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Research Conference 2023の「freeeのデザインリサーチのこれまでとこれから」で発表したこと

こんにちは、freeeのデザイン本部の探索チームでマネジャーをしております、応用エスノグラファのawa (@n_awamura)です。
今年、バカボンのパパと同い年だ、と気づいたのですが、実は赤木剛憲がいまだに先輩に見えます。

はじめに

そんな私めですが、去る5月末、Research Conference 2023が、「SPREAD 広げる」をテーマに開催され、「freeeのデザインリサーチのこれまでとこれから」と題してお話をさせていただきました。
企画・運営の皆さま、お声がけまことにありがとうございました。
奇しくもfreee入社後2年間の仕事をまとめる機会だったので、「いろいろありましたなあ・・」という思いを持って臨んだことを思い出します。

本記事では、発表内容を文字起こしベースでシェアいたしますので、ご関心をいただける方にご活用いただければ幸いです。
文字起こしはブラインドライターズさまにお世話になりました。
ありがとうございました。
読みやすさのために少しことばを足したり引いたり、ここ補足したいなーというところには註を入れたりしていますが、おおむね当日話したままにしてあります。なので、この記事、約17,000字だそうです笑

関係資料

当日のスライドと公式録画、Togetterを貼りますので、字幕・実況付き映画のような感覚でご覧になりたい方は、組み合わせてご利用くださいませ。

とりわけ、Togetterにある弊社magi氏の「ガヤ」は、チームを共に構想・運営した1人としての補足となっていますので、合わせてお読みいただけると理解が深まるかと思います。

また、運営の皆さまにも第三者的視点から当日の様子をレポートいただいております。
ありがとうございます。
こちらも合わせてご覧いただけるとよいかと思います。

それでは発表内容へ。

発表内容

以降、キャプチャ→そのキャプチャについて話したこと、の順番で進みます。
また、自己紹介とfreeeの紹介は飛ばしています。

それでは、始めます。


「本日お話すること」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

今日は、これまでの話とこれからの話をします。チームの発足から発展の話と、いま何にあがいてるのかっていう話をします。


「本発表における用語の定義」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

前提として本発表における用語の定義*をします。

[註]
* freeeの公式見解ではなく、発表者によるこの発表のための定義です

プロダクト開発のフェーズを、無理やりこの3つに分けて捉えます。違和感がある人もいるかもしれないけど、とりあえずそんなものだと思って聞いてください。

  • 探索フェーズ。アウトプットは機会領域とその表現としてのアイデア

  • 企画フェーズ。アウトプットは要求・要件

  • 設計・実装フェーズ。アウトプットは仕様

あと、デザインリサーチの種類の捉え方として、探索のためのものと企画・設計のためのものと2つがあるだろうなと思っています。
探索は、極端に言えば「会計で何かやろうぜ」みたいなところから「じゃあ何についてやるのか?」っていうことを手繰り寄せて、特定・輪郭付けをしていくようなリサーチです。
企画・設計っていうのは、いったんその領域が定まったっていうところで、作るべきものとか作るにしてもその領域のことをいろいろ知らないといけないので、その解像度を上げるためのリサーチです。
この2つは両方グルグル回るものなので、重なる場合もしばしばあります。


「プロダクト開発体制」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

プロダクト開発体制については、図を入れようかとも思ったんですけど、あまりにもスタンダードなのでそのままですね。
PMとデザイナーとエンジニアを中心に構成されていて、デザイン組織があって、デザインリサーチ組織はデザイン組織の一部でございます、というところです。


タイトル「freeeのデザインリサーチのこれまで」
「デザインリサーチ組織の発展の概観」を説明するスライド(内容は本発表のサマリ)

といったところで、これまでの話をちょっとしていきます。
ざっくり立ち上げから普及期っていうところと、あと拡大期から定着期っていうところに分けてしゃべっていきたいと思っております。


タイトル「立上げ期〜普及期」

まず、立ち上げと普及期のところなんですけど、私この時期は入社していなくて、今日はイタコとしてこの場でしゃべります。
イタコの御本尊(magi氏)もそこにいますけど(笑)。


「専門チーム立上げ前」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

専門チームの立ち上げのところですね。
まずその当時、やっぱり業務システムなのでドメインスペシャリストPMの知識ですね。
いわゆるドメイン知識と、あと実務をやってる中でこれにちょっとつまづいたみたいな、何かうまくいかないっていうようなところを着想源とした企画が当初は主体でした。
プロダクトアウトが主体だったというところです。

この時期、まず作って出すっていうのが強いし、改善っていうのはいわゆる顕在化ニーズで、セールスとかカスタマーサクセスからフィードバックを受けて、じゃあそれを直そうっていうことでやってたっていうのがあります。
だんだんそういったことの背景を知りたいことが増えてきたっていうのがまず一つの理由ですね。


「専門チーム立上げの理由」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あともう一つが、事業成長をしていくために経営プラットフォームを目指したい、お役に立ちたいっていうところでいくと、ユーザー数をやっぱり増やしていくっていう必要がありました。
それは、今まで使っていただけてない方々に向けて何かするっていうことなので、大玉施策とか新規プロダクトっていうのを立ち上げていくっていうところで自信がほしいわけです。
なので、それまでの得意技のプロダクトアウトに加えて、もうちょっと市場のことをよりガッツリ知るっていうところで両輪を持つ、っていうのが一つの理由だったということです。

あとは数人のプレイヤーがユーザビリティテストとかをやっていて「あれ使えるじゃん」ってなったっていう、いわゆる小さな成功例っていうやつがあったのがもう一つの理由だっていうところですね。


「立上げ時からの思想」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

次に、思想です。
僕はこれがいいなと思って入社したみたいなところもありますけど、リサーチを特別視しない、っていうところがあります。
リサーチ単体の、リサーチのための完成形を目指す、じゃなくて、そのときどきに応じたプロダクト開発を前に進めるリサーチをするということをしてます。

あと、やっぱり業務システムなのでみんなドメインを知らないといけないっていうところで、全員一次情報をできるだけ当たれるようにしていくっていうのもあります。
なので、うちの体制としてPMとデザイナーが主にプロジェクトをリードするっていうことが基本となっています。
中でも、特に難易度とか重要度が高いプロジェクトに関してはわれわれのチームのメンバーが入っていくというところです。
これをリサーチセンター型じゃなく分散型っていうふうに表現することもあります。
別に優劣とかではなくて、組織形態としてそうだっていうことですね。

これらを可能とする環境づくりをしていくっていうことをしてきたというところです。


「企画・設計のためのデザインリサーチを広める」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

この時期に何をしてたかというと、いわゆるユーザビリティテストを広める、仮説検証リサーチをやるっていうことですね。
業務フローはこうなってるんじゃないかとか、ここら辺に苦しんでるんじゃないかとか、そういった仮説を検証するということと、何かコンセプトを作って「どうですかね?」って行くっていう調査をやってたというところです。
手段としてユーザーインタビューとか、いわゆるカスタマージャーニーマップとか、あの辺ですよね。
あとアンケートをやってたというところです。


「リサーチ環境を作る」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

先ほど言ったように分散型なので、皆さんが自立してやっていただかなければっていうところがあり、なのでリサーチ環境をつくるというところもしました。

一つはkitの作成です。
自力でリサーチができるための資料っていうのをそうやって呼んでいて、チームメンバーの経験値をfreeeに翻訳したっていうところですね。

あとデザインリサーチサロンっていうのもやっていて、週に1回1時間、「なんでも相談してください」、「全社から、なんでも聞いてください」っていう固定枠を作っています。
相談を受けるんですけど、やっていて思うのが、いろんなところから相談していただけるので、社内のどこでこんなことが起こってるんだみたいなのが分かる場となっていて、すごいいいなと思っています。

あとはResearchOpsの立ち上げですね。
リサーチされてる方はもう沁み入るほど分かると思うんですけど、アポとか謝礼とかのプロセスってめちゃくちゃ繊細で、めちゃくちゃメンタルシェアが取られるので、だんだん実査との両立が不可能になってきます。
というところで専門スタッフを雇用して大活躍してもらってるっていうところですね。


「freeeのユーザーリサーチQ&Aの目次」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

いきなり(ツイートのキャプチャが)出てきましたけど、この時期の集大成かなと思っているのがこの資料です。
これが出たときに僕が「すごい! すごい!」って言ったんですけど、ユーザーリサーチのQ&Aっていうのがあります。
入社すると読めるそうなんですけど。

freeeで実践をしてきた中で、だいたいfreeeにおけるベストプラクティスが見えてきたっていうところですね。
それを伊原がまとめたっていうのがこの資料で、一つの達成だなって思っています。


「小括として、なぜ普及が進んだのか」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

普及がなんで進んだのかっていうところなんですけれども、まずコロナでいろんなことが変化していくっていうところで、不安ですよね。
社会情勢が動いていくっていうところなのでキャッチしたいっていう気持ちが強く働いたっていうところがあります*。

[註]
* ここは解釈の事前共有ができてなかったところで、togetterのmagiさんによれば、「「コロナだけど、コロナだからこそ、マジ価値を追いたい」が追い風だったのよね」とのことです。

あとコロナ禍でオンラインインタビューが当たり前になった。相対的に手軽にできるようになった。
思い返すに当時のGoogle MeetとかZoomとかの普及って爆発的で、それまでずっと(観察対象の業務の)現場に行っていた人間からすれば「おおーっ!」ってなったんですけど、そういうこともあったなっていうところですね。

あと企業フェーズ面で、さっきも言ったように大きくなってきていてだんだん課題が複雑化してきて組織の規模も拡大するっていう中で、どうしても経営陣にとって現場が見えづらくなってきます。
そういうときにリサーチ結果があると投資の意思決定としてすごい材料として活用できるわけなんですよね。
そういうことでリサーチいいじゃんっていうことで追い風が吹いたっていうのが当時の状況だったわけです。


「小括として、仮説検証の次へ」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

なんですけど、同時にちょっとユーザーリサーチの儀式化みたいなのも当時起こったみたいでっていうところで。

ユーザーリサーチをみんなしてるし、良さそうでしてみるんです。
freeeって割とそんな社風で、「やるぞー!」ってみんなで言って「やるぞー!」ってみんなで行く。
そんな社風なんですけど、やってみたはいいんですけど「デスクリサーチで分かったよね?」とか「別にリサーチしなくても意思決定できたじゃん」みたいなことがあって、ユーザーリサーチはご利益あるんだけど、やってみると「ん?」ってなるみたいな、そういうこともあったみたいです。
っていうことを、当時は「すごい!」ってなってるんですけど、だんだんみんな「うーん…」ってなっていったと。

これは逆に言えば、仮説検証があらかた進んだということでもあったのかなと思いますけど、そういうことも当時起こったというところです。
そんな中で仮説検証の限界とか費用対効果っていうのも見えてきたっていうところで次どうするっていうところを探す機運も高まっていくという、そんなところです。


デザインリサーチチームについての過去の記事を紹介するスライド (内容は直後の書き起こしと同じ)

私のイタコ芸はここまでなんですけど、ここまでについて詳しくはこの2人が過去にWeb上に記事を書いているのでぜひ読んでみてください。
身内ですけど、面白いです。


拡大期、定着期の話に入っていきます。後半ですね。


タイトル「拡大期〜定着期」
「拡大〜定着期の概観」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

拡大期、定着期の概観なんですけど、仮説検証って引き続き拡大して定着をしていきます。
リサーチチームのメンバーも当初に比べては増えてるというところですね。
なんですけれども仮説探索っていうものの実践が広がっていくので、以降の話の軸としてはこちらにさせてくださいというところですね。


「探索と観察への期待の高まり」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

探索と企画への期待の高まりっていうところです。
新たな企画、アプローチへの期待ですね。

みんなでリサーチするぞっていうのは広まったわけです。
なんですけど、その(テーマの)源ってなるのは引き続きドメインスペシャリストPMの持ってる知識とか過去のうまくいかなかった経験が中心なわけですよね。
そうなんですけど、じゃあそのプロダクトチームを超えたメンバーで探索・企画してみたらどうなるんだろうっていう期待があったっていうところです。

ただ私も含めてドメインスペシャリストじゃないので、正直なところドメインのことはそんなに詳しくないわけです。
じゃあ、みんな共通言語を持つためにはどうすればいいですかってなったときに観察が着目されたという、そういったところですね。

あとはもう一つが経営への全体性の理解への期待っていうものがあって、さらに経営プラットフォームを目指すぞってなったときにプロダクトごとで見ると会計とか人事労務とかっていう塊で見るんですけど、(業務の)現場では連なってるわけなのでそれを丸ごと理解するっていうことが必要だっていうことも改めて認識されるようになったというところです。

こんな機運の中、2年前を思い出しますけど、来月でちょうど入社2年ぐらいなんですよ。
そんなに経ったかって思うんですけど、エスノグラフィのビジネス応用を実践してきた私が入社させていただきましたというところです。


「探索リサーチの中心としての業務観察」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

なのでエスノグラフィをやってるんですけど、探索リサーチで業務観察ベースが中心です。
ただエスノグラフィのビジネス応用のことをfreeeでは業務観察っていうふうに呼んでいて、詳しくは(僕に)聞いてください。
ここでしゃべると思いがあふれて長くなるので。

けど、やってることはありのままの業務実践を観察させていただいて、フィールドノーツの作成や分析、ワークショップっていうものを通して機会領域とかそれを表すアイデア群を導き、新たな企画につなげるということをやってます。

機会領域って難しく定義すると難しくなるんでしょうけど、「この辺やればいいんじゃない?」って何個かみんなで思ったものの中で「よし、これやる!」ってみんなで信じられるものを機会領域だなっていうふうに思ってるんですけど、そういうところですね。
詳しくは後でケースを出すので、そこでまたこんなものかって思ってください。


「これまでの探索プロジェクトからの学び」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

ケースに入る前にちょっとこれまでの探索プロジェクトの学びをいろいろ共有すると、まず目的とその言葉を合わせないと進まないなっていうところがあります。
どうしてもデジタルプロダクトって仮説検証が主体なので、企画設計が目的なのか探索が目的なのかっていうところを合わせないとずれます。
あと同じ企画っていう言葉っていろんなところで使われるので、工程の今どこで何を話してるんだっていうことでやらないと期待値がずれるんですよね。
そこを擦り合わせしないとちゃんと進まないっていうことが一つの学びです。

あとはテーマと優先度設定をちゃんとしないと進まないっていうこともあって。
探索なんですよね。だから自由にボトムアップでみたいな感じにはなるんですけど。
それだけだとちょっとスケールしないです。
各自のロールに応じてすでにすべきことってすごいたくさんあるし、そこからモードをまず切り替え、そして時間を作り、そしてテーマを見つけてやるって結構容易じゃないことなので、そういうことをちゃんと組織としてコミットして領域設定しないと駄目だっていうことがあります。

あと参加者の嗜好と志向に合わせないと進まないなっていうところがありまして。
これは取り組むべき領域が見えていて、そこにソリューションを作り込んでいくことが好きな人もいるので、それはそれですごくいいことなので尊ばれるべきで、誰も彼もというわけじゃないねっていうところですね。
こういったことを踏まえて引き続き進行してますというところです。


タイトル「ケース」
「お話するケース」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

じゃあケースをちょっとご紹介させていただきます。
今日お話するケース、一つは業務観察っていうのを起点・出発とした企画をリードしましたので、そういった機能をリリースとしたケースとしてもちょっとしゃべります。
あともう一つが業務体感のための業務観察をサポートしたケースというのもしゃべります。


「freee会計「修正待ちリスト」の機能」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

企画したのはfreee会計の修正待ちリストっていう機能なんですね。

これをちょっとざっと説明しますと、freee会計のトップ画面があります。
そこにやることってなるんですけど、タスクリストがあって、そこに帳簿付けで間違ってる可能性があるものっていうのを件数を出すわけです。
件数を出すと、ポチっと押すと下の画面にいって一覧が出るわけですね、ここ間違ってるじゃんっていうのが出るわけです。
それをさらにクリックすると具体的な修正箇所が出てきて、あとどうしても資料が狭くて出し切れなかったんですけど、下にカスタマーサクセスメンバー入魂のガイドがあります。
そこでそれを見ながら行き来しながらどう修正したらいいかっていうのを学ぶことができるというところです。


引き続き、「freee会計「修正待ちリスト」の機能」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

晴れて修正したら、社内でおじさんって呼んでるんですけど、この人が出てくるというところですね。
こういった流れの機能です。


「freee会計「修正待ちリスト」プロジェクト」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

ここで背景を、行なったことなんですけれども、PMとデザイナーとカスタマーサクセスが合同しまして、freee会計ユーザーの記帳業務のありのままっていうのを20件程度インタビューおよびオンライン観察させていただきました。
あと、カスタマーサクセスがいろいろ知ってるので、社内ですごいかじり付いて聞いてた記憶があります。
あと、それを分析ワークショップをみんなで行って機会領域っていうのを出したと。
そして企画して実装してっていうふうにいっていたっていうかたちです。

リサーチ的なところで言うと、発見ですかね。
帳簿の登録ミスの恐れや手に負えない感みたいなのが特に設立初年度のユーザーさんにはあると。
だから初めて決算申告にたどり着けないっていうところで単に知識面のサポートだけではなくて、そういう情緒のところもサポートしなければいけないわけです。
要は申告までゴールが見えないと心が折れるし、不安になるので。

なので中間ゴールみたいな達成感とかフィードバックを得られやすくすると、初回申告にたどり着けるユーザーを増やすことができるっていうことが機会領域としてみんなで「よし、これをやろう!」ってなったわけです。
そのアイデア例として帳簿チェック機能、サポート機能っていうのがあって、それを元にアレ(実現された機能)を作っていったっていうことになります。


「freee会計「修正待ちリスト」の成果」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

実際にコンセプトはどうでっしゃろっていうことを聞いて、それをベースにMVPを開発しました。
そのMVPをテスト公開しまして、予めセットした定量評価基準はクリアできたので一定価値はあるのではないか、マジ価値なのではっていうことがあって、今年の3月末ですかね、freee会計ユーザーの方に公開させていただきました。

いただいたフィードバックとかユーザーリサーチを通して継続して改善しているというところです。


「freee会計「修正待ちリスト」の意義」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

この意義なんですけど、正直「当たり前じゃん、この機能」みたいな感じに見えると思うんですよね。
なんですけど、そこが重要なんじゃないかなって思ってます。

探索の結果として、組織の中で当たり前でかえって光が当たらなくなることが見つけられるっていうことがあるんですね。
例えばカスタマーサクセスって、そういう情緒面って「不安だよね」ってみんな思ってるわけなんですけど、そういうのがどうしても活動の中で忘れられがち、埋もれがちなわけですね。
あとは昔にそういう帳簿チェック機能があったよねみたいなこともあります。

そういったのを業務観察で「ああ、やっぱり」みたいな、「ありのままこうなんだ」みたいなところの共感をベースにそこへの関連性*が増え、そしてそれが発掘される。
けど過去と違う手段でリフレーミングしてユーザー価値につなげていくっていうことです。
こういった編集を行って新しい機能としてリリースできたっていうのは意義なのかなというふうに思ってます。

[註]
* 共感が生まれた状況の中で、忘れていたことが自分への関わりを持って改めて想起されている、ということをここでは意味しています。つい出てしまった専門的な言い回しで、発表者が影響を受けている現象学的社会学などでいうレリヴァンス概念を念頭に置いています。

あとは探索・企画ですね。
他職種共同で業務観察で得た内容というのを共通言語に納得感の高いかたちで行うことができたのかなっていうふうに思っています。


「会計事務所での業務観察の取り組み経緯」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あとは会計事務所での業務観察ですね。
これはどっちかと言うと(プロダクトチームの)サポート側なんですけれども。

会計事務所などの専門家向けの機能っていうのがあって。
けど、そこでの課題ってデザイナーとエンジニアがなかなか業務理解っていうか「会計事務所って何?」っていうところが深まらないんですよね。
各種資料とか関係者からのインタビューベースで理解をしていたというところです。
なので、そういう状況だとなかなかロードマップの検討の場とかUI設計の場で優先度判断において、(ドメインスペシャリストの意見に対して)なかなか後手になるっていうところがあります。

なのでドメインスペシャリストの共通言語とか具体な形を進めていくというのが拠り所として観察するかっていうことをしたというところと、それまでの設計の妥当性の検証みたいなのも一つの目的だったっていうところです。


「会計事務所での業務観察への関わり方、会計事務所での業務観察の意義」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

僕自身の関わり方は、いくらか(組織エスノグラフィのクライアントワークの)経験があるので受け入れ先でこんな動きをさせてくださいっていうことを交渉しました。
あと現場での業務観察とかユーザビリティテストの進行枠ってこんなふうにやればいいんじゃないですかっていうのを一緒に作っていって、現場では水先案内人に徹しました。
数件同行した後はプロダクト開発チームが自立して実施できるようになってたのかなと思います。

意義としてはそれまでの設計に対するフィードバックが得られるとともにプロダクトチーム内での議論が目が合いやすくなったことなんですけど、これはご本人から振り返りを読んでいただいたほうが良いと思うので、ちょっとそこに出しているような記事を探して読んでいただければと思います。
確か去年のアドベントカレンダーに含まれていたと思います。

そういったものを含めつつ、機能の第1弾リリースを今年の4月に行われて改善中ですよっていうところです。


タイトル「freeeのデザインリサーチのこれから」

といったところで、こんなふうに広めてきましたよっていう話をしたんですけど、これからの話もしたいと思います。


「本発表時点のfreeeの状況」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

freeeの状況として、今プロダクトがどんどん増えて人もどんどん増えています。
まあー、増えます(笑)。
2年で2倍規模の組織になりました。

個々のプロダクトを強くしていくぞっていうだけじゃなくて、統合への強い関心っていうのも置かれているというところです。
プロダクト組織もデザイン組織もフェーズがどんどん変わってます。ということに後で気付くんですよね。
それでおたおたするみたいな。正直おたおたするっていうことが起こります。

これを本とかで読むと一般論として聞こえるんですけど、中にいると本当に理解って追いつかないんだなって、しみじみしちゃうなって思いますね。


「デザインリサーチも課題は山積み」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

それに応じてデザインリサーチの今までのかたちも課題は山積みだぞっていう話をしていきます。


「急速な組織拡大への対応」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

まず一つが急速な組織拡大の対応というところで。kitの維持が追いついてないです。
すみませんって感じなんですけど。
ところどころ古くなってるのは分かっているんですね。
組織の名前だとか社内のプロセスとかが盛り込めてなくて。
古いので新入社員にとってキャッチアップって結構大変なんだろうなって思いながら見てるんですけど、ちょっとなかなかできてないですね。

あとリサーチの再教育が必要かなっていうところで。
PMとデザイナーによるユーザビリティテストを分散型なのでやるんですけど、ちょっと基本を踏まえない例が見聞きするようになってきた。
ユーザビリティテストなのにタスクがないとかインタビューなのにクローズド質問が多いとか、そういったところですね。
ちょっともう一度なんとかせねばならんっていう、そういうフェーズです。


引き続き「急速な組織拡大への対応」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あとはリクルーティングの多角化・合理化っていうところで、メール配信システムが渋滞してます。
なのでこれまでメールでずっとやってきたんですけど、メールじゃない手段が必要だなっていうところですね。

あとリサーチリポジトリの本格整備というところで、分散型って言ってきてるんですけどリサーチ結果が散逸しがちなんですよね。
みんな目先のリサーチはやるんですけど、それが終わると喉元過ぎればなので集約するモチベーションっていうのはそれには優先度が上がらないわけなんです。
なので再利用が容易じゃない状況ができちゃってるなって思って、それも整備しなければいけないわけですね。

タスクフォース作ってやらなきゃいけないなって思ってます。


「リサーチの過度な拠り所化」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あとリサーチの過度な拠り所化っていうのが起こっちゃってますね。
デザインリサーチって幸い定着したと思ってるんですけど、リサーチして企画書を書くっていう型ができて。

ただ、それをすれば大丈夫っていう感じになっちゃってる。
けどリサーチってしょせん意思決定の材料にすぎないし、一つのインプットにすぎないので、そういうものが過度に拠り所化だけするのはよくないっていうところで、それ以外のアプローチ、プロダクトアウトっていうのが必要になってくるというところです。
なので、これはプロダクトアウトの再促進とか参与観察*の取り入れみたいなところで多面的に対応していくっていうことが必要かなと思ってます。

[註]
* participant observation。観察対象の業務を自分で自ら行なうことによって、実践者としての視点から業務の理解を目指す、という方法。

(freeeとして)これに近い問題意識っていうのがありまして、これはリサーチチーム、われわれが主体となったものではないんですけれども、全社的にちょっとそういうのが「やらないとね」ってなっていて、その一つの例として今年の4月ですかね、東京蔵前に透明書店っていうのが開店しまして。
ChatGPTを使ったサービスみたいなのも行ってますし、あとそこで店頭業務をやって、原体験を得るぞみたいなのもやってるっていう感じなんですけど。

工事で床を塗ったりしました。
行ってみてください(笑)。


「SaaS開発のスピード感を前提とした定性分析の手法化」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あと、これはSaaS開発のスピード感を前提とした定性分析の手法化っていうやつでですね。
これバランスなんですよね。
インタビューしてパっと振り返って次にいくっていうのがちょっと目立ちがちなのが、一方であります。

僕からすると、レモンをたくさん切るじゃないですか。ちょっと絞ってちょっと絞ってちょっと絞っていくんですけど、ギュって絞ればもっといろいろ出るじゃんみたいなのがあって、そういうのがちょっとどうしてもあるんですよね。
個々のリサーチ機会をもうちょっと生かしたらいいんじゃないかって思うんですけど、じゃあ他方でデザインリサーチを教科書通りに丁寧に行ってるとスピード感と乖離していくんですよ。
そういう、なんというか必要十分なところはどこだみたいなのを探さないといけないっていうところで分析精度と、あとはやっぱりリサーチの効能としてはメンバーの視線が合うぞっていうところでもあるので、そういったところを両立させたSaaSのスピード感に合ったような定性分析っていうのをちゃんとやっておかなければいけないねっていうところがあります。


「問いと着想の能力開発」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あと問いと着想ですね。
もともとのメンバーの性質として、制度・法令対応みたいな難し系の内容をしっかり理解を高めてそれにカチっとしたソリューションを出していくっていうのは得意なメンバーが多いです。
すごいなって思うんですけど、他方で相対的に業務実践を見て何をすれば良さそうかっていう問いの輪郭を手繰り寄せたりとか、ソリューションをそこから着想するっていうのが得意なメンバーは相対的に多くないっていうところです。

これは別にどっちが優劣ではもちろんないんですけど、今ちょっとそういう構成になってるかなっていうところがあるので、そこを開発していかなければいけない。
開発って何かと言うと、志向とか嗜好って個人としてあるんですけど、場数とか慣れみたいなところもあって。
僕も昔は別にそんな得意じゃなかったし、探索と着想をやっていく中でこんな感じかっていうのができてきたみたいなのもあるので、そこへのアプローチっていうのを検討してるぞっていうところです。


「デザインリサーチ組織の次の形の検討」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

あとは、デザインリサーチ組織の次の形の検討です。

立ち上げから普及期はfreee会計を拠点にして事実上の基盤プロダクトでやっていて、機能・キットなどのリサーチ環境も整え、リサーチを定着させるっていうことを共通目標としてました。
それは達成されたと言っていいんだろうなと思ってるんですけど、同時に現時点で課題が見えてるなと思います。

特務チームとしてロールが固定化されちゃうと逆にそのデザインの可能性って限定されるみたいな面も出てくるなというところで、デザインリサーチは上流、プロダクトデザインは下流みたいになりがちなんですよね。
けど、それって上流寄り工程でモデリングとかプロトタイピングでより得意なプロダクトデザインが入ったり、逆に下流工程での発想とか、あるいは事業部とかとのつながりとか、そういったところを増すためにデザインリサーチが入ったりみたいな、そういう機会って少なくなりがちなので、ちょっとそれがいかがなものかっていうところですね。

あとはデザインリサーチチームの共通目標が正直ちょっと薄くなってるなっていうところがありまして。
っていうのは分散型なのでそうなんですけど、むしろメンバーがそれぞれのプロダクトチームの結び付きを深めるほうがいいんじゃないかという話になってます。


引き続き「デザインリサーチ組織の次の形の検討」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

というところで、特務チームからよりプロダクトチーム側のメンバーとしての活動を1回強めてみるか、みたいな検討を今してます。
ロールになったら、分散するだけじゃアレなので、ロール内の連携はちゃんとしてプロダクトの垂直成長と統合の両面っていうのを目指すみたいな、そういうところを考えているというところです。
「など」って書いてるのはまだ検討中ですっていうことです。


「まとめ」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

というわけでした。
デザインリサーチのこれまでの話とこれからの話をしました。

(デザインリサーチを)プロダクト開発とその中の意思決定のアプローチの一つとしてfreeeに定着させることはできたのかなと思ってます。
これからの話はデザインリサーチの位置づけとか環境とか、チームのかたちとかでのアップデートをしながらさらなるマジ価値を追求していきたいと思っております。


「おわりに」を説明するスライド(内容は直後の書き起こしと同じ)

というわけで、リサーチを広げてきた組織の超リアルっていうのをかなり包み隠さず伝えたつもりです。

皆さんいろんな組織にいてかたちは違うと思うんですけど、それぞれの持ち場で頑張っていければいいかなと思います。
ありがとうございました。

質疑応答

【司会者】
粟村さま、ご講演ありがとうございました。続いて質疑応答に移らせていただければというふうに思います。
早速来ているものから質問させていただければと思うのですが、ユーザー行動などの定量のデータとリサーチによって得られる定性のデータの使い分けはどのようにされていますか? ということと、定量のほうが意思決定において重視される傾向にありますか? という質問をいただいていて、たぶんこの質問者の方は定量ばっかり重視されているから質問していただいてるのかなというふうに思うのですが、どうでしょうか?

【発表者】
別に両方使えばいいんじゃないですか、と思ってます。事実、さっきの修正待ちリストというやつの裏のところですね。まず効果の計測みたいなのも思い切り定量ですし、あとこの裏で何を検知するかっていうのは実際にfreee会計のログを見てアナリティクスに強い人間と一緒に決めていったものなので、うちの会社においてはそこの区分けはあまりないかなと思ってます。

【司会者】
ありがとうございます。続いて、相談事を受けて解消・保留など判断を下すと思います。たぶんリサーチサロンのことですかね。言い方はアレかもしれないですけれども、いろんな粒度感の相談がある中でどうやって解消とか保留をしていらっしゃるんですか? どのように判断してるんですか? という質問をいただいております。

【発表者】
質問の意図が、私は神ではないのでご本人に保留していただければと思いつつも*、いろんな会話を楽しみながら一緒にその場で考えていくという……。すごい回答としてありきたりですかね? けど、そんな感じかなと思います。もう一回、どんな質問でしたっけ?

[註]
* プロジェクト担当者の本人が判断するものだと捉えている、の意。デザインリサーチサロンはアドバイスの場で、それ自体に決定機能はありません

【司会者】
質問がですね。相談事を受けて、いろんな粒度の質問があると思うので、「もうちょっと考えてきてよ」みたいな質問もあるんじゃないですか? という意図だと思うんですけれども、そういう質問に対してどうやって解消してあげたりとか保留してあげたりとか判断を下していますか? という。

【発表者】
ストレートにお答えしてるんじゃないですけど、一般的なものとしては一緒に考えていきましょうって常に言うんですけど、典型的なケースとしては例えばアンケートを持って来るんですけど、「ちょっとまだアンケートをする段階じゃなくてインタビューで初期仮説とかやったほうがいいんじゃないですか?」みたいな話をして、「そのための問いってなんでしょうか?」っていうのをその場で一緒に相談して、「じゃあ、こういうインタビューをしましょう」ってなって、「じゃあ、ちょっとインタビュースクリプトを一緒に作ってみましょうか。見ますのでSlackでメンションしてください」みたいな、そんな感じでやってます。

【司会者】
これは私もすごい分かるなと思っていて、アンケートを作ったのでレビューしてくださいって持って来てくださるんですけど、背景を聞いたら「えっ、インタビューのほうがいいんじゃないですか」みたいな。

【発表者】
そうですね。やっぱり専門チームの価値ってそこだと思います。その状況で適切なものってなんだ? っていうことをちゃんと見分けるっていうのと、あと「これ別にリサーチしなくていいです」っていうことを言うっていうことで、進めるっていうことが意義なのかなと思います。

【司会者】
そうなんです。必ずしもレビューしたりとか完成させてあげるだけではなくて、正しい方向に導いてあげるみたいな判断の下し方もあるっていうことですよね。

【発表者】そうですね。一緒にやりましょうっていうことですね。

【司会者】
ありがとうございます。あと途中で「CSにかじりつくスタンス」でっていう言葉が出てきたと思うのですが、このスタンスは自然に成り立ったのでしょうか? それともきっかけや仕組み作りをなさったのでしょうか? リサーチャーのみならずPdMやエンジニア、デザイナーもこのスタンスを持っていますか? という質問をいただいております。

【発表者】
持ってると思います。まずビジネス的なことで言うと、SaaSなのでチャーン*があるとまずいわけなので、サクセスメンバーがすごい人たちだっていうのは社内の共通認識としてあります。個人として思ってるのは、そんなしょせん僕なんかがちょっとリサーチするよりもサクセスメンバーのほうが詳しかったりするわけなので。ただ、やっぱり(CSは)顕在化ニーズっていうところを中心に日ごろ受けてる部分はあるし、声が大きいとかそういったところもある**じゃないですか。なので、そういったものを自分が代わりに一緒になって探りにいくっていうような、そういうスタンスでいますけどね。

[註]
* チャーン=解約
** CS担当者にとっては目の前の喫緊の問題であっても、プロダクトチームにとっては既知の問題でかつ全開発アイテムを勘案する中で断腸の思いで後回しにせざるをえないという判断をくだしていることもある、の意

【司会者】
粟村さんが入社されたときは、もうCSはすごい人でかじりついていくぞみたいな雰囲気はすでにあった感じですか?

【発表者】
留学みたいなのは行われてました。
自分としてはこれはなんか人生語りみたいになってますけど、僕はカスタマーサクセスとむしろUXみたいなのをもっと融合していきたいみたいなことを採用面接でしゃべって入ったんですよ。それはできたなと思ってるんですけど、そういうことの一つの表れでこれをやってます。

【司会者】
確かに。CS留学はすごい面白いなといつも思います。

【発表者】
そうですね。

【司会者】
ありがとうございます。もう一つぐらい質問いけるかな。リサーチのスピード感や深堀りのバランスはどのように現状取っていますか? っていう。最後のほうに「今から考えます」っておっしゃったところだと思うんですけれども。

【発表者】
答えがないから課題なんですけどね。課題なんですけど、僕が個人技としてやってることを言うと、「とにかくPMとよく話す」です。
っていうのは、もともとプランがあって、それを1週間進めるわけじゃないですか。でもその間に例えばPOとか経営陣とかと話していて状況が変わってるかもしれないですよね。だからその1週間前にプランしたものって、全然いま正解であるとは限らないので都度修正していくっていうような、そんな感じでやってますけどね。
それが事を進めるって言ってることですかね。

【司会者】
事業状況に応じて今やってるリサーチがもっとピボットしたほうがいいかもしれないし、深堀りしたほうがいいかもしれない。変わってくるのでっていうことですね。

【発表者】
そうですね。あくまでその状況にフォーカスして、そこで何がベストかっていうのを考えるっていう姿勢でやってるつもりです。

【司会者】
私もSaaSを担当していてリサーチしてるので、1個のレモンを丸々使ってるのに2滴とか3滴しか絞らずにどんどん捨てていっちゃってるじゃんみたいな。まさに思うところがあるんですけど、リサーチャーだから気になるのかなとか。

【発表者】
それはみんな思うところありますよね。難しいところですね。ごめんなさい、ごまかしてるけど(笑)。

【司会者】
これから考えていくっておっしゃってたので、こういうのがいいんじゃないかみたいなのが出たらまた教えてください。

【発表者】
そうですね。

【司会者】
ありがとうございます。他にいただいている質問。少々お待ちくださいね。ちなみに粟村さんが入られる前からfreeeはデザインリサーチみたいな活動をされていたのかなと思うんですけれども、粟村さんが入ってから外から見て気付かなかったけど、入ってみると気付いたリサーチの取り組みとか何かあったりするんですか? 「こういうこともやってるんだ!」みたいな。

【発表者】
あんまり(デジタルプロダクトの)仮説検証を実は僕はやってこなかったっていうのが正直なところなんですよね。ずっと(未来洞察文脈の)エスノグラフィをやってた。今でもアイデンティティとしてはUXリサーチというかエスノグラフィをやってる。なので、それがシンプルに勉強になった。

あと、今日、本を紹介してるんです。会場の下で『DESIGNING CONNECTED CONTENT』っていう本を紹介してるんですけど、あれを読んで僕はデザイナーにとってのリサーチってこうなんだってすごい勉強になったんです。
「つまり作るものの解像度を高めるためにリサーチしてるんだな、そうか!」みたいな。「俺は作るものの領域を探すためにリサーチしてた!」みたいな感じで(笑)。
そこの気付きが得られたっていうのはすごいfreeeの環境は面白かったかなと思いますね。

【司会者】
なるほど。ありがとうございます。お時間がきましたので、この辺りで質疑応答は終了とさせていただければというふうに思います。ありがとうございました。

【発表者】
どうもありがとうございました。freeeをよろしくお願いします。

おわりに

当日の様子は以上です。
ベンチャーのフェイズがどんどん変わっていくなかでのデザイン組織およびデザインリサーチ組織を当事者として作っていけるのはなかなかないことだったので、ありがたい立場にいさせてもらった2年間だったな、と感謝しております。

で、実は・・ここで話したことはもちろん有効ですが、すでに「そんな頃もあったなー」という気持ちになっています。とにかく変化が早い。
なので、そのうち発表の後日談も書く予定です。

最後に、お約束ですが、そんなダイナミックな環境で、デザインリサーチという角度からプロダクトマネジメントを進めてみたい方、freeeにてお待ちしております!
カジュアル面談もお待ちしてます、とりあえずDMくださいませ。

それではまたお会いしましょう、引き続きよろしくお願いいたします!

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