風物詩
地味に、毎年、夏、こんなことをしている。
土の部分から歩道に迷い出て来たセミを、樹ににとまらせて。羽化の助けをしているのだ。
これを、セミレスキューと名付けている。
毎年夏の、私の行動においては、風物詩とも言えるものである。
だが。最近、近隣の公園の歩道が舗装され、公園も整備されていく中で、圧倒的に迷えるセミの幼虫に出会うことが少なくなった。
かつて、5年ほど前までは、7月にもなると、毎日5匹ほどは、レスキューしていたのだ。
ちょうどその全盛期の頃、姪っ子が大阪からやってきて。セミの幼虫を見たことが無いというので雨の深夜に探しに出て。それでも一匹見つけた。
朝、それが無事に羽化して飛び立ち。それが彼女の夏休みの自由研究となり、宿題を片付ける一助になったということがあったのも、10年ほど前だが、なんだか、ほとんど遠い遠い昔のように思える。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
いろいろ、諸行無常だね。
ほんとうに。
去年は、一匹だけだった。そして今年、もう、7月も終わろうとしているが、一匹。
夏は、晩夏に向かおうとしている。もうすぐ、秋風が吹く。
そんなこんなの思い出話を家内としようかと思って振り返ると、空のソファーが、ただ、笑っていた。
家内は、夏のプロジェクトに参加するため、実は、先日から家を空けている。今回は、不在期間が長く、8月末までは都心のホテルで泊まり込みになり。帰宅するのは、日曜日の深夜で 。月曜日の午前中には、また、出ていくのである。
日曜日の夜は、入念にマッサージをしよう。そう、心に決めている。
昼間の、家内とのやりとりからすると、家内は、元気なようである。
家内が元気だと、我が家は、明るくて、平和である。
だから。
これで、いいのだ。
■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。