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カップ

帰宅すると机上に怪しげなカップが置いてあった。

中を覗くと……例のマイクロテープが置かれてあった。


テープは自動で回りはじめる……。




お疲れ様。コジくん。

今回のミッションは、女王陛下のアイブロウペンシルを、削ってほしい。

分かっているとは思うが、最重要ミッションである。途中で挫折したり、無かったことにして証拠隠滅を図るような、エージェントにあるまじき行為だけは、決してしないように。


例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。


プシュ〜!

マイクロテープは、煙とともに跡形もなく消滅した。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

今どき「テープ」とか、「回る」は、無いぞ。笑



ふふふ、ふふ。

私には秘密道具があるのだ。圭果さんに頂いた。


テッテレーッ!アイブロウペンシルシャープナーっ!

実はこれ、めちゃくちゃ優れもので。私のハンド削りなど、もう不要なのだ。

ジャリジャリジャリジャリ、完成っ!
こんなに短くとも、なんのその
たった11秒で
元の鞘に戻し
所定の場所に格納っ!

ミッション、コンプリートッ!


さっちゃんが帰宅してきて、喜んで言った。

「コジくん、いや、優れものの削り器、ありがとう!」


なんのはなしですか。

え?ま、まぁね、シャープナーが優れものなのだ



そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。

コジくん、ミッションが、簡単に終わったんだから、エネルギー余ってるよね。倍返しね。


……。


マッサージをすると、家内は上機嫌である。


家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。





これで、いいのだ。


シャープナー様々なのである




圭果さんのシャープナーは偉大であるって話


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