ドリップ
コーヒーなどの香りを楽しむものの賞味期限などは、守るべきものであろうことは、如何に聞かん坊の悪ガキの私と言えど、承知している。
だが。こんなものを見つけてしまったのだ。なぜだか賞味期限の記載はないが、何らかのもののオマケであろうことは、パッケージが物語っているこれだ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
フードロスハンター(注1)の血が騒いだのね。
普段は、あまりドリップコーヒーなど嗜まない私が、飲んだ。
だが。
味や香りが、よくわからなかった。
なんのはなしですか。
そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、そんな、私でも覚えていないようなもの、飲んだの?……お疲れさま。じゃ、マッサージね。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
(注1)世界中で社会問題にもなっている、フードロスを無くすために、まずは身の回りの賞味期限切れを無くすように、ひとたび賞味期限切れとなった商品をチェックし、たとえ賞味期限が切れていても、匂いや色や味見から食べられるかどうかを真剣に判断し、食べられるものと判断したものは、無闇に廃棄せずにきちんと頂く。そういう活動をする、ボランティアのこと。私が勝手に作った造語である。