不要
輪ゴムは普通、専用の箱に入っている。
よく見るのは、こういう箱だ。
家内は、箱とか何とかの上にものを置く。そして、見えなくなる。
無くなったと騒いでは、私に聞く。
「コジくん、私の輪ゴム知らない?」
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジは、冤罪をふっかけられるんだよな。いつも。
そこで、こういうものを購入した。
これならば、何かの下敷きになって見えなくなることはない。
このホルダーは、優れものなのである。
だがひとつ問題点があって。
これは裏がマグネットになっている。そして、家内の普段使う小さな作業テーブルや食卓には、ステンレスの面が傍に無いのである。
その欠点をひた隠しにして対策を練っていたのだが、家内が先に勘づいてしまった。
「コジくん、また無駄遣いしたの?!」
なんのはなしですか。
なんだかんだと会話して面倒なのはゴメンだから、その時は適当に往なしておいた。
少し前の、そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、ナイスゥ〜ッ!
私は今宵も、黙ってマッサージに勤しむのだ。我が家の平和のために。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。