移設
さて。今宵の話は、昨夜に続き、家内から出てくる、もう一つのミッションである。
私の目の前には、いつもの、マイクロテープが置かれている。
お疲れ様。コジくん。
今回のミッションは、J王子(注1)の前の部屋に残されている、テレビ、Blu-ray、ゲームを、今のJ王子の部屋に移設して欲しい。
分かっているとは思うが、アンテナ設定や接続設定を完璧にすること。途中で挫折したり、中途半端にしたりして知らんぷりをするような、エージェントにあるまじき行為だけは、決してしないように。
例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。
プシュ〜。
マイクロテープは、完全に消滅した。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
何度も指摘しているけれど、コジのミッション系(注2)の記事、完全に、「007」と「スパイ大作戦(=ミッション・インポッシブル)」が、ごっちゃになってるぞ。
うむ。百も承知。
一応、機器接続の系統図を頭の中で描いて。アンテナからの距離をメジャーで測り。長い、テレビ受信用のアンテナコードが必要だということを割り出した。
ケーブル長は、10-15mってとこだ。
すぐさま、ノジマに走る。家内が、私が無駄遣いをしたり途中で逃亡を図るのを防ぐために、小志朗(注3)を運転する。
探しものは、すぐさま、見つかった。それも、家内が見つけた。これで恐らく、マッサージの時間が延長決定だ。
帰宅して。すぐに機器の接続を確認し。機材を運び、移送する。そして、ケーブル類。ひとつひとつ巻いて、養生テープで仮留めをして、まずは、移設完了。
そこから、電源ケーブル、タップを這わせ。機材に電気を供給する準備をする。そして、ケーブル類を養生テープで留めながら壁に這わせ、接続。Blu-ray、テレビのチャンネル合わせを遂行。なおかつ、Appleテレビと、プレイステーション2、3、4と、Blu-rayのネットワーク設定を終了。
すべての、仮移設が完了した。
一段落して。私は、天を仰ぎ、独り言ちた。
ミッション、コンプリートッ!
風呂の追い焚きスイッチを、入れる。
ポチッとな。
まずは、リキの世話。その後、食洗機の中のものの収納。洗い物を済ませたら、干したものを収納。次にトイレ、洗面、キッチンのタオルを替える。
自らの夕飯の支度を終えたら、ちょうど沸いた風呂に入って、ドライヤー。晩御飯を支度し、それを食べて、さあ、今日の反省会だ。
ダイエット中ではあるが、小魚アーモンドを出してきて、ビールをジョッキに注ぐ。
すると、背後のソファーから、声がかかった。しかも、あくびをしながらの、間延びした声だ。
あ〜あ、コジくん、今日は、お疲れさま。ビールを飲み終えたら、仕上げのミッションの時間だよ。
人生、持ちつ持たれつ。楽するなら、来世ね。
良いねぇ。ビール。気持ちよさそうね。働かざるもの、飲むからず。今日は、働いたから、コジくんは、飲んで良いよっ。
後ろを振り返ると、家内が、にっこりと笑って、持ち帰りの仕事の手を止め、脚を指さしている。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて、平和である。
AV機器やネットワーク設定ができるのは、我が家には、まだ、私ひとりである。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)J王子とは、我が家の長男のことである。頭文字をとって、J王子と呼ぶことにする。
(注2)ミッション系とは、普通、キリスト教系の学校に使う言葉であるが、ここでは、女王陛下のミッションを遂行していく系統の、私の記事を、ミッション系の記事と呼ぶことにする。
(注3)我が家の車には、小志朗、という名前がついている。
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。