月見
去年は、この月見の季節、家内と長男と長女と、いろいろな月見を買って食べ比べをした。
マック、モス、KFC。あとひとつ、なんか、あった気がするが、忘れてしまった。
去年は、一時的に転勤で長男が自宅に戻ってきたあとまた一人暮らしを始めてそれほどの時間が経過しておらず、しばらく週末は長男宅に入り浸っていたような気がする。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
我が家は、キャンペーンダンサー(注1)だからね。
今年はいろいろと忙しくて。平日は、そもそも余裕がない。週末は、溜まりに溜まった家事をしつつ。なんだかんだと整理をしないと追い付かなくて。家内が買ってきてくれた。
家内が言った。
「コジくん、月見で、ひと揉み、ふた揉み、ね」
なんのはなしですか。
秋口の頃の、そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、あの時の月見、美味しかったねぇ。
……うん。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)キャンペーンダンサーとは、キャンペーンや限定品などに踊らされる人のことである。私の、勝手な造語である。