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キャンペーンダンサー

一昨日から、auPAYのキャンペーンの話をしている。その、第3夜。完結編である。


家内のこだわりポイントは、ポイ活と、クーポンと、節約である。そして今回、隣町のau PAYキャンペーンに、どっぷりとハマっている。家内も。私も。

期間中、いろいろな物を購入した。そして最終週、私も、家内も、ほぼ目一杯の還元額を獲得してしまっていた。

2人で考えあぐねた末、とうとう、次女のIDを使い、合計還元額3万円を目指すことになった。

そして、土曜日、購入を目指したのが、炭酸水メーカーである。

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これを購入したあと、使用限度額が15,000円ほど、枠が残った。

そして家内と相談し、それをさらに、追求することにした。

結果的に、やはり、美味しい食べ物を食べようということになった。


土曜日の夜は、また、回転寿司店に、入った。

そして、普段は絶対に手を出さないような、店員さんのおすすめ品。それを、食べてみようと家内に提案した。

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家内は、ちょっとは渋ったが、合意。

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豪華なものが、目白押しだ。

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そして、期間限定の、こういうものも、頼みたいと家内に提案した。

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普段は、絶対に手を出さない。

だが、30%還元される。こういうときに食べなくてどうするんだと、自らを鼓舞した。

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土曜日は、満腹になり、家内とご満悦で帰宅。

そして帰宅してから、翌日日曜日のスケジュールまで練るという、念の入れようで土曜日の夜は更けた。


翌日の日曜日、キャンペーン最後の日になった。

予定通り、まずは、バーミアンで、昼食を食する。

漢字が難しいということでちょっと話題の、ビャンビャン麺も、オーダーした。

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実物が、出てきた。

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例によって、半分こ。

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腹をデザート分残して、次の場所へ。


さて、ここで、フィナーレだ。

家内は、前々から食べたいと言っていた、この、シロノワールをオーダー。

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私は、この、シロノワールをオーダー。

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この2つを、2人で半分こ、した。


と、ここまでは、なかなかに順調だった。

人というのは、慢心すると、思いも寄らない落とし穴にはまってしまうことが、ときに、ある。


家内が、会計のときに、例の如く私のスマホの還元額を確認した時、そのIDに、違和感を覚えた。

コジくん、これって、あの子(次女)のIDだよね。昨日から、ちゃんと、切り替えているよね。




心の中の、リトルkojuroが、青ざめた顔で、呟いた。

コジ.....。

昨日、確か、炭酸水購入後に、自分のに切り替えなかったか....?

残金の確認で.......。



.................。




私は、往生際が悪い。

言い訳がましく、言った。


だって、ほら。

会計のたびに、還元額が、書いてあるよね。

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家内が、ピクリとも笑わない真顔で、スマホを指差して、私を諭した。

コジくん。

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最初の1行の、一番最初に、なんて書いてあるかな。

「表示される残高に関わらず」と、書いてあるよね。

ね、読めるよね。

その、老眼でも、ねっ、ねっっっ。


このあたりから、私の頭の中には、ダース・ベイダー(注2)のテーマが、鳴り始めた。


そして、家内が、静かに、言った。

この失態の挽回は、1回のマッサージでは、済まないかもね。


.................。


そして、さらに、だ。

私の古傷を、思い切り、えぐってきた。

損害対象額は、15,000円。還元額に直して、4,500円程度。

まあ、かつての、99,000円の損失に比べたら、可愛いものだわね。

ふふふ、ふふ。



.................。


心の中の、リトルkojuroが、震えながら、静かに呟いた。

失敗したのは、90,000円だけど.......。

なんも.......。

なんも、言えねぇ。



家内が、最後に、締めた。

まあ、あんまり、任しとけって、言い切らない方が、いいかもね。

私たち2人は、所詮、キャンペーンダンサー(注2)だったのよ。


ほーほほほ、ほっほーほほほっ!



心の中の、リトルkojuroが、聞こえないくらに、囁いた。

真の悪魔ほど、高笑いをするものだ.....。




家内は、とことん、明るい人である。

過ぎ去った過去にこだわることは、ほとんどの場合は、無いのである。

私は、その性格に、何度となく救われてきた。

色々あったが、今日も、それに、救われた。


と、そう思った瞬間だった。



家内が聞こえるか聞こえないかの小声で、ボソッと呟いた。

あのときの99,000円に比べたら、まだ、ましだわね。




心の中の、リトルkojuroが、悲しそうに、つぶやいた。

いや、だから.................。

90,000円だって。

ミスで、損をしたのは..............。

確かに、あの時も、完全に、コジのミスだったけれど。



.................。



.................。




小志朗(注3)までの駐車場の、徒歩の時間が、永遠に感じられた。

自分の情けなさに、目が潤んできた。


ふと見上げた夜空は、やけに、星が綺麗だった。




(注1)女王陛下は、普段はお優しいのだが、こだわりポイントを外してしまい、ポイ活をしくじったり、クーポンを無駄遣いしたり、浪費をしてしまったりすると、ときに、ダース・ベイダーになる。ちなみに、私のスマホの、家内の着信音は、ダースベイダーのテーマ(帝国のマーチ)である。
この、ダース・ベイダー誕生のお話は、近々、投稿するつもりだ。

(注2)キャンペーンダンサーというのは、我が家の造語である。ポイ活、クーポンなどの還元キャンペーンに、踊らされる人のことである。


(注3)我が家の車には、小志朗=こじろう、という名前がついている。




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