉妹の子はまだ生まれたばかりで、たしかその子が産まれて2ヶ月ほどで祖母は亡くなったのである。 病院で息を引き取ってから、祖母は人

          葬式の傍ら

          誰かたったひとりのために

          演じると成功するよ と、演劇が大好きなのにもうなるべく観ないようにしている中年男性が、本番を控えるわたしに教えてくれた。 いまのところ、集中するコツとして確かに同意しているのだけど、その誰かがいつまでも誰なのか分からない。その誰かを作ってみても失敗する。成功したい私が据える誰かたったひとりは、ほんとうの意味での見てほしい人ではないらしい。もうその時点で、わたしと、その誰かと、2人の観客がいる。 むしろ頭の中に観客なんて置かない方がいいくらい。 観客としてのわたしが自分の意識

          誰かたったひとりのために

          恋愛は原動力にならない

          あまり恋愛とバイタリティに相関のない人というのはいて、どちらかといえばそう言うものがない方がただただやるべきことの邪魔にならないんじゃないか、と憧れることがある。 いつだったかまんざら嫌いではなかった男の先輩が突然肩を抱いてきて生まれて初めてまともに性欲を掻き立てられたあの日まではわたしもそんなだったはずだ。そうはいってももう過去には戻れないので残念かどうかはわからないけど。もっとこう、そんなに好きでもない人と体の関係を持って「うーんほんとうは微妙だった」という感想でも抱いた

          恋愛は原動力にならない

          そのうち思うようにしかならん

          明けましておめでとうございます。 年末年始はいかがお過ごしでしたか。 わたしは眠ることばかりが許される日々でした。頭が痛くなるほど惰眠を貪れる日なんてもう次いつ来るかわからないと思って、寿命が縮むかもしれないのに寝ました。いつもは寿命が縮むかもしれないのに夜更かししてるんですけどね。 家にいる時間が長いと、そして連絡を取り合う人もいなくて、よく休んで初めてまた文章でも書いてみるかという気になった。 というのも3件ほど書くテーマを決めたのに時間が取れなくて、正確には書く時間よ

          そのうち思うようにしかならん

          私の世界と私たちの世界の結びつき

          現代アートとは何ぞやと思うけどもなんとなく「あぁこれ今まで知らなかったけどたしかにアートだな」と観る側なりに価値や疑問を新しく生み出せたら、それは現代アートだと思うことにした。 東京都現代美術館「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台」展へ行った。 なんかめっちゃガーリーだな、と思って、全部みるのに4時間かかるという情報だけ持って、いったいどんなに物に溢れた展示なんだろうと、よく分からず足を運んだらそこはさっぱりとした空間で、映像作品とインスタレーションなのだ

          私の世界と私たちの世界の結びつき

          お茶でも飲みながら思い出しなよ

          今週は毎日弁当を持っていけてる。なんでかはわからないけど頭の中が弁当のクリエイティビティに溢れている。 なんでだからわからない。いや、わかる。 インスタグラムの#節約弁当に触発されたんです。 たいへん好きなblackberryさんのお弁当、緑が基本的にブロッコリーという潔さがとても気持ちよかった。 おかずも品数少なくていいと思ったら気が楽になる。 わたしの母は専業主婦だったから、比べなくても全然よかった。まぁ料理について比べたことはないんだけど、しかしだし巻き玉子を作るの

          お茶でも飲みながら思い出しなよ

          みそ汁を飲む毎日

          掃除が苦手。 永遠に終わらないんじゃないかとすら思う。 いつも途中で諦める。 どうせ掃除機をかけても夜には新しい抜け毛が落ちているのだし、なんて思うから。 そんなことを言っても、続けているときはそれなりに部屋がちゃんとしている。わたしから見れば偉い。 当然片付けも苦手。 名もなき家事がたくさんある。 名もなき家事は240くらいあるらしい。 ゴミの仕分けから洗濯物畳みも、スポンジの交換も、新しいゴミ袋を入れ替えるとか、今日は靴の脱臭剤の手入れのことを思い出した。 遅刻は大得

          みそ汁を飲む毎日

          まるで私だけがつらいみたいな言い方

          誰もそんなことは言ってない。 けれどどうもそんなふうに聞こえるんだそうだ。 はじめて言われたのは小3のときだった。小4だったかもしれない。いやもっと小さいときに母親に言われた?でも思い出せるのはクラス会議みたいなときに公衆の面前で誰かに言われた。いや正直その言った子のことなんて覚えてないし、そんなこと目に入らないくらいつらいって嫌だって主張した記憶はある。 当時は「は?それの何が悪いんですか??」とどこかで思ったものの、空気がぴしゃんと冷えたので黙ってみた。多分あの空気にす

          まるで私だけがつらいみたいな言い方