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ステマのことは嫌いになっても、「PR漫画」のことは嫌いにならないでください

久しぶりのnoteです。
某大型アニメ映画の絡んだPR漫画のステルスマーケティング(ステマ)疑惑が問題として盛り上がる中、個人的に想いがあって久しぶりにnoteを書くことにしました。仕事に関わる内容になってはいますが、基本的には私個人の見解となり、所属するエキサイト(株)とは独立したものとお考えいただけますと幸いです。
※一連の騒動に関しては真偽もままならないのでここでは言及せず、ご存知ない方のために下記リンク貼り付けておきます。ご参考まで。

悪いのは「PR漫画」ではなく「ステマ」

私は、エキサイトの運営するメディアでのタイアップを中心に広告セールスをしていますが、ママ向けメディア「Woman.excite」では、いわゆる「PR漫画」を利用したタイアップを多くご提案&実施しています。

というのも、家事・育児と仕事をこなす忙しいママに向けて、記事を届けるのは決して簡単なことではありません。

そこでイラストや漫画形式を含んだ記事は、
・忙しい中でもクスっと笑ってもらえる
・「大変なのはウチだけじゃないんだ!」と共感してもらえる
・時にはテキストだけでは説教くさくなる内容も理解してもらえる
といった点で、大変有用な手段のひとつだと考えています。

実際に「Woman.excite」では、SNSやブログでイラストコラムや漫画を描かれている方を「コミックライター」としてお招きし、現在100名以上に連載執筆をいただいています。

当然、記事コンテンツとして読者に喜ばれる手法ですので、タイアップ/記事広告(以下、「タイアップ」として表記)でもご提案させていただく機会は多く、今回noteを書こうと思ったのは(「もういい加減ステマとかやめようよ」というのは大前提として、)
「このままPR漫画自体が敬遠される恐れもあるのでは」
「日頃ご協力いただいている作家さん・コミックライターさんが萎縮してしまうのではないか」
といった懸念も感じたからですが、ここはハッキリしておきます。

悪いのは、金銭や物品授受の関係を曖昧にしたまま、あたかも(それもSNSなどで影響力の大きいであろう)発信者を介して、発信者自身が自然に執筆・投稿したかのように読者やユーザーを騙そうとするステマ行為であって、PR漫画そのものではありません。
断じて。

PR漫画は実際に有効か?

一方で、「PR漫画は本当に有効なのか?」という問いに対しては(たとえガイドラインやレギュレーション上で問題がないとしても)、個人的には『必ずしもそうではない』とも思っています。(少なくとも私の知りうる「Woman.excite」のタイアップ実績を見る限りでは)
ではどういう場合に有効で/どういう場合にそうでないのか。
それには、作家さんとそれを取り巻くライフスタイル=文脈が大きく影響すると考えています。

#PR より大事なこと

先述したように、「Woman.excite」でタイアップを執筆いただくコミックライターさん達には、日頃から連載を持っていただいています。
そのため、連載読者は、コミックライターさんのイラストクリエイティブだけではなく、連載で目にするお子様やご家族の姿、子育てに対する考え方やお子様への向き合い方、悩みに共感し、それを期待しています。
その期待に応えきれていない場合、やはりスポンサー様のご期待を超えることができないこともあるのも事実だと敢えて書かせていただきます。

つまり、「#PR」や「Sponsored」といった表記を付ければ何してもいいのか?というと、作家さんのもつ文脈を理解して、互いに応援する/してもらう企画にする必要があるかと思います。
もし仮に「#PR 付いてたら読まれないんじゃない?」と思うなら、そんな企画自体、改めて見直す事の方が望ましいかと思います。

事例のご紹介

「Woman.excite」の過去タイアップから、あくまで個人的に良い相互補完関係ができたかなーと思う事例を記載して、記事を締めたいと思います。

ちふれホールディングス様 泡洗顔(2019年4月)

こちらは、コミックライターの鈴木し乃さんが、実際に長年愛用している化粧品ブランド「ちふれ化粧品」様との出会いや、子育てママならではの視点から商品レビューをしてくださった事例です。
漫画型タイアップご提案の際に「ブランドイメージが損なわれるのでは」といったスポンサーご担当者様のお声を頂戴することもありますが、鈴木し乃さんの優しい・あたたかい画風と「ちふれ化粧品」様の世界観はマッチしているように感じます。

三菱電機 様 「iNSTICK ZUBAQ」(2019年11月)

こちらは、高価格帯のコードレススティッククリーナー(掃除機)の事例です。
なんといっても記事中に出てくる『足ガード』。スポンサー様オリエン時にお聞きした「掃除機の準備~片付けまで、掃除のあらゆるストレスを軽減したい」というお声をチッチママさんが見事に表現してくださいました。よくあるご家庭の風景かとは思いますが、実際のママモデルを起用してもこんなに生き生きとした描写は難しかったと思います。
また最後の旦那様とのやりとりも、当初編集部オーダー時にはなかったものをご提案くださり、採用いただいた実際のやりとりだそうです。

<インスタグラムに寄せられたコメント(抜粋)>
●読みながら自分のことかと思うほど同意しました!✨そろそろコードレスにしたい…ってずっと思い続けてる私、とても参考になる記事ありがとうございます!💕
●夫が一人暮らしを始めた時に祖母から譲り受けたという昭和の重い掃除機を使っています😂頑張って一度出してしまえば威力は凄いのですが音も凄くて使う度に疲弊してます😅引越しを機に買い換える予定なので参考になりました😍‼︎
●憧れのコードレス。ダイ○ンのは結構重いしどれがいいのかなーと検討中だったので参考にさせてもらいますね❤️

その他、諸事情あってここには事例として掲載は避けたお取り組みが多数ございます。特に、子育て中につきものの、お子様の病気やケガ、排泄トラブルなど、内容的にセンシティブで、実写真での表現が現実的ではないようなシーン訴求も、漫画形式であれば表現が可能です。

終わりに

最後に、現在のご提案体制について少しだけ記載させていただくと、「Woman.excite」では、タイアップに特化した編集担当やディレクション部署を設けていません。そのため、日常業務で連載いただいているコミックライターさん毎の記事の反響に留まらず、ライターさんとの電話面談なども実施し、ライフスタイルや近況をよく理解した編集スタッフがタイアップのディレクションや調整を兼任しています。セールスとしてこれほど心強いことはありません。

そして、奇しくも今回のステマ騒動の少し前に投稿された下記の「ふるえるとり」さんの葛藤などを見ると、とても他人事とは思えないわけです。

だからこそ、ステマのような疑いでスポンサー様やプロダクトに損失を与えるようなことは絶対に避け、ライターさんの力を最大限活かして読者にとっても価値を感じていただけるような協力関係を築けていけたらいいな、と思います。失った信頼を取り戻すのは大変ですからね。

何度も言いますが「PR漫画自体は悪いものでありません。」

いくつかの事例にも書かせていただいた通り、好意的に記事に接触してもらい、共感・理解につなげやすい手法のひとつであることは恐らく間違いありません。だからこそ、PR漫画自体を敬遠せず、且つその「手法」だけに頼らず、メディアとライター/ライターと読者/メディアと読者/スポンサー様とメディア…それぞれの信頼関係の中でより良い企画を一緒に作らせていただければ嬉しいです。

もしこのnoteを読んでいただき、「Woman.excite」やコミックライターさんを起用したタイアップにご興味持たれた方がいらっしゃれば、ご連絡ください。

※私宛てのtwitterもお気軽に!→https://twitter.com/jo_hisato
 ┗メディア関係の方とのリレーションも強めていきたいです。

それでは…最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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