計量カップ
今から一月ほど前のある日のこと、長女が、なかなかの高級品であろうプリンを携えて帰宅してきた。
いつになく放置せず、すぐに冷蔵庫に入れていたのだ。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
やっぱり扱いが違う。高級品なんだよ、きっと。
見るからに高級品で、いつもは食べられないものをわざわざ買ってきてくれたことに感謝しようと思い、丁重に礼を言うと、まんざらでもなさそうに長女は笑い、そして、言った。
ひとつ、食べておいてね。
私は、少し躊躇しつつ、でも、ペロリと食べた。
夜、家内から聞いた話によると、どうも、家内が人からもらって、それを長女に預けたらしいことが判明して、感謝するならば私にしてよと、逆に少しばかり叱られた。
なんのはなしですか。
今はそのカップ、メモリがついているので、軽量カップとして毎日のように使って、私は、重宝している。
ちょっと前のそんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が笑って脚を指さして言った。
感謝は、手で表さないとね。
いつものミッション、入念にしよう。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。
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