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スポーツマンシップと信頼の絆がもたらす日本再生の鍵

最近、仕事でスポーツ系や文武両道を重視した進路指導に携わることになり、新たな領域として学びを深めている。スポーツ観戦といえば競馬程度しか経験がない私にとって、この分野は未知の世界。競馬も、実際にスポーツをしているのは馬とジョッキーであり、観戦する側として楽しんできただけだ。トウカイテイオーの時代から競馬の歴史を追い続けてきたが、これが進路指導に役立つことはないだろう。そこで、スポーツマンシップや文武両道の意義について調べているうちに、ある動画に出会った。それが戸塚ヨットスクールの戸塚宏先生だった。

かつて、体罰教育の象徴として悪の親玉のように扱われていた戸塚先生だが、その考えを聞いてみると、現代社会においては共感を覚える点が多い。インターネットやAIの普及により、人と人との繋がりが希薄になっている今こそ、戸塚先生の教えは時代を超えて新たな価値を持つのではないだろうか。彼の教えに共鳴する若者が増えているという事実は、その証左ともいえる。

かつての教育と体罰の意義

私が子供だった頃、体罰は教育の一環とされていた。中学校では先生に反抗すると「表に出ろ」と胸ぐらを掴まれ、壁に叩きつけられる生徒もいた。高校では、成績が悪ければ髪を引っ張られ、授業中に窓の外を見ていれば「飛び降りたいなら飛び降りろ」と怒鳴られたものだ。体育の授業では竹刀が振り回され、言うことを聞かなければ容赦なく叩かれる。こうした体罰は日常茶飯事で、正直、嫌だと思うことも多かった。しかし、驚くべきことに、そのような先生方は生徒や保護者から非常に慕われており、信頼されていた。

一方、いつもビクビクしている弱々しい先生は頼りなく見えた。当時の熱血教師たちは、生徒の心に真正面から向き合い、時には拳を交えながら信頼関係を築いていたのだ。だが、その熱血教師たちが時代の流れとともに「体罰は悪」とされ、教育現場から追いやられた。頼りない先生がマスコミや世論と結託し、働かない生ぬるい現場にしてしまったのである。その象徴的な存在が戸塚先生である。彼は時代の被害者だったのである。

スポーツマンシップと以心伝心

現代社会では「話し合い」が美徳とされるが、それは多くの場合「言ったふり」「聞いたふり」に過ぎない。心と心の信頼関係は、言葉だけでは築けない。感情をぶつけ合い、共に痛みを共有することで初めて本物の絆が生まれる。

スポーツマンシップとは、まさにこの心と心のぶつかり合いの中に存在する。例えば、元衆議院議員の浜田幸一氏がプロレスラーの大仁田厚氏に厳しい言葉を投げかけた場面が思い出される。自説を唱えて印象が悪くなり始めた大仁田に対し、浜田氏は自ら悪役になることで、大仁田氏の印象を上げようとした。それを理解せず、大仁田氏が感情的に怒鳴り返してしまったのは失策だった(挑発に対して応戦するプロレスラーの職業病が出てしまった)。しかし、これもまた、腹の中で繰り広げられる以心伝心のコミュニケーションの一例である。

私の尊敬する政治家である、二階俊博先生や麻生太郎先生もそうだが、この年代の人は自分が悪者になることで相手を守ってくれているのである。自分の好感度を上げることしか脳の無い軽薄者はこの美徳がわからず、表面だけしか見ない。
今、悪い政治家だと言われている人ほど善良であり、人気のある人ほど悪徳である。高齢者はこれがわかっているが、若者は人生経験が乏しいので上辺だけでしか判断できない。

信頼を築くための怒りと愛

田原総一朗氏の「切れ芸」はカンニング竹山氏の「キレ芸」と同じく、プロレス的な怒りの表現は、単なる感情の発露ではなく、パフォーマンスの一環である。それに対し、動画の学者のヒステリックな怒りは本質的に異なる。

田原氏はカメラの前では激しく怒るが、実際には非常に穏やかな人物である。彼の怒りは、場を活性化させるための「演技」であり、これこそがプロフェッショナルの技である。90歳でプロレスができるのは尊敬に値する。

また、星野仙一監督は、厳しく叱る一方で、選手を守るためには自らが矢面に立った。その自己犠牲の精神が、選手との深い信頼関係を築いていた。これこそが本物の愛であり、絆である。

スポーツマンシップの教えが示す未来

日本人の絆や信頼関係が解体されたのは、大東亜戦争後、アメリカが日本の「魂」を骨抜きにするために仕掛けた施策の結果である。その影響は平成時代に完成し、現代では表面だけの薄っぺらい人間関係が当たり前になってしまった。しかし、戸塚先生の教えに共感する若者がいることは、日本がかつての絆を取り戻す可能性を示唆している。

信頼とは、単なる言葉や形式ではなく、心と心、体と体のぶつかり合いから生まれるものである。戸塚先生の教えに象徴されるように、本当の意味での教育とは、深い信頼と絆を築く行為であり、それは時代を超えて重要な価値を持つ。今の若者たちが、こうした本質に目覚め、日本人の真の力である「大和魂」を再び蘇らせてくれることを心から願う。


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