ショートショート_未然
冬の夜、いや、まだ18時。夕方というべきか。スタバでパソコンを開いている。
夕方と言えど、どっぷりと日が暮れている。冬至は、昨日だった。いつもの通り、早稲田で一陽来復・一陽来福お守りを頂き、0時に柱に掲げたのだ。
今年の恵方は、西南西である。
お守り札が恵方を向くように台紙を作り、無事、2025年を迎える準備ができた。
さて。今年もあと10日足らず。気持ちはクリスマスを通り過ぎて、大晦日も超え、新年に飛んでいる。
そんな日曜日の夜に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「冬の夜」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【ジンジャークッキーイブ】で。裏のお題が【デンジャー縞ほっけ部】|д゚)チラッ|д゚)チラッ、ということだ。
そしてそして、山根あきらさんのお題は、先週と同じく。
「雪のひとひら」という言葉をタイトルあるいは本文中に使用してください。ということで。
今週も、文中にこのお題を入れさせて頂くというところで作ることにしよう。
また、今回も、シロクマ文芸部・冬の夜とで検索して飛んでいき、シロクマ文芸部作品を読んでみた。6月9日以来の2回目のシロクマ感想文である、秋月 めぐみさんの記事である。ちょっとその感想を述べてみる。
冬の夜のゲレンデ。眺めていると、非日常の世界に引き込まれる。思考が緩やかになっているうちに、リフトを降りそこね、もう一回りしてしまうこともあるやも。
それでもまた、癒やしの景色をもう一度見ることが出来ると考えれば、まあ、良しとしよう。
でも、今度はきちんと降りねば。
あるいは……。
降りそこねるというのは、ひょっとして、ちゃんと着地できずにズッコケてしまうことだったとしたら……。怪我に注意しよう。
何にしても、冬のゲレンデの幻想風景。良いものだ。
ただ生きていることに感謝して。今宵も、新月に祈ろう。
小牧幸助さん、たらはかにさん、山根あきらさん。3人とも、私は、大好きである。そして、毎週繰り出されるお宝のお題たちが、毎週の日曜日の、私の励みである。
だが、小牧幸助さんのシロクマ文芸部のお題、シロクマ感想文、たらはかにさんの毎週ショートショートnoteの表裏のお題。山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。すくなくとも5重のお題を入れ込んでしまう「荒技」。
この日曜日の荒技、やり始めてからこれで1年と4ヶ月を過ぎた。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、きかん坊の悪ガキだな。
わかっちゃいるけど、やめられない。
なんのはなしですか。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「未然」約410を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
冬の夜、雪のひとひらが落ちてきた。
涼は多摩の東福寺にいた。
中庭にはデンジャーストライプの柵が設けられていて。芝生の養生がされている。
その柵を越えて若い男女が座り込み、ひそひそ話をしていた。
女が口を開く。
「クリスマスプレゼント」
男が小さな紙袋を開けると、人形型のクッキーが入っていた。
「ツリーに飾ってあるヤツね」
そして持っていた大きなクーラーボックスを開けて魚を見せた。
「お返し」
女は訝しげに覗き込むと、氷の中に魚が確かにいた。
「釣ったの?」
男は笑いながら返す。
「まさか。北海道の釣り部から空輸されてきた」
フタをパタンと閉めて女が溜息をつく。
「クリスマスだよ?」
が、男は誇らしげに言う。
「この魚、魚編に花と書く」
女が呆れて呟く。
「だから?」
涼の足下には多数の工作員が確保されており。寺は危うく乗っ取られようとしていたのを未然に免れたのだった。
二人は何も知る由もなく。少し喧嘩しながら寺を出た。
イブは、こうして、更けてゆく。
☆ ☆ ☆
荒技を書き終えて背伸びをしながら振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。
noteよりもさぁ、マッサー頼むわ。ここに、荒技は、いらんよ。
マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。