ハンガー
洗濯物を室内に干すのに、どうしても欠かせないツールとして、ハンガーがある。
いろいろなハンガーがあり。買ったもの、もらったもの、クリーニングでついてきたもの。いろいろだ。
家事としての洗濯は、私の領域である。そして、その領域での捌き方については、この3年間、徐々にではあるが、進歩して慣れてきては、いるのである。
私には、私の流儀がある。
最初は家内の流儀とぶつかり合いがあったりしたが、もう最近家内は、私の領域には入ってこなくなり、手を引いてしまった。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
洗濯の領域は、制圧だな。
バスタオルは、これ。家内や長女の上の下着は、これ。いろいろな使い方がある。
時には、滑り止めとして、洗濯ばさみを使うこともあって。いろんな工夫をしているのである。私なりに。
家内が仕事のプロジェクトで家を離れることが多く。私は、否応無しに家事に主体者として携わることになった。
そうしたことがなかったとしたら、今でも家内に家事をやってもらっていたのだろうと思う。
まあ、それはそれでも、お互いが納得していれば問題はないのだが、私の信条としては、本来、自分のことは自分で完結しなければならないだろうと、ずっと思っていた。
それは、ほんとうに幼いときに見た、テレビマンガの「サスケ」の父の言葉である。
具体的な言葉は忘れてしまったが、こうだ。
忍者ではなくとも、人は自分の力で生き延びねばならない。それは人として基本的な姿勢である。
つまりは、家事は誰にとっても自分事なのである。
ハンガーを並べて眺めながら、ふと、そういうことを思ったりした。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が笑って脚を指さして言った。
サスケって、あの、競技の?
なんのはなしですか。
マッサージは家事ではなくて、義務だと思っている。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。