ころも

紙の角を揃えてホチキスを留めることが苦手です

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映画「ラストマイル」を観ても、闘志は湧かない

※この記事は映画のネタバレを含みます 映画「ラストマイル」を観た。人気脚本家の乃木亜紀子さんが脚本を務め、同じく彼女が脚本家として携わった大人気ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界線であることが公開前から明言されている映画だ。 舞台は世界的なショッピングサイト「Daily Fast」(通称デリファス)の物流センターで、センター長として赴任してきたばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)が主人公。そこから出荷された荷物が、アパートに配送された直後に爆発するところから始

    • よちよち短歌集7

      17歳 ロックンロールを信じてた 布団の中で、信じて生きた 死ぬのなら ぜっったい派手に爆発したい 君をいちばん驚かせて、ゆく 鼻も目もちょっと形が変な眉も わたしは可愛い! 喋んな殺すぞ ひとつしかない苺をくれるひと 愛だと思った、違ったのか〜 寝て起きて 大人みたいに働いて 鏡にうつる そばかすは あの頃 音楽があって良かった あの愛が無くなったってギターがあれば、 愛と死を 君と私を 同じだと思ってた夏 息が吐けない 神様も仏もなにもいやしないから だか

      • ぐんぴぃさんと自分の中のコマンドの話

        私はバキ童チャンネルの比較的古参ファンである。今や登録者数が140万人を超え、名実共にネットミームとなったバキ童ことぐんぴぃさん。私は登録者が30万人弱の時から見ていましたよ。キモシェ時代もちゃんと知っております。もしかしてこれって世界一意味のないマウントか? バキ童さん、正式なネットミームはバキバキ童貞さん。新宿で受けた街頭インタビューをきっかけに、ネットで捏ねくり回されることになった芸人さんである。性交渉をしたことがない。 こんなにも面白いのにこんなに周りに勧めづらい

        • よちよち短歌集6

          まっくらな道をとぼとぼ歩いてる 小さなひかりも隕石のつぶて あの夜に殴ってしまえば良かったな きみの綺麗な歯並びを想う 「君たちは選ばれし者だ」 そうですか、誰とも話したくないです。 来年もM-1王者?当てようよ ハズレとぼやく 今年の横顔 えいやっと 踏み出した足 白旗は右のポッケに入れておいたよ 爆弾を投げられなくて抱きしめる 湧いた愛着 気づかないふり 東京が祈りで逃げ場できらめきだった 18の夏、死の側はさむい 好きだった 神様みたいな男の子 にんじんを

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        映画「ラストマイル」を観ても、闘志は湧かない

          【ネクライトーキー】生きてるだけで悲しい俺たちは

          11月にネクライトーキーのライブに行った。いつか行かなければいけないと思っていたから、当日はピンと背筋が伸びる思いで向かった。 ネクライトーキーというバンド、特にギターの朝日さんという方に私はかなり影響を受けている。朝日さんはネクライトーキー結成前にコンテンポラリーな生活というバンドをやりつつ、石風呂名義でボカロPをしていた。 私はその頃から朝日さんが作るものが大好きで、夢中だった。 石風呂として作る朝日さんの曲は可愛くてポップで、そして根暗そのものだった。でも単なる根

          【ネクライトーキー】生きてるだけで悲しい俺たちは

          よちよち短歌5

          いつかほら、ふたりで手なんか繋いでさ 夢の話だ 忘れておくれ 「レジ袋要りません」って言えなくて 地球滅亡 ちりになっても アスファルト 頬をつけたら 僕たちの ゆき場を失くした声がしたのさ 無人駅 君と噂を立てられた あの冬の日が少しずつかすむ 幸せの形はこれかと 眼前のきれいな箱を振ったとて分からぬ ハローハロー、エマージェンシー 困らせたい 呆れた顔も焼きつけて死ぬ もしもさあ、俺がビッグになったらさ …四畳半だよ いい訳ないだろ、 閉めきった部屋で流れ

          よちよち短歌5

          よちよち短歌4(愛編)

          ささくれた歪な爪にキスをして 何もなかったように寝かしつけてよ つま先に落ちた影すら触れられなかった 側に置かせて 愛していました おへその横 他より少し薄いホクロ わたし以外も知ってるなんて お父さん、好きだよ愛されたかったよ あいのりんかく 曖昧なまま 夏の夜 お腹を出して寝ても大丈夫 それだけで緩むこころ、浅はか? 永遠と薬指を 人質にできないふたり 生活を続ける あんたねえ キャンプが好きなツーブロは サイコーだけどやめた方がいいよ 3歩先、いつも手を取

          よちよち短歌4(愛編)

          【新宿伊勢丹90周年】め組の「咲きたい」を100万回聴くべきだよ僕たちは

          現在伊勢丹新宿店で90周年記念事業が行われているのをご存知でしょうか。 伊勢丹が新宿に出店して今年で90年。それを記念し100年目に向けたこのタイミングでのキャンペーンでは、「このまちを、ステージに」をメインコピーに、新宿にゆかりのある90人の方を起用したスナップ写真が撮影された。 これがすご~く良い。新宿ってとにかく雑多だし治安が悪かったりして、昔から「良い街」というイメージはないと思う。しかも近年トー横キッズとか立ちんぼの存在が表面化して、新宿とくに歌舞伎町のイメージ

          【新宿伊勢丹90周年】め組の「咲きたい」を100万回聴くべきだよ僕たちは

          匿名ラジオを流して宅飲み気分を味わおう

          去年の秋にこんな記事を書いた。 オモコロが運営している2つのYouTubeチャンネルがかなり面白いからみんな見てくれ〜という記事。これが何故か結構ヒットした。 オモコロというのは株式会社バーグハンバーグバーグが運営するwebメディアのことで、ユーモアのある陰気なライターが多数所属していることで有名。WANIMAとメンタリストDAIGOを小馬鹿にしたことがあるライターしか所属できない会社である。嘘!うそうそ! 最近は結構知名度も上がってきて、著作が書籍化するライターがいた

          匿名ラジオを流して宅飲み気分を味わおう

          よちよち短歌3

          「悲しい」も「助けてほしい」も言えないよ 眠ったりしながら日めくり、日めくり コンビニで正しさってなんだと立ち尽くす ツナマヨ、PayPay、蛍光灯 こんな日はビールでも飲んでさ、 ステテコで 踊れる女になりたいものよ 雨のおと きみの赤い目 分け合った ドーナツの味を覚えているか 陽にあたることの少ない人生よ 高校球児は眩しくて見れぬ 靴紐が解けたときは 結んでね 君にはなんにもしてあげないけど 散弾銃 撃てぬ恋など 仕方ない 10代の夏、間違えてばかり 君

          よちよち短歌3

          よちよち短歌集2

          また短歌を詠むぜ。なんか楽しかったからまたやろ〜と思った。相変わらず知識はない。 前回のよちよち短歌です。 今回はフィクション性を強めにしてみた。前回はほぼ日記だったけど、日記なら日記を書いた方がいい。普通に。短い文章に色々詰め込むならフィクションを題材にした方が想像性を掻き立てるという意味でも向いてる気がする。 なのでこれを読んだ関係者各位が「これってアタシのことではなかろうか」と思ったとしても違います。よろしくお願いします。 噛みついて 跡がついたらいいですか 忘

          よちよち短歌集2

          コレサワになりたい、なりたくない、

          コレサワという女の子がいる。めっぽう気が強くて、でも多分結構寂しがりやで、恋をしたりしなかったりしている。私たちのために歌を作って、歌ってくれる可愛い女の子だ。 コレサワが作る全ての曲が好き。可愛くて、でも皮肉もパンチもしっかり効いている。コレサワの曲に出てくる女の子は多分いつも同じ。すごく普通の女の子。音楽が好きで、こだわりが強くて、お茶目でちょっとワガママ。私はコレサワの中身を何も知らないので、どうしてもこの子がコレサワなのかなと思ってしまう。 こういう考え方は良くな

          コレサワになりたい、なりたくない、

          よちよち短歌集

          急に短歌を作ってみたくなった。 蛇足に次ぐ蛇足のような文章ばかり書く自分には合わないだろうと思って避けていたのに。書きながら(詠みながら?)、うわ〜〜もっと情報を入れたい!別の表現も重ねて鬱陶しくも齟齬なく伝わる文章を書きたい!と思って発狂しそうになった。でも想像の余地を残しやすいというのは案外面白いものだった。 短歌については今日始めたのでなんの勉強もしていません。なーんの推敲もしていません。というかやり方が分からない。 でも久しぶりに胸の底からむくむく湧き上がる創作

          よちよち短歌集

          先生と呼ばれていた日々のこと

          塾講師のアルバイトを辞めた。大学1年の春から丸々4年間続けたバイトだった。辞めたのはこの春卒業して社会人になるためである。本当は3月まで働いても良かったんだけどもういっか〜と思ったので2月末で辞めた。 塾でバイトを始めたのは、単純にめちゃくちゃ時給が良かったからだ。 私は産まれてこのかたずっと田舎に住んでいる。最低賃金は多分まだ800円台。その上往復4時間のパワー通学をしていた私には時間がまるでなかった。そんな中、塾講師という仕事はまさに夜空に燦然と輝く一等星だったのだ。

          先生と呼ばれていた日々のこと

          俺たちのandymori、永遠に

          音楽が好きだ。ロックバンドが好きだ。 クリープハイプに前頭葉をフルスイングで殴られてからずっとずっと音楽を聴いてきた。好きな人に振られた時も、一発逆転お付き合いできた時も、体育を休みまくって保健室でひたすら寝ていた時も、私には音楽があった。 今やサブスクリプション等で誰でも音楽が聴ける時代。音楽好きなんてものは特別珍しくはなくなった。だから私もあんまり「音楽が好きで〜へへへ」とは言わなくなった。辛いものが好きです、ビールが好きです、美容室に行くのが趣味ですと言った方が話は

          俺たちのandymori、永遠に

          キイチビール&ザ・ホーリーティッツというバンドがいた

          今から1年前、2021年12月30日まで彼らは確かに存在した。キイチビール&ザ・ホーリーティッツ。長すぎるバンド名は、ボーカルの名前と彼の好きなもので構成されているらしい。ホーリーティッツは爆乳という意味らしいです。私は英語ができないので本当かどうかは知らないです。 略称とかも色々あって、公式の呼び方がどれなのかよく分からないので私はキイチビールとかキイチと呼んでいる。なので本文でもそう表記します。 キイチビールを初めて知ったのは高校生の時で、確かその頃まだ結成1年か2年

          キイチビール&ザ・ホーリーティッツというバンドがいた