謝罪
また今宵も、長女の彼氏のことである。
この夏、ふたりで遊びに行ったのである。我が家の小志朗(注1)を出し、長女が運転をして。
どうも彼氏は、運転免許証を持っていないらしい。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
今時、普通免許を持っていないとは……。
長女が上高地に出かけたのは、夏休みである。この時分は、避暑地は激混みする。
いろいろあったらしい。
時間が無い中少し無理して入った蕎麦屋で順番を飛ばされて激混みのうえ、激時間ロスをして、肝心要のメインテーマ、キャンドルがほとんど見れなかったとか。
運転がしんどかったとか。
結局は日付変更線を越え、帰宅できなかったとか。
最後の最後は、私のLINEのひと言がウザかったという話で。
「最後の最後、残念のとどめを刺したのは、コジくんのLINEだったね。謝ってくれる?」
なんのはなしですか。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、そういうときは、サクッと謝っとけば丸く収まるのよ。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)我が家の車には、小志朗という名前がついている。燃費も良く足回りも軽やかで、最高の相棒なのである。