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詐欺的商売と企業の責任逃れ
数年前、コロナ禍によってオンラインコンテンツの需要が急増していた。その時、ある公務員試験講師が動画制作やオンライン活動に従事し、多くの企業から声がかかった。いくつかの映像講座を担当したが、今振り返ると「最も役に立たなかった教材」の代表例となったのが、この「映像授業」である。
かつて、プロの授業が無料で受講できるのは画期的なことだったが、今やYouTubeなどで同じ内容が無料で公開され、映像授業の価値は大きく低下している。特に一部の講師が有料講座と同じ内容を無料でYouTubeにアップロードすることで、自ら自分の首を絞めるような価格破壊が進んでしまった。彼も映像授業をしていた頃は、その常識に従い、同じ内容は外で発信しないようにしていたが、頭の悪い講師たちは全く同じ内容をYouTubeで流し、業界全体の価値を下げる愚行に走っていた。顧客にとっても、わざわざ高いお金を払う価値がなくなり、無料のYouTubeに流れるのは当然のことだった。
コロナ禍では映像授業に過剰な需要があったが、その反動で今や「無駄な教材ナンバーワン」と言われるまでになっている。誰にでも当てはまるような浅い内容の一方通行の授業は、既にネットに溢れており、そのような大衆向け教材に人が集まらないのは必然と言える。
さて、これから記述する内容は、その公務員試験講師から聞いた恐怖の実話である。
その頃、彼はあるオンライン教育企業と関わっていた。当初の理念は「一流の講師による良質な授業を安価に提供し、世の中の教育を変革する」というものであった。彼はこの理念に共鳴し、教材を真剣に提供していた。しかし、次第にその企業は顧客第一主義から利益第一主義へと変わっていった。質の低い二流、三流の講師が集まり、一流の講師たちは次々と去っていった。彼は、当初の理念に共鳴し、一生懸命に努力していたが、その内情に幻滅を覚えざるを得なかった。
この企業の方針転換は驚くべきものであった。真の教育の質を追求するよりも、有名講師を看板にして客を集め、その人気を利用して自社の利益を上げようとする。彼は、質の高い教材と良質な教育の提供こそが大切だと考えていたが、会社の回答は「大衆受けする安価な教材で利益を追求すること」だった。これでは教育産業の未来が失われてしまうと感じ、失望せざるを得なかった。
また、一部の社員や講師が他の講座を批判するなど、足を引っ張り合う状況にも驚かされた。彼は他の講師に対して、教育の質を高めるための改善点を提言したが、会社はそれを単なる悪口としてしか捉えなかった。こうした志の低い人々には何を言っても無駄であり、結局、志を持った人々は次々に辞めていった。
ある時、その企業の責任者がこう言い放った。「我々の商品は欠陥商品だ。この教材では合格はできないので、大目に見てほしい」と。彼は理想的な教材を提供したいと考え、日々努力を重ねてきたが、会社にとって教育は表面的な看板に過ぎず、実態は利益追求のための詐欺にすぎなかった。
さらに、彼が関わっていないにもかかわらず、その企業はホームページに彼の名前や顔写真を載せ続け、あたかも現在も在籍しているかのように見せかけていた。これでは、著名な人物の顔写真だけを利用する詐欺広告と同じことであった。
彼はこの経験を通じて、多くの企業が教育の名のもとに詐欺的な商売をしている実態を学んだ。詐欺師は、最初だけ丁寧に接し、契約を取ると後は知らぬ存ぜぬを決め込む。人を騙して利益を得ることが、まるで評価されるかのように振る舞う企業も少なくない。
今の日本は詐欺が横行し、表面的な印象や好感度だけで人を判断しがちである。しかし、本当に誠実な人はそうした詐欺に巻き込まれないよう、あえて胡散臭く見せたり、他人に好かれようとしない場合が多い。特に新自由主義が広がる中、日本は詐欺や表面的な競争に染まってしまった。彼は、日本人が武士道や誠実さを取り戻し、表面だけでなく真の価値を追求する社会が復活することを切に望んでいる。
追記
新たに記事を書くのも労力の無駄なのでここに追記する。どうやら、自分たちの不祥事を、彼を含め辞めた者たちの責任にしているらしい。思い返せば、彼が在職中にも、不祥事を追及した際、辞めた者の責任だと説明されたり、虚偽の冤罪をでっち上げたりする光景を目にしていた。根っからの悪徳詐欺師である。最近、こうした「いなくなった人材に罪をなすりつける」行為を「うまくやった」と誇らしげに考える人間が増えている。悲しいことに、こういった手口は現代では日常茶飯事となりつつある。責任逃れの文化が無責任な社会を助長していると言えるだろう。基本的に、他人に責任を転嫁して喜ぶような人間には関わらないことが最良である。そのような人間や組織は、いずれ自滅する。しかし、その過程で無関係な人々が巻き込まれ、損害を受けることになる。それが日本社会全体の信頼を崩壊させている一因である。責任を押し付ける体質のある人間や組織には絶対に近寄ってはいけない。
さらに、こういった被害をリークする活動に対して脅迫や嫌がらせを行い、強行手段で威嚇している。これは反社会的勢力以外の何物でもない。