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松任谷由実 THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー movie 5.1ch/4K

松任谷由実 THE JOURNEY 50TH ANNIVERSARY コンサートツアー movie 5.1ch/4K

新宿にある109プレミアムシネマズ新宿。ここは坂本龍一さんが音響にこだわって作られた映画館。

特に今回上映会場になっているシアター3は、Dolby Atmosを装備した一番環境が整った箱で上映される。

初見は12月13日(金)、ユーミンこと松任谷由実さんの舞台挨拶回が当選。この時は、チケットぴあでの抽選だったため座席は選べず最後列。

この新宿では最大級の140席。

本来ならDVDの発売後、夏には公開予定だった。しかし6月にDVDを持ってきてかけてみたらあまりの音響の違いに直しを当初3ヶ月を目安に上映予定だったがGOHさんが音響の調整などを行うのに半年かかったり、最終的には前日深夜まで調整を行っていたという細部までこだわりに抜いた作品。

舞台挨拶時に、この会場は「スーパーゼロ」であること、「爆音上映する」「どこの席でも同じように聞こえる」とのことだった。

どれだけの音量で上映されるのかと思ったら、

あれ???こんなもの?

だった。この日は満席だったから、テストで流した時よりも人が入ることによっての音の吸収率が変わったからか?いやそんな程度でそこまで変わらないだろう・・・

「どこの席でも同じように」ということも全くないはず。

スピーカーからの距離が席によって違う。まして真後ろが壁の席となれば全く違うはず。

「スーパーゼロってこんなにも音を即座に吸収してしまうのか」

というほど、一つ一つの音が粒だって聞こえること、一つずつの音をそれぞれの曲でさまざまな手を加えていることがはっきりわかる。

そして何より

爆音上映って言ったけれど、こんなものなんだ・・・

これに関しては、仕事柄、スタジオで大きな音で聴くことがあるから普通の生活をしている人にとっては爆音なのかも・・・と。
(後日見に行った方に聞いたら、音が小さいと感じたとのことだった)
さまざまな疑問があったのでここはやはり、音の制作者GOH HOTODAさんの登壇回へ行き、直接、話を聞きたいと思って参加。

席が選べるのであえて真逆の最前列を選んだ。

そして登壇回。

曲によっては200以上あるトラックからDVDでは2chだったものを映画館用に5.1chにミックスし直すだけではなく、効果音も加えた。「大きな船」を一回ドッグに戻し、燃料を満タンにして帆も貼り直し、再度出航させるようなイメージに近い。前方に座っている人は、船のみよしにいるような音圧がくる

と話していた。
そして上映開始・・・

SE部分から違いを感じた。
圧倒的な音圧の差。
スピーカーの特性が生かされている。
明らかに音が違う。

それぞれの音が粒立っているけれど、そこは角が取れスピーカーから共鳴し合い自分の耳へと届き、そして身体を通り抜けるような感覚。

一方向からだけではなく、常にさまざまな角度から音が降り注いで来る。
時には力強く、時には繊細に・・・

前回、聞いたものはなんだったのだろうかと思うような音の洪水だった。
没入感とはこういうことかというようにどんどん引き込まれていく。

アリーナのような大きな会場で聴くような音のようでありながらライブハウスのような爆音で全身が包まれていく不思議な感覚が没入感というものなのだろうか。

今まで体験した音とは全く別世界のものだった。

昔、秋葉原にあったスタジオで「音が空から降ってくるような感覚」で有名な場所があった。そこで聞いた時ですらすごいと思ったがその比ではない感覚。

「さまよいの果て、波は寄せる」で一度落ち着いた感じにじっくり聞かせる感じ、ここはこのショーの一つのキーになる曲でもあるからだろう。そして、ここからは一気に最後まで旅に出る感覚。

特に「星空の誘惑」からの音圧は、まさに現地で見ているかのような圧倒的な音圧で別世界へと連れ去られる感覚だった。

この収録された日は、現地で見ていた。
(11月の横浜アリーナ公演)
横浜アリーナは私にとっても特別な場所。
柿落としを見て、全てのショーを1回以上見た場所でもありこのJourneyの収録日は両日見ている。それだけに、あの場の温度感を再現されているようだった。

2つの席で聴き比べて感じたことは

後列では、ミックスされた音源がそのままダイレクトに聞こえ、最前列ではスピーカーの性能を活かしこのホールのあるべき姿の音で聞こえてくる。

最後列で見ていなかったら、ここまで音の違いを体験することはなかっただろう。この箱が特別な音響設備であることを体感するいい機会だった。いかにGOH HOTODAさんがすごいエンジニアであるかを実感する作品だった。

これは単なる「ライブ映像を上映する」ではなく総合芸術としての「音楽映像作品」へと昇華していたと感じる。

ただ、数か所残念な感じがあったこと。

場内に「ライブ感」を出すためにもライブ時と同じ場内の音楽をかけて欲しかった。
オープニング、SE明けの小田原さんのドラムは「出航の狼煙」的な役割で力強いドラムから始まったと思っていたがそのカットがない、もう少しここの音を上げても良かったのではないか。
1回目の船乗りの日記を読みにいくシーン、甲板を歩く足音が少しはあっても良かったのではないか。(音を足すならこういうところもこだわればとも)「TYPHOON」からの2曲はスクリーンがあったことがライブとは異なる映像で表現されていたこと。風の感覚を表現するための音の効果があまり感じられなかったこと。
いくつかのカットでワイヤーカメラやドローンが映っていたが、別カット(写り込みのない映像)が使えなかったのか。
スタッフが出てくるシーンでも、階段を登る足音が少しはあっても良かったのではないか。
火炎の音が少し大きすぎる感じがした。緩急あっても良かったのではないか。
エンドロールがないのか。

など・・・

2回目見た時、席の問題なのかもしれないがとても寒かった。
周りの方も中盤から、コートを膝掛けにしていた。これはどうにかならないのかと・・・

金額が高いので悩みどころではあるが、あと1回、今度はS席で見てみたい、音を楽しみたいと思った。

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