折り畳み傘
前からわかってはいたのだ。そろそろ、毎日持ち歩いている折り畳み傘の骨が1本折れそうなことは。
私の、会社用の折り畳み傘は、常に通勤リュックに入れている。
だいたい4年くらいもつが、さすがにそれ以上はだんだん傷んでくる。たいていは、縁の部分の糸が解れるのだがそれは何とか修復しながらごまかして使う。
ところがそれが進行すると、とうとう傘の骨の部分がどこか、折れてしまう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
まあ、毎日入れっぱなしにしていると、5年保たせるのは至難の業だな。
そして、家内が少し奮発して傘を買ってくれたのである。
そして私は、名前をつけた。傘の音読みはサンだから。
君の名は、傘四郎だ。
なんのはなしですか。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、できる限り長期間、長時間働いてね。その、傘四郎と共に。
……。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。