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チャット

最近は社内でもメールは殆ど使わない。何を使うかというと、Teamsというマイクロソフトのアプリを使うチャットなのである。

ベースはLINEと一緒である。

タイプのスピードにも寄るが。

双方でキーボードに向かっていると、ほぼ会話しているくらいに早くやりとりが出来る。

しかも、データを貼り付けたり。そのやりとりは履歴が残るから聞き間違いも少ない。


夏頃のことだ。同期のSとやりとりをしていて。チャットでバンバン会話して。1時間ほど過ぎたあたりで双方共に同じビル内にいることが判明した。

だが。今のご時世、フリーアドレスとやらで、誰がどこに座っているのかサッパリわからない。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

このリモートワークの時代に、リアルで会えるとは。



「何階にいる?」

「14階」

「え?」

「俺もよ」

「どこら辺?」

「窓際。笑」

そこで私は、ふと立ち上がった。周りをずっと見回しても、それらしき人物が見当たらない。


そこで、もう一つ踏み込んだ。

「え?どこの柱あたり?」

「Cよ」

「え?」

見上げると私の席の目の前がCの柱だ。

すると、すぐ隣の席で、低い声がした。

「コジィ、まさか、隣にいるとは……」

ふたりで顔を見合わせ、事務所で大笑いした。

この距離で長時間チャットをする必要があったろうか?


春からめちゃくちゃ忙しくなり。ひたすら黙って仕事をしていた私が、急に大声で笑い出したものだから、周囲の人物はみんな、とうとう気が狂ったと思ったらしい。



なんのはなしですか。

去年唯一腹の底から笑ったって話   笑



そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。

コジくん、ただでさえ変人なんだから。慎んでね。


マッサージをすると、家内は上機嫌である。


家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。





これで、いいのだ。

なぜか、 倍返しの刑は免れた   笑



Sは丁度こんな感じの、調子よさそうな男だって話  笑

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