幽霊部員
ちょっとしたカミングアウトなのだが。実は私は、ヤスさんの主催する「放課後ライティング倶楽部」のメンバーなのである。
だが。
私は、生来の悪ガキ。いわゆる幽霊部員というヤツで。
ヤスさんの企画やメンバーの活動には、ほぼ参加していない。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
昔っから、よく、授業も部活もサボってクラブハウスの屋上で寝てたもんな、コジ。
なんのはなしですか。
これは、生まれつきの性格だから仕方ない。
だが。時々、ちょっとだけ気が向いたら練習に参加したりする。
そんな時に限ってスキルテストだったりして、デジタルに自分の存在感の無さを突き付けられて、また幽霊部員に逆戻りするのである。
今回も、ちょっとだけ、気まぐれにやってみようかと思っただけなのである。本当に、申し訳ない。
え?いつまで?
やるか、やらないか、知らんけど。
宿題は苦手なのだ。期限があって、それに制限されるのが嫌いで。
うーむ。うーん。
今日は倶楽部に参加してみようか。昼寝を切り上げて。
私はそもそも、読み専なのである。人の書いたものを読むのが好きで。勝手にコメントをつけるのが好きだ。自分の記事を書いたり創作するつもりは限りなく無いに近い。
だから毎日、身辺雑記にも値しない身辺雑記を書いている。
それでも書いているじゃないかと言われれば、まあ、そうなのだが、自分でも不思議で仕方がない。私のようなゴーストが、今もnoteの世界にいることが。
わざわざ記事ネタを探したことは無い。あることを、淡々と書いているに過ぎない。
これ、面白いから書いてやろうという気持ち。あるにはあるが……。少なくとも「書かないともったいない」という気持ちは皆無なのである。
私と180度違う人がいる。ヤスさんは勿論だが、代表格はアークンである。彼は放課後ライティング倶楽部の歴とした主力メンバーである。しかも、あの狭き門の、広告大賞のファイナリストだ。
彼は、誰かを笑わせるのが究極の生きる目的のような人である。
確かに私は学生時代、人を笑わせてきた。悪ガキでもある。だがアークンと私との決定的な違いは、アークンは人を自らの機知で意図的に笑わせるエンターテイナーであり。私は、意図もせずその存在が笑われてしまうような、笑いものなのである。
それがどうして「放課後ライティング倶楽部」に入っているかって?
それは……。ヤスさんやアークン、他の人の文章が読みたいからである。
実際には時間が無くて。最近はヤスさんとアークンのくらいしか、読めていないけれど。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、私にはいつも叱られてるけどね。時々は笑わせてよ。え?咄嗟には出来ないの?なーんだ。じゃ、倍返しね。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
アークン、助けてくれ……。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
知らんけど。