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ショートショート_トルネード

働いて、疲れて家に帰って。

私は何のための働いているんだろうなんて、この歳まで思い続けているとは思わなかった。

一度定年退職をして。再雇用で働いてはいるが、給料が少ないだけでなく。仕事が多くて残業申請しようにも、会社から「どうしてそんなに残業が多いの」と問われる始末。

いやいや。仕事は、会社が与えているんでしょうが。

なんていう言い訳は、今や、新入社員でもしない。

荒れた職場には、将来ある人はいつかなくて。どんどん辞めていく。だから、私のような、石にかじりついてでも生活のためのお金を稼ぐなんてと思っている者だけが残され。更に担務が増えていく。

だが。私も、長年の会社生活でよく知っている。こういう職場の仕事は、いつかは朽ち果て。朽ち果てても会社も他部署も、なんのことはなく、平然として日常を過ごしていく。

会社なんて、そんなものだ。

つまりは、自分の人生を決めるのは、自分自身で。決して会社ではない。中島みゆきの「宙船」の一節では無いが。

おまえが消えて喜ぶ者に、おまえのオールを任せるな。

会社には、おまえが消えて喜ぶ者すら、実は、存在しない。

今、なぜこの職場に残っているか。実は、自分なりの考えがある。その考えを少し前に進めるためだけに、ここに居座っている。

もう少し、ここにいる。そう、決めている。勤労感謝の翌日に思い起こしたのは、そういうことだった。

そんな日曜日の夜に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「働いて」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【風を治すクスリ】で。裏のお題が【壁を愛すスリ】|д゚)チラッ、ということだ。


そしてそして、山根あきらさんのお題は、ちょっと早めに出る。

「内なる声に従って」というお題で、作品を書いてみませんか?ということで。

今回は、文中にこのお題を入れさせて頂くというところで作ることにしよう。


また、今回も、シロクマ文芸部作品を読んでみた。卯月紫乃さんの記事である。ちょっとその感想を述べてみる。

シロクマ感想文を書こうと、「シロクマ文芸部」・「霧の朝」で、検索して飛んでいった。卯月紫乃さんの詩が目に入ったので、シロクマ感想文書かせてもらうことにした。


紫乃さんのアイコンがツバメだというのが、すごく惹かれたのだ。紫乃さんによると、昨日、アイコンを変えたという。

私には、短い作品の中に、いろんなものが詰まっているように感じた。

悲哀。切なさ。安堵。逃避。愛。慈しみ。放棄……。

だけれども、それでも生きる。諦念とともに。

静かに吹っ切れた、そっけない日常に、ほのかな希望を感じたのである。

こういう気持ちがあるからこそ、何とか人は、生きていけるのだろうと思う。

生きるエネルギー。それは、底を打ち、すべて放り投げた後に芽生えるものなんだろうなんてことも思う。

まあ、なんだかんだとあるけれど。なりふり構わず、来週も、やっていこうかなんて、思っている。

紫乃さん、良い記事を、ありがとうございます。


ただ、生きていることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。




小牧幸助さん、たらはかにさん、山根あきらさん。3人とも、私は、大好きである。そして、毎週繰り出されるお宝のお題たちが、毎週の日曜日の、私の励みである。

だが、小牧幸助さんのシロクマ文芸部のお題、シロクマ感想文、たらはかにさんの毎週ショートショートnoteの表裏のお題。山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。すくなくとも5重のお題を入れ込んでしまう「荒技」。


この日曜日の荒技、やり始めてからこれで1年と4ヶ月を過ぎた。まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、きかん坊の悪ガキだな。


わかっちゃいるけど、やめられない。


なんのはなしですか。


どことなく、冷たい視線を感じる 笑





さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「トルネード」約410を、どうぞ。


☆         ☆         ☆

働いている理由を問われると、泉も涼も、秘密警察の一員ではあるが、正義のためばかりではない。

2人とも、探し出すべき家族がいる。それが正直な、内なる声に従った答である。

泉は、父を。涼は、兄を。恐らくは悪の枢軸が起こした事件に巻き込まれた末、長らく喪失してしまっている。

2人は、そういう意味での真の同志である。



今、2人は、気象兵器を使う工作員と対峙している。

現場は一天にわかにかき曇り、冷ややかなダウンバーストが起こりつつある。

泉は、財前から受け取ったトルネードストッパーを作動させようとしたが、ポケットの中にそれは無かった。

しまったと悔いた瞬間、涼が壁際からひとりの工作員を連れだし、一本背負いで投げ飛ばし、すぐさまツールを泉に投げ渡した。


泉は、キャッチするや否やボタンを押し。

すぐに風は止んだ。


少し離れた涼がインカムで話しかけた。

「グッジョブ、どうやら空に薬が効いたようだ」


鈍色の雲は解け、夕空から天使の梯子が姿を現した。



☆         ☆         ☆


荒技を書き終えて背伸びをしながら振り向くと、ソファーのさっちゃん(注1)が言った。

noteよりもさぁ、マッサー頼むわ。ここに、荒技は、いらんよ。


マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。


そう、これで、いいのだ



(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。



今日も、何の話だかわからない荒技、投稿します  笑笑













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