見出し画像

タバコ

昔々、幼少の頃、私は、母方の祖父母と同居していたときがある。

そして、祖父母ともに、タバコを吸う人だった。

私は、幼い頃から悪ガキで。というよりも、大人の言うことを聞かない、「聞かん坊」だった。

祖母と祖父は、タバコを実においしそうにくゆらす。

まだ、私は、幼稚園の年中さんくらいだったが、どうしても一度味わいたくなり、祖母の灰皿に置いてあるタバコを取り上げて、大人たちが止めるのも聞かず、思い切り吸ってみた。

すると……。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、バカだなぁ。


あれは、苦しいなんて言葉では表せないような、とんでもない経験だった。

タバコがおいしいなんて、そんなことはない。そう、思わせるには充分な経験だった。


その後、私は、成人してからつい20年ほど前まで、タバコを吸っていた。今はやめたが、やめるとき、あの時の苦しさを思い出してやめるようにしていたら、自然にやめることができるようになった。


あの時の無鉄砲は、タバコをやめるのに、結果的には役に立ったのだった。


なんのはなしですか。


とんでもない話ですね  笑


そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。

コジくん、ほんと、悪ガキだったのね。罰として、倍返しね。

……。

マッサージをすると、家内は上機嫌である。


家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。





だから。





これで、いいのだ。


よい子は真似しちゃダメだよ  笑


51/66

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?