正統派
家内の得意料理は、カレーである。
そう聞くと、定番のような気もするし、なんだか一般的すぎるようにも思うが、本人がそう認識しているのと、私自身が家内のカレーが好きなので、そういうことにしている。
そして、長女や長男も、実は、カレーを作る。それぞれに、美味しい。
私は料理をしない。というよりも、できない。包丁を持つことが怖い。火を使うのが更に怖い。でも、いつか料理をすることが出来たらなんて思っている。
家族のために最初に作るのは、カレーなんだろうか。
近隣の、ナマステキッチンというカレー屋さんが気に入っていて、よく行くし。近くの駅前には、いくつかチェーン店のカレー屋さんがあって、そこにもよく行く。
私は、カレーが好きなのだ。
それで。
8月の下旬に差し掛かった頃のことだ。この夏、都心に泊まり込みだった家内と、どこかで落ち合おうということになり。なぜか、また、帝国ホテルに行って、そこで落ち合った。
田舎者は、ランドマークに憧れる。我が家の、めったに行かない場所のトップに、この帝国ホテルがあるので。家内が憧れを込めて指定したのだと思う。
そしてそこで、家内が、一生のうちもう食べられないかも知れないからと許してくれたのが、カレーである。
帝国ホテルの、本格的カレーだ。
ご多分に漏れず、高価でとても美味しかった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
これで、高い本格カレーについては、もう、思い残すことは無いね。
うむ。一生分、食べた。
そんな夏の思い出を語ろうと、ソファーに目をやると、家内が、脚を指さして笑っていた。
マッサージをすると、家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて、平和である。
だから。
これで、いいのだ。
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。