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【ことばと私】災害時多言語サポート研修会に参加しました

わが県は「災害時多言語サポーター」が必要なんです!

大規模災害等の発災時、地域に住む外国人向けに、多言語や『やさしい日本語』で必要な情報を提供したり、さまざまな相談に応じたりするために、災害時多言語支援窓口が設置・運営されます。その支援窓口の一員として活動するのが、「災害時多言語サポーター」です。

災害時に、外国人が言葉や文化の違いのために適切な避難行動がとれない、避難所等で的確に支援が受けられないといったことが過去に起こっており、そういった問題を解決するため、外国語で支援が可能な「災害時多言語サポーター」が必要なのです。

現在、私の住む地域の「災害時多言語サポーター」の登録者は以下のとおりです。

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      【岩手県国際交流協会ホームページより】

令和2年度末時点で36名という登録者数には、本当に驚きました。とても少ないです。わが岩手県は日本一面積が広く、新幹線で県内から東京へ行くより、県内の2点間の移動時間のほうが多くかかることがあります。東日本大震災以降は、道路の整備がかなり進みましたが、それでも遠いものは遠いです…。

サポーターがひと桁ということは、仮に災害のあった地点からサポーターの居住地までが遠ければ、居ないのも同然に近いのではないでしょうか。かなり厳しい状況なのだということがわかると思います。

大都市圏に比べ、地方都市は圧倒的に人手が足りていないという印象があります。あとは、情報の伝達方法・手段が限られていると感じます。私の印象ですが、事後に「そんなイベントあったのね」と知ることが少なくないです。せっかくの良い企画なのに情報が拡散されていないのだと思います。

私の住む地域では大震災以降も、震度4クラスの地震は日常的にあります。揺れが次第に強くなってくると、やはりとても怖いです。もし、自分が外国人だったら、強い揺れと異国の地というダブルのショックで、どうしていいか分からなくなってしまうと思います。

クエスチョンマーク

研修会の内容をかいつまんで解説してみます

今回、私が登録する(予定の)中国語はたった3名です。統計が少し古いのですが、平成30年(2018年)の県内の在留外国人数の国籍別割合は、以下のとおりです。約半数が中国、ベトナム国籍の人たちです。

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 【2019(令和元)年いわて国際交流要覧(国際関係統計)より】

平成30年に県内の在留外国人数は7千人を超え、その内訳としては外国人労働者が4,509人です。国籍別に見ると、ベトナムが最も多くて1,330人(29.5%)次いで中国1,293人(28.7%)、フィリピン857人(19.0%)となっています。

このうち2,803人(62.2%)が県内の主産業を担う技能実習生です。当県は、主な産業が農業や水産業なのですが、従事者の高齢化や後継者(働き手)不足の問題から、外国人労働者に頼っているという現状があります。人口減少が加速する日本の各地域では、すでに外国人労働者に頼らざるを得ない産業構造になっています。

技能実習生は入国時点で、多少の日本語が理解できる(日本語能力試験N5)レベルであるとされています。しかし、従事するのが単純作業で日本語を必要としなかったり、長時間労働のために日本語学習時間が取れなかったり、日本語の話せる同胞に頼れば困ることがない等の理由から、実状としては、日本語が「話せない」「理解できない」レベルの人もいると聞きました。

「それじゃ、英語で話せばいいじゃないか!」という意見もありますが、県内8割以上の外国人が非英語圏の出身です。英語は私たちと同様、外国語として学ぶものなので、通じない人が多いそうです。実際は、日本語を学んでいる人のほうが多くなっているようです。

この研修の講師は、岩手大学国際教育センターの松岡洋子教授でした。「災害時における『やさしい日本語』の活用」について、研究をされています。私にとっては
「出たっ!『やさしい日本語』♡」といった感があったのですが、知っていたり、使ったことがあるという方は、研修参加者の半数程度しかいませんでした。

まだまだ広く普及しているとは言えないですが、医療現場でも活用が進んでいる『やさしい日本語』は、災害時もチカラを発揮してくれると分かりました。自分がどの分野に関わっていても、『やさしい日本語』をコミュニケーション・ツールとして学んでおくことは、とても重要なんだなと感じました。

ひらめいた

今回の研修での新たな気づき♡

松岡教授によると、「外国人住民は若くて元気な人が多いのだから、一緒に協働する仲間になりましょう!」ということでした。外国人をお客さま扱いするのでは、お互いの溝は埋まりません。そうやって一緒に協力していく中で、外国人が「自分もコミュニティの一員である」と実感できるのです。

そう、本当にそうだなと感じました。「ここ大変そうだから、一緒に手伝って!」と声を掛けられたら、多分、快く引き受けてくれる外国の方々は多いんじゃないでしょうか。きっかけがあれば、コミュニケーションはカタコトでも、ジェスチャーでも成立していきます。

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これまで、外国人への支援について、「自分が助けなくちゃ!」という、よくよく考えたら「上から目線」の勘違いをしていた自分に気がつきました。まず相手との良好な関係づくりを基本に考えれば、円滑なコミュニケーションは後から付いてきます。「ことばは万能!」という自分の思い込みをなくし、あらゆる側面から物事を考えていく発想を持ちたいと思いました。

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