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【読書記録】『さようなら、ドラえもん』

図書館で見つけた子ども向けの哲学入門書、『さようなら、ドラえもん 子どものためのテツガク教室』を読みました。
副題が「子どものためのテツガク教室」なので、子ども向けで間違いないと思うのですが、言葉は優しくても、真面目に考えると非常に難しい問いがこの本の中には転がっていました。

「完全に道徳的によい」行為そのものは「できない」ってことがわかっていても、じゃあしょうがないとあきらめるんじゃなくて、そんなものは「ない」と決めつけるんじゃなくて、それを「めざす」ことはできる。
p102

なんて言われると、大人のズルさを使ってなんとかしている局面も多いので、考えさせられます。

中身は、カトン先生と7人の中学3年生との対話。
「なぜ、死んではいけないの?」
「なぜ、ウソをついてはいけないの?」
「なぜ、人に親切にしなければならないの?」
「なぜ、勉強しなければならないの?」
「なんのために、生きているの?」
の5章構成。

この本の最後に出てくる印象的な問い、「どうせ死んでしまうのになぜ生きているのか」という問いをわが子がもったとき、親である私はどう答えるだろうか、読み終えて考えました。
カトン先生のように、「ラクをしようとしちゃいけない」「ごまかすことなく生きるにはどうしたらいいか」という真摯に生きる姿勢から、答えを探っていくのもいいのですが、親子ではこの語り方は難しい気がします。
もっと日常的なところで、「あなたたちとおしゃべりしたり、おいしいものを食べたりするのが楽しいから、私は生きている」くらいがちょうどいいかもしれません。

タイトルのドラえもんについては、最後の方にちょっとだけでます。
おそらく想定している読者は(小学校高学年くらいから)中学生くらいでしょうから、この本を手に取る読者のことを考えると違うタイトルのほうがいい気がしました。

生きるのも、考えるのも楽ではありませんが、面倒なことを丁寧にしたり、複雑に考えてみたりするのは、結構楽しいものです。

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