ショートショート_夜空
手紙には最近、何も書いていない。考えたら、メールやLINE、時には電話はあっても、手紙を書くことは、日常生活の中で、ほとんどないことに気づく。
昔は、こういう状態を筆無精と言ったのだろうが、今は誰に咎められることもない。
だが、私は思い出すのである。家内の母方の父、つまり私にとっては義理の祖父に当たる人は、本当に筆まめな人で。家内とちょっと立ち寄っただけでも、翌々日には手紙が届くのだ。
あの頃の私は、それでも何とか返信内容を考えて、家内に代筆してもらい、速達で返した。するとまた喜んでくれて、手紙が来る。そんなことの繰り返しだった。
あの頃も、何となく良かった。時には手紙を書くということも良いことなんだろうなんて、柄にもなく思うのである。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「手紙には」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題【彦星誘拐】で。そして、裏のお題が【織姫妖怪】|д゚)チラッ、ということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し前から出る。
今回は、お題(テーマ)は「白ワンピの女の子」ですが、タイトルまたは本文中に「白ワンピ」「白いワンピ」あるいは「白いワンピース」という言葉が使われていればOKです。と、なっている。
3人の企画はすべて、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。
それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。
また、今回は、雪柳 あうこさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として述べてみる。
私には、この詩、とても懐かしい感じがした。
元気なのだけれど。それだけでは嘘になる。そんな気持ち、わかるような気がする。
身体は確かに元気で。そのことは伝えたいのだけれど、他にも伝えねば成らないことがあるような気がする。
他に思いが、あるのだろう。
詩というのは、余白があるのが好だ。私自身は詩を書くのは苦手で。書けないのだが、勝手なかせら読むのは好きなのである。
詩を読んで、昔のことを思い出す。若い頃はほとんどろくに実家には連絡を入れなかったが、時々電話したりししてしまう。話は、元気か、そうでないかに終始するのだが、何か伝え忘れているような気がしていた。
今は、子供たちも大きくなり独立し。既に両親は共に他界してしまっているが、その時の両親の心配が自分事になった。
そんな、若いころの昔をふと、思い出した。
今日はまた猛暑日だという。今宵は彦星と織姫は会えるのだろうか。生きていることに感謝して。今夜も月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、またもやボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、さらには石元みとんさんの企画、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
うむ。
これで、荒技。何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
なんだか、悪ガキだな。
まあな。
そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。
家族からのお題は、バックアップで書いたの?
うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。どうしようか。
私は、この荒技シリーズを、ハードボイルド風に書き上げたいと思っている。だが、図らずも、また,珍妙なだけの内容になってしまった感じだ。
なんのはなしです何。
さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「夜空」約410字を、どうぞ。
☆ ☆ ☆
手紙には白いワンピの女の子を探してと書かれていた。
SNSで知り合った2人は七夕に浅草雷門の下で会おうと約束した。
仮に男性を彦星。女性を織姫としよう。
実は彦星は超優良IT企業の若き創業者で。よくよく考えるに、どうもその手紙は怪しいと踏み、秘密警察に通報してきたのだ。
涼が担当となり、雷門に向かうと白いワンピの女性がいて。声をかけると振り向きざまに怪人変化をして襲いかかってきた。
涼は瞬時に財前の開発した人間化沈静弾を炸裂させた。
すると効果覿面。織姫は大人しくなり。一瞬で捜査員が確保して本部に連行し、辺りは何事も無かったかのように静寂に戻った。
織姫は本部で人間に戻り、 悪の枢軸の誘拐計画は未遂に終わった。
なかなか手の込んだやり方だ。今後も幾度となく同様の事件が起きるかもしれない。だが奴らの好きなようにはさせまいと、涼は、本部の屋上で夜空を見上げて誓った。
昼間は猛暑だったが、織姫と彦星は熱帯夜の夜空に、仲良く輝いていた。
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