赤
私は、夏のある日、還暦を迎えた。アラ還などと言っていたが既にオーバー還である。
我が家には家族LINEがあり。家内主導で、子供たちからお祝いのメッセージが来た。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
メッセージだけだけれどね。笑
ところが、さすが家内である。ちゃんと、私にプレゼントがあった。
まあ、欲しいものそのものではないにしろ、きちんと礼を言って感謝を述べた。
「コジくん、還暦はねぇ。赤いものを身につけてると、良いことあるらしいよ。だから、着てね」
はいはいと言いつつ、お風呂に入り、身につけようとすると家内が待て待てと言う。
「あのね。ちゃんと洗濯しなきゃ」
……。
なんのはなしですか。
ガックリ来てションボリ椅子に座っていると、肩をポンポンと叩かれた。
振り向いてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、男はしょぼくれてないで、手を動かすのよ!
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。