ご利益
随分前に、こんな記事を投稿した。
大福餅は、黒いあんこを白餅で包んでいて。つまりは、黒星を白星で包むという、逆転の守り神なのである。
次女のゲームの応援に行ったとき、縺れに縺れて、それでも最後に望みを繋いだのである。
相手は、今シーズン、勝利を挙げられていないチームで。
タイムをとったとき、一緒に応援しているおっさんたち5人で、大福餅を配って共に食べた。
次女はルーキーイヤーなので、私は、それほど知り合いがいない。新たなチームで、縁起担ぎの大福餅の由縁を語り、縁起を担いで、共に頬張った。
そして、声が枯れるまで応援した。
すると、そのチームから今季初勝利を奪ったのである。
試合終了と同時に、やんややんやの勝利の雄叫びを上げて、ハイタッチをそこら中の観客と交わした。
最高の瞬間だった。
勝利がなかなかあげられないチームにおいて、一勝の重みは、何物にも代えがたい。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
あれは狙えないけれど。今度から、縺れたらみんなであれを食べようってことになったら面白いね。
そんなこんなを語らおうとしてソファーを振り向くと、家内が足を指さして笑って言った。
大福餅よりもさぁ、マッサージの方が、ご利益、あると思うよ。
騙されないぞ……。
今宵も、ミッション発動だ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。