空っぽ
家内の拘りポイントは、ポイ活とクーポンと節約である。
それに、好きなものは、新幹線と富士山と、そして……。
実は家内は、歌舞伎揚が好きで。これがあると、止まらなくなる。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
止められない止まらないのは、かっぱえびせんじゃなかったっけ?
家内が、まず、ポテトング(注1)を私に渡してきて。そして、歌舞伎揚の袋を、手渡してきた。
「はい、コジくん」
ところが、その袋、空けてみると、空っぽだった。
家内は、自分の食べ物に夢中になると、我が家の不文律である、「はんぶんこ」を、忘れることがある。
そこで、家内に言った。
「さっちゃん(注2)、はんぶんこ、忘れてたね?」
すると、こう、返ってきた。
「コジくん、歌舞伎揚好きだったっけ?」
……。
なんのはなしですか。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、歌舞伎揚好きなんだったら、早く言ってくれなきゃ〜。
……。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)ポテトングとは、ポテトチップスを獲る道具で。これを使って食べると、手が汚れないといい、優れものである。
(注2)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
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